【表紙】 令和8年8月25日発行・毎月1回25日発行・通巻第587号 ISSN 0386-0159 障害者と雇用 2026/9 No.587 職場ルポ 改善活動や支援の連携で「みんなが安心できる」職場に 有限会社ファン工業(大分県) グラビア 令和8年度障害者雇用支援月間における絵画・写真コンテスト入賞作品 「絵画コンテスト 働くすがた〜今そして未来〜」 「写真コンテスト 職場で輝く障害者〜今その瞬間〜」 編集委員が行く 地域の特性を活かした延岡版デュアル教育システムでみんなの幸せにつなげる ―宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校を訪ねて― 宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校(宮崎県) 私のひとこと 障害当事者として障害福祉サービスに取り組む意義 〜フルインクルージョンをすすめていくために〜 一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク 代表理事 玉木幸則さん 「おいしくなあれ みんなの給食」愛知県・吉野(よしの)晴祐(はるま)さん 9月は「障害者雇用支援月間」です 9月号 【前頁】 右下のホームページもしくは下の2次元コードから参加申込みをお願いします。 入場無料 第34回 職業リハビリテーション 研究・実践発表会  JEEDでは、職業リハビリテーションの研究成果を広く周知するとともに、参加者相互の意見交換、経験交流を行う場として「職業リハビリテーション研究・実践発表会」を毎年開催しています。  この発表会では「特別講演」、「パネルディスカッション」、分科会形式による「口頭発表」、「ポスター発表」を行います。ぜひご参加ください。 2026(令和8)年 11月4日(水) 5日(木) 会場 東京ビッグサイト会議棟 (東京都江東区有明3-11-1) 事務局:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 研究企画部企画調整室 〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-3 TEL:043-297-9067 / Mail:vrsr@jeed.go.jp HP:https://www.nivr.jeed.go.jp/vr/vrhappyou-index.html 11月4日[水] ◆基礎講座 職業リハビリテーションに関する基礎的事項等に関する講義 「精神障害の基礎と職業的課題」 「『就労支援のためのアセスメントシート』 を活用したアセスメント」 ◆支援技法普及講習 職業センターで開発した支援技法の紹介 「高次脳機能障害者の自己理解を進めるための支援技法の開発」 「就労支援における発達障害者との相談スキルのチェックリスト」 ◆特別講演 「『個別支援』から『組織設計』へ ―小規模企業でもできる、企業と福祉をつなぐ組織設計の仮説検証―」 岩ア龍太郎氏(ATUホールディングス株式会社 代表取締役) ◆パネルディスカッションT 「障害者雇用がもたらすもの 〜取組の先にある価値は何か?〜」 11月5日[木] ◆研究・実践発表(口頭発表・ポスター発表) 研究者、企業関係者などが研究成果や実践報告などを発表します。口頭発表は、障害者雇用に関するテーマを設定した分科会ごとに登壇形式で行います。 ポスター発表は、テーマごとに発表者が自作のポスターを展示し、参加者と直接意見交換を行います。 ◆パネルディスカッションU 「発達障害のある方のキャリアを考える 〜そのニーズと就労支援の取組〜」 【もくじ】 障害者と雇用 目次 2026年9月号 NO.587 「働く広場」は、障害者雇用の啓発・広報を目的として、ルポルタージュやグラビアなど写真を多く用いて、障害者雇用の現場とその魅力をわかりやすくお伝えします。 私のひとこと 2 障害当事者として障害福祉サービスに取り組む意義 〜フルインクルージョンをすすめていくために〜 一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク 代表理事 玉木幸則さん 職場ルポ 4 改善活動や支援の連携で「みんなが安心できる」職場に 有限会社ファン工業(大分県) 文:豊浦美紀/写真:官野貴 クローズアップ 10 安心して働き、能力を発揮できる職場の環境づくり 第2回 正しい理解から始める、職場内の有効なサポート JEEDインフォメーション 12 国立職業リハビリテーションセンター 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 