ミニコラム 第56回 編集委員のひとこと ※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は大塚委員が執筆しています。ご一読ください。 障害者雇用の質の充実について 株式会社FVP代表取締役 大塚由紀子  株式会社NTT西日本ルセントは、NTT西日本グループという基盤を持つ特例子会社である。同社の取組みは、「人材や設備、資金があるからこそ実現できるのではないか」と受けとめられがちかもしれない。実際、取材前の私自身にも、どこかそうした先入観があったように思う。  しかし現場で話をうかがうなかで強く感じたのは、その本質は規模や資源の豊富さではなく、「障害のある社員にどう仕事を届けるか」という点にあるということである。  本業に直結する仕事を受け、それを一人ひとりに合わせて組み立て直し、役割としてになえる形にしていく。その積重ねによって、社員が自分の仕事の意味を理解し、「任されている」という実感を持って働いている様子が印象に残った。  近年、障害者雇用の質が問われるようになり、支援体制や人事制度の充実に取り組む企業も増えている。そうした取組みももちろん大切であるが、それだけでは十分ではないのではないかとも感じた。そもそも、「どのような仕事をになうのか」が、やりがいや定着、ひいては障害者雇用の質そのものに大きく影響しているのではないだろうか。  障害者雇用の課題は多様であるが、本事例を通じて、仕事そのものの考え方や組み立て方が、大きな鍵を握っていると感じた。自社のなかにある仕事をどう見直し、どう工夫し、どう再構成していくか。規模の大小にかかわらず、多くの企業にとってヒントとなる取組みではないだろうか。