⑷ 社内周知活動の具体例の派遣による管理者研修や雇用管理相談を利用することができます。② 社員研修の実施社員向けの障害者雇用に関する研修会については、対象社員ごとに内容や実施方法を整理することも必要です。障害者の受け入れ経験の有無や知識のレベル、障害者への対応の立場の違い、障害者雇用に携わる時期などによって、基礎的な知識の付与、体験的なプログラムを含む障害の内容や配慮事項の理解、障害者が実際に取り組む場面の見学、指導方法や支援ノウハウの情報提供、実践的な取り組みに係る意見交換・経験交流やケーススタディなどテーマの選択を行い、内容ごとに講師の検討を行ったり、実施方法の調整を図ることが望まれます。これらの研修の企画や講師派遣については、地域障害者職業センターや中央障害者雇用情報センターに相談すれば、助言や協力を得ることも可能です。社員に障害者雇用のイメージを持ってもらうには、働く障害者の動画をDVDで見せたり、分かりやすいマニュアルや事例集を閲覧いただくのも有効です。なお、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構では、障害者雇用に関する啓発DVDを無料で貸し出したり、障害者雇用に係る関係資料を提供しています。また、社内報などに障害者雇用に関するコーナー欄を作成し、継続的に全社員に周知している企業もあります。③ 職場実習の受け入れ等いざ障害者を職場に受け入れるとなると、不安や知識不足から心理的抵抗感が生じることもあるでしょう。また、過剰に意識して良かれと思って手を差し伸べすぎて、障害者が「お客さんのように扱われている」と感じて疎外感を味わう場面もあります。このような場合には、障害者を短期インターンシップで受け入れてみましょう。実際に障害者と働くことにより具体的イメージを持つことができます。また、一緒に働いてみると抱いていた不安も薄れ、また、想像していたよりも色々なことができるということを発見し、受け入れの抵抗感も少なくなります。まさに「百聞は一見に如かず」です。44❶ …障害者雇用支援人材ネットワーク事業:(P.266参照)❷ …障害者雇用管理サポーター:障害者雇用に関し、労務管理、医療、建築など様々な分野の専門家を「障害者雇用管理サポーター」として登録しています。障害者の採用計画を検討したい、障害者の処遇や人事制度を検討したい、社員研修を実施したい、特例子会社の設立ノウハウが知りたい、通院等への配慮も含めた健康管理について確認したい、事業所内の設備改修について相談したいなど、障害者雇用に関する様々な疑問に応えたり、検討のお手伝いを行います。材を社内から発掘することにもつながります。これらの取り組みの結果、障害者雇用に関わる人材が増えることになり、それら人材の経験や専門スキルが社内で共有されてよりよい支援に活かされ、当人のキャリアビジョン構築にも役立つなどの多くの利点があります。障害者雇用を進めていくためには、経営者層、採用担当者、障害者受入れ部門はもとより、全社員が障害者雇用に関心や理解を持つことが大切です。しかし現場では「社内全体を見渡してみると現場スタッフには障害者雇用への関心が薄いように感じます。社内の関心を高めるにはどのようにすればよいでしょうか?」と担当者が悩んでいることが多いのも事実です。そこで、社員に障害者雇用の必要性を浸透させ、障害者を受け入れる環境の整備と社内コンセンサス形成を図るための主な取り組み事例を以下にあげてみます。① 社内(経営)会議などで周知・検討社内(経営)会議などにおいて、障害者雇用の必要性を周知するとともに、取り組みを推進していくことを提案し社内の合意形成を図っていきます。この場合、雇用率の充足状況など、数値化したデータにより課題を具体的に示します。また、支援機関や支援制度の内容にも触れた採用計画を提案すると不安感の軽減につながると思います。また、経営陣に障害者雇用に係る理解を促進していくためには、障害者雇用が企業に及ぼす効果、社会からの評価、障害者雇用のメリットなどをしっかりと伝え、世界標準、同業種の他社の取り組みや地域の同規模の会社の取り組み等の比較の中での自社の取り組みポイントについて、利点と課題点を整理して情報提供していくことが有効です。先行的に取り組む企業の情報や成功事例などを解説するとともに、リスク面についても丁寧に説明し、リスクを回避する方策について情報提供する機会を持つことも有効です。この際、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の実施している障害者雇用支援人材ネットワーク事業❶を活用し、障害者雇用管理サポーター❷
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