ニュースファイル 国の動き 厚生労働省 生産性向上に関する冊子  厚生労働省は、障害福祉現場の生産性向上に向けた調査研究事業において、冊子『障害福祉現場における生産性向上の基本的な考え方―当事者視点に立ったケアの充実のために』を取りまとめた。  冊子では、障害福祉における生産性向上を、支援や人を減らすことではなく「支援者一人一人の力を引き出し、チームでその力を利用者に届けることで、新たな価値を生み出すこと」としている。この観点から、当事者視点に立ったケアの充実のための生産性向上を進めるため、「なぜ生産性向上が必要なのか(Why)」、「生産性向上とは何か(What)」、「生産性向上をどのように進めるか(How)」の三つの視点から考え方を整理。さらに@共感をつくる、A課題を見える化する、B解決策を考える、C試してみる、D振り返る、の5ステップに沿って進めるとしている。冊子はPDFデータで60ページ。厚生労働省ホームページからダウンロードできる。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/seisansei/kihonteki_kangaekata_00001.html 地方の動き 東京 「デジタルラボえどがわ」開所  江戸川区は、働きづらさを抱える人の就労先として、就労継続支援B型事業所「デジタルラボえどがわ」を開所した。行政や民間企業からの依頼を受け、紙文書をデジタルデータ化して納品する業務をにない、現在は利用者10人が従事しているという。  運営は、障害者の就労支援などを行う「特定非営利活動法人自立支援センターむく」(江戸川区)が区有地を借り受ける形で行っている。区は2025(令和7)年、公益財団法人日本財団と就労困難者支援に関する連携協定を締結しており、その一環として、同財団が施設整備費などを補助した。  同区は、2033年に予定されている区役所移転にともない、紙文書のデジタル化業務を発注する予定。今後は一般企業化を進め、障害者などの雇用創出を図るとともに、福祉サービスによる工賃ではなく、賃金を支払うことを目ざすとしている。 https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kuseijoho/kohokocho/press/2026/04/0410.html 大阪 「就労継続支援B型」の総量規制実施  大阪市は、障害者総合支援法に定める障害福祉サービス等について、「就労継続支援B型」の総量規制を実施し、対象サービスの新規指定および利用定員追加についての申請受付を停止すると発表した。  総量規制に関しては、障害者総合支援法に基づき、福祉計画に定めるサービスの必要な量にすでに達している、または計画の達成に支障を生ずるおそれがある場合には、事業所の指定をしないことができると規定されている。  同市は、指定権限を持つ就労継続支援B型事業について「障がい福祉計画」で定める必要な見込量に対し、十分な供給量が確保されていると判断した。総量規制の実施期間は、新規指定の停止が2026(令和8)年8月1日から2027年7月1日まで、利用定員の追加停止が2026年7月1日から2027年6月1日までとなっている。 https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000674730.html 働く 東京 企業側の障害者採用課題の調査結果  「株式会社ゼネラルパートナーズ」(千代田区)が、民間企業の人事・採用担当者1000人余りを対象に行った「企業における障害者採用の実態と今後の採用方針」についてのアンケート調査の結果を発表した。  これによると法定雇用率について、「すでに達成している」と回答したのは37.0%で、「取り組んでいるが達成していない(51.3%)」、「取り組みをしておらず達成していない(11.7%)」と続いた。特に本社が地方にある企業は、都市部に比べて採用が「非常に難しいと感じる(26.4%)」、「やや難しいと感じる(59.1%)」と答え、具体的には「公共交通機関が不便で、通勤できる人材が限られる(49.2%)」がもっとも多く、「求職者の母集団そのものが少ない(46.7%)」、「都市部の企業が『完全在宅』で地方人材を採用しており、競合して勝てない(28.0%)」といった回答だった。今後、障害者の配属を増やしたいと考えている業務については、「一般事務・アシスタント業務(書類作成、電話対応、日程調整などのサポート業務全般)」が都市部(44.5%)、地方(42.7%)ともに、もっとも多かった。詳細はウェブサイトで公開している。 https://note.com/gp__info/n/nc39f394c6ec8 東京 田中貴金属ネクスト株式会社が特例子会社に認定  「株式会社田中貴金属グループ」(中央区)は、2026(令和8)年1月に設立した新会社「田中貴金属ネクスト株式会社」(中央区)が、3月30日付で特例子会社として認定されたと発表した。  新会社は、雇用する障害のある従業員に、事 務系補助業務を中心としたバックオフィス業務(伝票起票、備品補充・発注、清掃等)を担当してもらう予定。詳細は左記ホームページまで。 https://www.tanaka.co.jp/news/assets/pdf/000931/20260407_release.pdf 生活情報 東京 精神障害当事者会が合理的配慮実践ガイダンスを作成・公表  「一般社団法人精神障害当事者会ポルケ」(大田区)が、精神障害のある人の就労経験における合理的配慮について、当事者の声をもとに課題等を整理した『精神障害のある人の就労における合理的配慮―当事者の声から考える調査報告と実践ガイダンス』を作成した。  作成にあたり同法人は、アンケート調査を全国で実施(有効回答181人)。調査結果によると、精神障害があることで就労に困難を感じた経験がある人が80.7%にのぼる一方、その困難を相談した経験がある人は48.1%、合理的配慮を職場に求めたことがある人は42.0%にとどまった。背景には、配慮を求めて不利益な扱いを受けるのではとの不安や、職場の理解不足、手続きのわかりにくさなどがあったという。  冊子では当事者の経験に学ぶ合理的配慮の好事例、職場で活用できるDos&Don,ts(行うこと/行わないこと)なども掲載している。冊子は同法人のホームページからダウンロードできる。 https://porque.tokyo/2026/03/30/reasonable-accommodation-booklet/ 本紹介 『家族・支援者が知っておきたい 消費者トラブルから認知症の人・障害のある人を守る本』  「公益社団法人全国消費生活相談員協会」が、『家族・支援者が知っておきたい 消費者トラブルから認知症の人・障害のある人を守る本』(中央法規出版刊)を出版した。  同協会は、1977(昭和52)年に消費者問題の専門家集団「国民生活センター消費生活相談員養成講座修了者の会」として発足し、消費者トラブルの相談対応にあたってきた。本書では、これまでの活動で得た知見をもとに、認知症の人や障害のある人が巻き込まれやすいトラブルや、さまざまな人の消費傾向などを解説。さらに被害のサインに気づくためのチェックリストや、具体的な「声かけ」のコツ、万が一トラブルが起きてしまったときのための法律・制度、「消費者ホットライン(188)」など専門機関への「つなぎ」方などを、具体的な事例とともにわかりやすく紹介している。A5判、210ページ、2090円(税込)。