本テキスト中に、○×で答えられる問題を18問設けています。各節の内容を理解するためにご活用ください。問題及び解答・解説は、下記ホームページからもご覧いただけます。https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/guidebook/koshu_text.html 昭和35年7月に身体障害者雇用促進法が制定されて以降、昭和51年には身体障害者雇用の努力義務から義務化及び雇用納付金制度の創設が行われ、また昭和62年には、法適用対象の拡大や、職業リハビリテーション体制の充実・強化が図られ、法律名も「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下「法」という。)と改められました。その後も雇用分野での障害者差別禁止・合理的配慮の提供の義務化、法定雇用率の算定基礎への精神障害者の追加等数次の法改正が重ねられてきました。さらに直近の法改正において、障害者の多様な就労ニーズを踏まえた働き方を推進するために、特に短い労働時間で働く重度身体・知的・精神障害者の実雇用率への算定特例を設けるとともに、障害者の職業能力の開発及び向上の事業主の責務としての明確化により障害者の雇用の質の向上を図っているところです。法定雇用率も、令和6年4月から2.5%、令和8年7月からは2.7%と段階的に引き上げられるところであり、こうした障害者雇用に関する各種制度の充実、強化が図られる中で、民間企業の令和5年6月1日現在の障害者の実雇用率は2.33%と報告時点の法定雇用率を上回り、雇用障害者数は642,178.0人と過去最高を更新しました。 一方で、障害者の雇用に当たっては、職業能力の把握、障害特性に応じた職域の確保・開発、作業施設の改善等の雇用管理上配慮すべき点があり、障害者を直接雇用する場を提供する事業主の方の中にはこれらについての疑問や不安などをもたれる方がいることと思います。 本書は、障害者職業生活相談員(法に基づき、5人以上の障害者を雇用する事業所では、障害者の職業生活全般についての相談、指導を行うために選任が義務づけられています。)を対象とする資格認定講習のテキストであり、事業主の方の疑問や不安などに応えることができるよう、障害者雇用に関する理念、障害者の雇用管理、障害の特性、各種支援施策等の幅広い内容について、障害者を取り巻く問題に携わる専門家、学識経験者等のご協力を得ながら編集しています。企業において雇用管理の実務に携わる方々にとって、障害者雇用に関する必要な知識やノウハウ等の情報を得るための入門書としても広く活用していただき、障害者の雇用の促進とその職業の安定の一助となれば幸いです。 令和6年5月は じ め に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
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