企業担当者向けセミナーのご案内/障害者職業訓練推進交流プラザのご案内/障害者雇用を進める事業主のみなさまへ 障害者の雇用推進策の一環として「就労支援機器」を展示しています グラビア 15 33 令和8年度障害者雇用支援月間における絵画・写真コンテスト入賞作品 「絵画コンテスト 働くすがた〜今そして未来〜」 「写真コンテスト 職場で輝く障害者〜今その瞬間〜」 エッセイ 19 強迫性障害の私が、自分らしく働けるようになるまで 第2回 強迫性障害のまま看護師へ 漫画家・イラストレーター つくし ゆか 編集委員が行く 20 地域の特性を活かした延岡版デュアル教育システムでみんなの幸せにつなげる ―宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校を訪ねて― 宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校(宮崎県) 編集委員 清水裕之 省庁だより 26 特別支援学校等における就労支援や共生社会の実現に向けた生涯学習の推進 文部科学省 初等中等教育局 特別支援教育課 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課 障害者学習支援推進室 研究開発レポート 28 在職中の高次脳機能障害者の職場再適応に向けた支援技法の開発 障害者職業総合センター 職業センター ニュースファイル 30 編集委員のひとこと 31 掲示板・次号予告 32 第46回全国アビリンピック 障害者ワークフェア2026〜働く障害者を応援する仲間の集い〜 ※「心のアート」は休載します 表紙絵の説明 「いつも自分たちのために、おいしい給食をつくってくれているので、給食センターの方のがんばりを描こうと思いこの題材を選びました。色の濃淡や筆の使い分けで、細かいところまでていねいに描け、何をしている様子かがすぐにわかる構図にできたことがよかったです。次回も『働く人の絵』を描きたいです」 (令和7年度 障害者雇用支援月間絵画コンテスト 中学生の部 高齢・障害・求職者雇用支援機構 理事長奨励賞) ◎本誌掲載記事はホームページでもご覧いただけます。 (https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html) 【P2-3】 私のひとこと 障害当事者として障害福祉サービスに取り組む意義 〜フルインクルージョンをすすめていくために〜 一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク 代表理事 玉木幸則 はじめに〜 福祉を「受ける側」から「つくる側」へ  私には、生まれたときから脳性まひという障害があり、これまでの人生をつねに「障害福祉サービス」の変遷とともに歩んできた。かつての措置制度の時代、障害者はよくもわるくも「守られる対象」であり、サービスは上から「与えられるもの」だった。そこから支援費制度、障害者自立支援法、そして現在の障害者総合支援法へと至るなかで、私たちは自らの意思でサービスを選択し、自分らしく暮らしていける権利を手に入れようとしている。  この歴史のなかで、私自身が福祉サービスを「受ける側」にとどまらず、相談支援専門員などとして「つくる側(提供する側)」にかかわり続けてきたことには、大きな意義があると考えている。なぜなら、当事者が福祉の現場や運営に参画することは、サービスを単なる「お世話」や「慈善事業」にさせないための防波堤になるからだ。障害のある人間が何を求め、どう生きたいのか。それをもっともリアルに知っている当事者が主体となって取り組むことで、福祉サービスははじめて、利用者の「自己決定」と「権利の保障」を支える真の仕組みへと昇華するのである。これこそが、まさに「本人中心支援」なのだ。 これまでの歩み〜 地域で生きるための「自立生活運動」  私が若かりしころからかかわってきた自立生活センター「メインストリーム協会」などでの障害者自立生活運動(IL運動)は、まさに当事者主体の福祉サービスを切り拓く闘いでもあった。かつての社会では、いわゆる重度の障害があれば「施設か親元か」の二者択一しか用意されていなかった。しかし、「障害があっても、ヘルパーを使いながら地域であたり前に暮らしたいんや」という当事者たちの切実な声と実践が、現在の重度訪問介護をはじめとする24時間支援の仕組みを勝ち取ってきた。  この運動や日々の相談支援活動のなかで、私が特に重要視してきたのが「ピアサポート」という視点である。