令和6年度版障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト
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4障害者の雇用状況276❶ (資料出所)令和5年度「障害者雇用実態調査」厚生労働省では、令和5年6月に民営事業所における障害者の雇用の実態を把握するため、障害者雇用実態調査❶を実施した。この調査は、5年ごとに実施しているものであり、前回は平成30年に行っている。【調査の概要】本調査は、民営事業所における障害者の雇用の実態を把握するため、全国の従業員5人以上の民営事業所約9,400事業所を対象に、雇用している障害者の障害の種類・程度、賃金、労働時間等について調査した(回収率67.9%)。【調査結果の概要】1 身体障害者、知的障害者、精神障害者及び発達障害者の雇用状況障害者の雇用状況については、産業別、事業所規模別の回収結果をもとに復元を行った推計値を利用して分析を行った。ア 障害の種類・程度別の雇用状況身体障害者について、障害の種類別にみると、肢体不自由が35.4%、内部障害が30.6%、聴覚言語障害が12.2%、視覚障害が7.5%となっている。知的障害者については、重度が11.8%、重度以外が81.0%となっている。精神障害者については、精神障害者保健福祉手帳により精神障害者であることを確認している者が92.7%、医師の診断等により確認している者が6.9%となっている。精神障害者保健福祉手帳の等級をみると、3級が43.0%で最も多くなっている。また、医師の診断等による確認のうち、最も多い疾病は「そううつ病(気分障害)」で17.0%となっている。発達障害者については、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害」が69.1%で最も多い疾病となっている。イ 雇用形態雇用形態をみると、身体障害者は59.3%、知的障害者は20.3%、精神障害者は32.7%、発達障害者は36.6%が正社員となっている。ウ 労働時間エ 職業オ 賃金カ 勤続年数2 障害者雇用に当たっての課題・配慮事項障害者を雇用する際の課題としては、身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者ともに、「会社内に適当な仕事があるか」が最も多くなっている。また、雇用している障害者への配慮事項としては、身体障害者については、「休暇を取得しやすくする、勤務中の休暇を認める等休養への配慮」、知的障害者については、「能力が発揮できる仕事への配置」、精神障害者については、「短時間勤務等勤務時間の配慮」、発達障害者については、「休暇を取得しやすくする、勤務中の休憩を認める等休養への配慮」が最も多くなっている。3 関係機関に期待する取組み障害者を雇用する上で関係機関に期待する取組みとしては、身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者ともに、「具体的な労働条件、職務内容、環境整備などが相談できる窓口の設置」が最も多くなっている。週所定労働時間をみると、身体障害者は75.1%、知的障害者は64.2%、精神障害者は56.2%、発達障害者は60.7%が週30時間以上となっている。職業別にみると、身体障害者は事務的職業が26.3%と最も多く、知的障害者はサービスの職業が23.2%と最も多く、精神障害者は事務的職業が29.2%と最も多く、発達障害者はサービスの職業が27.1%と最も多くなっている。令和5年5月の平均賃金をみると、身体障害者は23万5千円、知的障害者は13万7千円、精神障害者は14万9千円、発達障害者は13万円となっている。平均勤続年数をみると、身体障害者は12年2月、知的障害者は9年1月、精神障害者は5年3月、発達障害者は5年1月となっている。

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