イ 操作ボタン位置の配置(図3)図3 便房における洗浄ボタン、呼び出しボタン(緊急用)設置位置図2 車椅子使用者用便房ウ 車椅子使用者用簡易型便房(図4)国土交通省では「多機能トイレ」と呼称していましたが、著しく利用頻度が上がったため、なるべく一般トイレを使用するよう令和3年4月から適正な利用を呼びかけ、名称も「バリアフリートイレ」と改めました。最近では、便器に向かって右側に壁がくJIS(日本産業規格)では、トイレットペーパー、便器洗浄ボタン、非常呼び出しボタンの設置位置を規格として定めました。これは視覚障害者が便房に入ったときに、迷わず便器洗浄ボタンを見つけられ、非常呼び出しボタンを誤って押すことがないように配慮したためです。さらに、子どもや知的障害者等にとっても、位置のルールが決まっていると間違いにくいといった利点があります。るような配置が主流になりましたが、複数のバリアフリートイレを設置する場合は、身体の右側にマヒのある人にも使いやすいよう、半数は左側に壁がくるような反転したプランを用意するとよいでしょう。小さな簡易型バリアフリートイレも提案されています。車椅子使用者のうち、この程度の大きさでも利用できる人々もいます。最近では、高齢者の利用、子ども連れの利用など、バリアフリートイレが多く使われることから、必ずしも図2に示す大型のものでなくてもよい人は、そちらを使用するように誘導する目的もあります。エ 事業所ビルにおける簡便なトイレ改造(図5)バリアフリートイレがないビルに、バリアフリートイレに準ずるものを新設することは困難な場合があります。簡便な方法として、便器排水管の位置を変えないで、仕切り(パーティション)、手すり等を取り付けるだけの改造にとどめることもあります。図5-1は、ビル内によく見られるトイレ(男子用)です。これを図5-2のように2つの便房を1つにして、仕切りを撤去します。この際、残しておくほうの便器の配管などはそのまま利用し、撤去した側の便器位置の排水口は蓋をします。賃貸ビルの場合も、後日、現状復帰が容易です。しかし、車椅子使用者の使用を考えるとやや狭いため、さらに図5-3のように、間仕切りをさらに移動、拡張して広い便房にします。この場合、一部69
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