専門家や障害のない支援者から「こうしなさい」と上から目線でアドバイスされるのとは違い、同じ障害のある仲間(ピア)が対等な立場で話を聞く。地域で活き活きと暮らす先輩当事者の姿をみて、「あの人ができるなら、自分にもできるかもしれない」と、それまで社会に阻まれて縮こまっていた気持ちがエンパワメントされていく瞬間を、私は何度も目撃してきた。  障害福祉サービスの本質とは、単に排泄を介助したり、移動を助けたりする「作業」ではない。当事者が「自分の人生の主権」を取り戻し、社会への可能性を広げるために欠かすことのできないものなのだ。だからこそ、画一的なサービスの提供ではなく、一人ひとりの暮らしに合わせた支援が提供されなければならないのだ。それは、もちろん固定されるのではなく、暮らしの経験を重ねていくことで変化していくモノでもある。 「働くこと」の意義と「障害者雇用ビジネス」への違和感  では、福祉サービスを利用して地域で暮らせるようになれば、それがゴールなのだろうか。私はそうは思わない。その先にある「社会に溶け込みながら生きがいと役割を感じて」生きていけることが大切なのだ。  障害者にとって「働く」とは、単にお金を得るための手段だけではない。自分の仕事がだれかの役に立ち、社会のなかで役割を持ち、「ありがとう」といい合える関係性(社会的役割)のなかに身を置くことだ。それこそが、一人の人間としてのアイデンティティや生きる喜びに直結している。  しかし昨今、この障害者雇用を巡る環境において、いわゆる「障害者雇用ビジネス」と呼ばれる仕組みが急速に広がっている現状には、当事者として強い違和感を抱かざるを得ない。法定雇用率の達成だけを目的に、企業が農園などのスペースを買い取り、そこに障害者を集めて、本質的な企業活動とは切り離された作業をさせる。たしかに雇用率は達成され、障害者本人にも給与が支払われるかもしれない。「キレイごと」を抜きにすれば、それが生活の安定や働くきっかけになっている側面もあるだろう。  だが、私はあえて問い直したい。「そこに、本当の意味での魂はあるか?」と。社会のメインストリームから隔離された場所で、管理されるためだけに席を置かれる雇用は、一見すると福祉的な配慮にみえて、じつは障害者を「一段低い場所に囲い込む構造」を強化しているだけではないだろうか。働くことの本当の価値は、社会の多様な人々のなかで揉まれ、ときにサボりたくなったり悩んだりしながらも、組織や地域の一員として「ともに生きている」と実感できるプロセスにあるはずだ。  だからこそ、私たち当事者が福祉サービスや就労支援の現場にかかわり続ける必要がある。企業や社会に対し、「彼らは管理される対象ではなく、ともに社会をつくる仲間であり、戦力である」と突きつけ、形式だけにみえる雇用を「本当のインクルージョン」へと軌道修正させていく役割が、いままさに求められている。 おわりに〜 だれもが「ごちゃまぜ」に生きる社会へ  これからの障害福祉サービスや雇用のあり方は、「障害者専門の枠組み」のなかに当事者を囲い込むものから、社会全体へ送り出すものへとシフトしていかねばならない。現在はまだ、障害者福祉、高齢者福祉、児童福祉といった縦割りの壁が厚いが、これからは障害の有無や年齢にかかわらず、だれもが助け、助けられる「フルインクルージョン(ごちゃまぜ)」な社会の構築が必要不可欠だ。  障害者が「サービスを利用しながら、同時に社会を豊かにする労働(支援)を提供する」という双方向の関係性があたり前になれば、生産性だけで人間の価値を測るギスギスした社会も、もっとやさしく、タフに変わっていくはずだ。  当事者が福祉サービスや雇用の現場に声を上げ続けることは、社会の「あたり前」をアップデートし続けることにほかならない。これからもユーモアを忘れず、ときには周囲を大いに巻き込み、迷惑もかけながら、だれもが自分らしく働き、生きていける社会をともに耕していきたい。 玉木幸則 (たまき ゆきのり)  一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク代表理事、社会福祉士。内閣府障害者政策委員会委員を5期務め、現在は社会福祉法人西宮市社会福祉協議会権利擁護普及推進および相談支援アドバイザー、龍谷大学客員教授なども務める。  NHKで2009(平成21)年から『きらっといきる』、2012年から『バリバラ』に合わせて16年間出演していた。2021年に第23回糸賀一雄記念賞受賞。第77回[2025(令和7)年度]日本放送協会放送文化賞受賞。 【P4-9】 職場ルポ 改善活動や支援の連携で「みんなが安心できる」職場に 有限会社ファン工業(大分県) 金具部品の組立工場では、だれもが働きやすい職場を目ざした改善活動や多能工化を進め、障がいのある従業員も安心して働ける環境を整えている。 (文)豊浦美紀 (写真)官野 貴 取材先データ 有限会社ファン工業 〒870-0313 大分県大分市大字屋山(ややま)300 TEL 097-592-4100 FAX 097-592-4310 Keyword:身体障害、知的障害、精神障害、もにす認定、特別支援学校 POINT 1 多能工化や改善活1 動で「、みんなが働きやすい」職場づくりを進める 2 特別支援学校や就労支援機関との連携で、職場実習等によるマッチングを図る 3 研修を受けた常務らが中心となり、本人を見守る支援体制も 水栓金具の組立から物流まで  「有限会社ファン工業」(以下、「ファン工業」)は、水回り設備メーカーの協力企業として、1998(平成10)年に設立された。同メーカーの大分工場内で、水栓金具部品の組立から物流管理までを手がけている。  ファン工業の障がい者雇用は、2018年ごろから積極的に進めてきたという。代表取締役を務める野ア(のざき)栄司(えいじ)さんは、「もともと会社が抱えていた職場の課題などを改善してきたなかで、自然と障がいのある従業員も一緒に活躍できる環境になったと感じています」と語る。  いまでは全従業員97人のうち障がいのある従業員が4人(身体障がい3人、精神障がい1人)で、「障害者雇用率」は6.42%(2026〈令和8〉年6月5日現在)という。2020年には、九州で第1号の「もにす認定企業(※)」となっている。 「みんなが安心できる企業になる」  「私たちが、障がい者雇用を比較的スムーズに進められた背景には、それまでに、職場の大きな危機を乗り越えるための努力がありました」と野アさんはふり返る。まずは、その経緯から紹介したい。  もともと野アさんは、父親が福岡県北九州市で創業した、水回り設備メーカーの協力企業「野崎機器工業株式会社」(以下、「野崎機器工業」)の社員として働いていた。ところが1998年、大分にあるほかの協力企業が倒産してしまったことから、急きょ、父親がファン工業を設立し、野アさんは総務部長の立場で、事実上、現場を取り仕切ることになったそうだ。  まだ20代だった野アさんは、その倒産企業の従業員たちも受け入れ、経営安定のため仕事を増やすことに力を注いだ。だが受注内容によって担当作業の偏りがあり、人員を増やしても、残業に追われ有給休暇を取得しづらい従業員が出てきた。野アさんは「急激な増員と残業の慢性化によって離職率が高まり、労働災害につながりかねない事象も相次ぐようになってしまいました。まさに負の連鎖でした」と当時の状況を明かす。  そこへ追い打ちをかけたのが2008年のリーマンショックだった。その影響で、ファン工業も大幅な減産と人員調整を余儀なくされてしまう。「大分労働局とも相談し、1年後をめどに従業員の半分を解雇することになりました。これが一番つらい経験でした」という野アさんは、同時に「この大きなピンチを、チャンスに変えなければ意味がない」と奮起したそうだ。  社長になっていた野アさんは、まず職場の“負の連鎖”を断ち切るために、従業員に向け、「社員を大切にし、みんなが安心できる企業になる」と宣言。具体的な内容として四つを掲げた。 ・みんなが働きやすい会社(女性・障がい者・シニアも) ・過重労働にならず、有給休暇が取得できる会社 ・安心して長く勤めることができる会社 ・ほうれんそう(報告・連絡・相談)の育つ風通しのよい会社  ここからファン工業では、さまざまな職場改善が進んでいく。まず力を注いだのが安全衛生活動だ。  例えば、それまでフロア内に並んでいた高さ2mの部品棚を1m40cmのものに交換した。これにより、だれでも容易に手が届くようになり、出会い頭の衝突リスクも減った。さらに「フロア全体を見渡せ、心理的なハードルが下がったようで、職場内のコミュニケーションがとても円滑になりました」(野アさん)。  ソフト面では、どの従業員がいつ突発的な休暇を取っても生産活動が滞らないよう、多能工化を進めた。2000種にも及ぶ部品の組立作業などについて、従業員同士が教え合いながら、一人ひとり「どの作業をどの程度できるようになっているか」がひと目でわかるスキルマップ表をフロア内に掲示。その時々の出荷予定に沿って柔軟に仕事をふり分けられるようにした。  こうした大きな改革が追い風となり、創業時からの職場改善活動も活発化する。従業員からの効果的な改善提案は表彰する仕組みになっており、いまも年間600件以上の提案が出されるそうだ。  「年1回の表彰では、個人やチームに3000円〜3万円ほどの褒賞金を出しますが、自分たちの提案が表彰されること自体、大きなモチベーションとなっているようです」と野アさんが説明する。  