令和6年度版障害者職業生活相談員資格認定講習テキスト
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表2-4 感覚の過敏さへの配慮例聴覚過敏大きな音反響音の大きな空間さほど大きくなくても突然の音さほど大きくなくても継続して鳴っている音(視覚障害者用誘導チャイム、機械音等)生活の中の日常的な音(換気音、時計秒針、冷蔵庫)、高い音などの特定の周波数の音ある音色をもつ特定の楽器、チャイム、通知音、警報音、突然の背後からの話しかけ騒々しい場所で集中できない(必要な音や声を選択できない)音が反射する場所が不安(階段室など)全く音が聞こえないと不安になる、実際にはない音が聞こえるような気がする視覚過敏強い光ふつうの明るさでもまぶしく感じる点滅、回転する光(色や点滅周期にもよる)、テレビやパソコンのディスプレイの光刺激色の組み合わせによって、不快感が大きくなる、物体の一部が拡大して見えてしまう(不快感大)人などがたくさん動いていると疲れる(音刺激と合わせてより大きな刺激を受ける)嗅覚過敏化粧、制汗剤、柔軟剤、または人自体がもつ体臭等他人の身体から発生する臭いたばこ、消臭剤、芳香剤等、人工的に発散される臭いカーペット、建材、家具などから出る微量の化学物質他人の食べ物の匂い、特定の食べ物の匂い他人が所持する私物の中にあるわずかな臭いを発するもの他の人がほとんど気にならないものの臭いであっても、特定のものの臭い臭いに強い関心を示し、なんでも臭いを嗅いで確かめるめまいなどがおこるエレベーター、エスカレーターなど、動くものに乗ること電車、バス、乗用車に乗ること平衡感覚過敏・鈍麻・ 耳栓、イヤマフの装着・ ノイズキャンセングリヘッドホンの使用を認める・ イヤホンで音楽を聴いて気をそらせることを認める・ 空気清浄機など音の発生するものを近くに置いて、気を紛らわせる・ 音の発生源から離れる(室内における移動、別室への移動)・ 音の発生源からの音を低減する(室内吸音材)(防音・吸音衝立)・ 席の背後に通路を配置しない、人が近づいてきたら見えるような位置に席を配置する・ あらかじめ大きな音や非日常的音が発生することを予告する(避難訓練)・ サングラスの着用・ 照明を明るすぎないものにする 対象者の近くの照明器具にシェードを付けて照度を下げる・ 外部からの光の影響を受けにくい場所に移動、もしくは窓に遮光シートをする・ 適切な色温度、照度になるように、個別照明、照明スタンド等を配置する・ テレビやパソコンのディスプレイの輝度を下げる・ 掲示物などをできるだけ減らして周囲の壁をシンプルにする・ 職場内で人が集まっているところに行かなくてもよいようにするか、衝立などで仕切る・ 外出時には静かな場所に迂回するようアドバイス・ 聴覚障害者用警報装置の赤色回転等は、緑色など刺激の少ないもの、回転ではなく緩やかな点滅表示にする・ 臭いの発生源を発生しないようにする、発生源の人に香水等の使用を控えるなどをお願いする・ 部屋の換気を積極的に行う(大部分は、通常の換気量が保てていればよい)・ とくに臭いの強い部屋からは席を移す、もしくは本人を間仕切りなどで囲む・ 日常的なマスクの着用・ 臭いの発生源となる場所に空気清浄機などを置く・ 本人の席の近くに空気清浄機などを置く(音に注意)・ 安価なCO2測定器で、換気量を常に監視する・ 転倒などによって、建築物や室内什器、設備、機器などにぶつけてけが、触れてやけどをしないようにプロテクターなどをつける・ なるべくエスカレーターは使わない・ エレベーターも短時間の使用にとどめ、数階の移動であれば階段を使用する 73嫌悪感や困りごと、発生源環境配慮事項

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