障害者本人や指導担当の職業生活相談員などは「どうしていきたいか、やりたいことは何か」を話しあって共有化し、参加する周囲のスタッフが「障害者にもっと活躍してもらうためにどうしたらいいか、どうなったら障害者を含めて皆が働きやすいか」を全員で考えて、仕組みを変えることで障害者が働きやすい環境を整備することが望まれます。この仕組みを改善するためには担当者1人で抱え込図1に示すような、『障害者が活躍できる職場の取り組みのアイディア会議』といった組織的な取り組みは、参加する周囲のスタッフも「障害者の雇用に協力できた」、「自分たちも役に立った」という気持ちが育ち、職場の活性化や一体感の形成を図ることができます。この職場の風土が「心のバリアフリー」ができ上がった状態ですし、個々の職員の従業員エンゲージメントの向上につながるものです。さらに、障害のある方の安定した職業生活を支える企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)を企業内に配置する方法もあります。企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)とは、企業に在籍し、同じ企業に雇用されている障害のある労働者の職場適応に向けた支援を行う支援者です。企業在籍型職場適応援助者ならではの支援の強みとまず、関係者を増やすことが大切です。直接関わらない方を含めて様々な角度から検討したり、思いがけない提案から課題解決の糸口が見つかるというケースも多いものです。また、関係者が多くなると、責任を取るという感覚ではなく、思いつきで思いがけない意見でも挙げてよいという雰囲気を作りやすくなり、自由に提案しやすくもなります。して、同じ企業内で支援が行われることから、課題の早期把握とタイムリーで切れ目のない支援が可能であることや、障害者社員の受入準備から職場定着に至るまでの一貫した支援が可能であることなどが挙げられます。97(検討するときに留意すること)関係者を多くする、引き込む◆関係者が少ないと当事者責任を追及しがち(障害のせい、障害者の責、指導者の責としてはいけない)◎<大切なことは>責任追及や問題の指摘ではなく◆関係者が多くなると参加者一人一人の責任が薄れる多角的なアイディアが出やすい「人(関係者)を責めずに『仕組み』を見直す。」障害者が活躍できる職場の取り組みのアイディア会議様々な自由な提案色々な立場の人が様々な解決策を自由に提案できるミーティングを開いてみる(本人・当事者)どうしていきたいか、やりたいことを話す(周囲のスタッフ)より良い方策、活躍してもらうための提案を行う図1 職場での課題解決のための有効な手法
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