改善が重ねられてきた職場で、実際に長く働いてきた従業員から紹介していきたい。 従業員に合わせた作業台  江藤(えとう)淳朗(じゅんろう)さん(68歳)は、倒産企業からそのままファン工業に移ってきた1人だ。いまは、水栓金具の部品組立作業を担当している。生まれつき足が不自由なため、フロア内は松葉づえや車いすを使って移動し、作業は座ったまま行っている。  フロアには江藤さん専用の作業台が2カ所に設置され、部品の種類によって使い分けている。座ったままでも作業しやすいよう、手前に向けて傾斜をつけた天板ボードに、軽い力で動かせる機器つきの吊り下げ電動ドライバー、部品の転げ落ちを防ぐガードなど、いくつもの工夫が施されている。  野アさんは「江藤さんのために作業台を考案しましたが、ほかの従業員も身長や動きに合わせた作業台を手づくりするようになり、腰痛対策や能率アップにつながりました。吊り下げ電動ドライバーは、力の弱い従業員も使っており好評です」と効果を語る。  フロア内の更衣室やトイレにはスロープをつけ、江藤さん専用の玄関に近い駐車場には屋根を増設した。  江藤さんは「周囲のみなさんも、部品の箱を持って来てくれるなど、ちょこちょこ手を貸してくれるので、毎日とても働きやすいです。もうシニアの年齢ですが、元気に続けたいですね」と笑顔で話してくれた。  また、江藤さんと同じ経緯でファン工業に移ってきた一宮(いちみや)孝(たかし)さん(58歳)は、21歳のときに脳梗塞で手術をし、右半身不随や高次脳機能障がいなどの後遺症を負ったという。以前の職場では1年ほど休職し、リハビリを経て復帰できたそうだ。  職場では、完成部品の運搬を担当している。電動フォークリフトに乗っての作業なので、体への負担も少ないという。「職場の雰囲気がよいことが、私にとっては何よりありがたいです」と明るい笑顔で教えてくれた。いまも定期的に病院でMRI検査を受けているが、「後遺症は、ほぼなくなっていると思います」と一宮さん。最近は、趣味でテニスも楽しんでいるそうだ。 特別支援学校を見学して  「みんなが働きやすい会社」を掲げた野アさんは、社外からも知恵を借りようと大分県中小企業家同友会の会合に参加するようになった。なかでも「障がい者問題委員会」は、特別支援学校や就労支援機関なども加わり、さまざまな課題について議論する勉強会で、野アさんは積極的にかかわるようになる。  というのも、野アさんの父親が創業した野崎機器工業は、1982(昭和57)年当初から従業員60人のうち身体障がいのある従業員が21人にのぼるなど、障がい者を多数雇用するモデル工場として知られていた。「私自身、障がいのある従業員さんに囲まれて育ったこともあり、障がい者雇用に関心がありました」(野アさん)  勉強会を経て野アさんは、それまで経験がなかった知的障がいのある従業員の雇用を検討するため、特別支援学校に出向いた。そこで技能発表会(現ワーキングフェア)を見学した際、生徒たちが「私たちはこんな作業ができます」と積極的にアピールしてきた姿に感銘を受けたという。  「就労のためのスキルやビジネスマナーなどを身につけ、勤労意欲も高い生徒が多いことがわかり、大きな可能性を感じました」  一方で、大分県中小企業家同友会の企業仲間や就労支援機関から助言をもらい、マッチングの重要性も認識。特別支援学校と連携し、職場体験(1日)と職場実習(約2週間)を実施することにした。  マッチングを検討する職場実習については、本人がなるべく多くの作業を担当できるよう、安全確保のポイントや必要な配慮、可能な作業内容などについて、受入れ現場の従業員たちと洗い出しを行ったそうだ。  そうして2018年4月、はじめて特別支援学校の新卒生Aさんが入社した。これに合わせて野アさんは、あらためてトップメッセージを出す。「企業の社会的責任をまっとうし、『障がい者雇用』という言葉が不要になる社会へ私たちファン工業は全力で活動します」というものだ。  Aさんは、部品のピッキング作業を担当した。似たような形や品番の種類については、導入ずみの二次元コードリーダーが正確に読み取ってくれるが、部品の数を間違えることが課題だった。そこで部品の形状に合わせて1個ずつ仕切った「キット箱」を用意。10個単位で詰めて、一目で確認できるようになった。  またAさんを精神的な面からサポートできる担当者も置いた。それが常務執行役員の川内野(かわちの)英彦(ひでひこ)さんだ。当時ちょうど大分県が独自に取り組んでいた「大分県精神・知的障がい者職場指導員」制度を活用し、研修を受講した。本人の家族、特別支援学校、就労支援機関と連携しながら、受入れ部署の従業員との間に立ち、さまざまな調整や支援をしている。  川内野さんは、「Aさんは困っていることを口頭で伝えることが苦手なこともあり、様子を見ながら交換ノートなどでやりとりすることもありました」とふり返る。その後、仕事に自信をつけて、「新しいことに挑戦したい」というAさんの意欲を尊重し、2年前、転職先の会社に送り出したという。  Aさんの成功例をふまえ、2020年には、はじめて精神障がいのある従業員を採用した。工業高校を卒業した財前(ざいぜん)利陸(りく)さん(24歳)は、中学生のころにADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けていたそうだ。財前さんが高校3年生のころ、進路担当の先生からハローワークを通してファン工業へ相談があり、2週間のインターンシップを経て入社に至ったという。  財前さんは手先が器用だったことから、入社後は部品の組立作業から担当した。ただし、これまで職場で使われていた組立指示書は、専門用語も入っている文章のみで説明され、理解しにくいものだった。  そこで川内野さんが現場と相談し、財前さんが幼少期に楽しんだプラモデルの説明書などを参考に、立体的な部品イラストを駆使した指示書を作成。財前さんだけでなく、小さな文字が読みにくいシニア世代やはじめて作業する人にも好評で、全体的な生産効率アップにもつながったという。  昨年から財前さんは、ピッキング作業の担当になったが、数え間違いに苦労し、Aさんと同様、キット箱を活用してミス防止につなげている。財前さんは、「指示などをメモする時間や、必要に応じて相談する時間をとってもらえるのも、ありがたいです」と話す。  まじめな働きぶりが評価されていた財前さんだが、入社時から抱えていた大きな課題があった。それは朝の遅刻だ。職場でラジオ体操が始まる時刻に、5分から10分ほど遅れてしまうことが頻発していたという。川内野さんたちは家族に連絡をとり、生活習慣の改善をうながしてもらったが、「朝の遅刻は学生時代からの課題だったようで、本人に直したい気持ちはあっても、なかなか改善できないようでした」(川内野さん)  困った川内野さんたちは、連携先の障害者就業・生活支援センター「大分プラザ」(大分県)に相談し、ジョブコーチによる現場支援を依頼することに。財前さんとも相談し、「遅刻した日は、専用の表に記入することで意識を高めてもらう」ことから始めた。そこから少しずつ改善し、いまは遅刻もずいぶん減ったそうだ。  財前さん自身は「遅刻改善のサポートなど、通常の職場ならここまで取り組んでもらえなかったと思っています」と感謝したうえで、「特性の自己理解を含め、どう対応していくか自分でも模索中です」と明かしてくれた。  自身の課題と向き合いながら成長している財前さんについて、川内野さんは、「職場内では先輩たちから可愛がられる存在です。コツコツ取り組めるところは長所ですし、将来的にはフォークリフトの免許も取得して、仕事の幅を広げながら会社を支える存在になっていってもらいたいですね」と期待をかける。 自然体でのサポートも  もっとも直近の2025年に入社した阿南(あなん)力(ちから)さん(40歳)は、普通科高校を卒業し就労経験はあるが、家族の介護などもあり仕事から離れていた期間が長かったという。ハローワーク経由で応募してきた阿南さんは、耳に手術跡が残っていることから、入社前の面接で、「職場ではインナーキャップをかぶらせてほしい」と依頼し、快諾してもらったそうだ。  また阿南さんは、他人とのコミュニケーションを含め精神面での不安もあったという。相談を受けた川内野さんたちは、本人の作業台をフロア内の端の方に寄せたり、食事エリアの壁ぎわに本人用のパーテーションを設けたりして対応した。  周囲の従業員たちも、適度に見守っている。例えば、阿南さんと同じ組立作業を担当している前出の江藤さんは、親しい先輩の1人。じつは江藤さんは、もともと手話を使えるため、以前働いていた職場で、聴覚障がいのある同僚と職場側の間に立って通訳の役割を果たしていたこともある。野アさんは「阿南さんのことも自然体でサポートしてくれています」と信頼する。  さらに指導役の竹村(たけむら)重実(しげみ)さんも、阿南さんが安心して頼れる存在のようだ。野アさんによると「江藤さんから手話を学びながら、障がいのある従業員へも自然と気配りができるようになっているようです」。  竹村さんに、日ごろ心がけていることを聞くと「特別に気を遣っていることはありません。ただ、たまに阿南さんが、だれかの言葉を誤解して受けとめていたときなどは、そうではないことを説明しています」というと、野アさんは「いつも竹村さんは、おだやかな口調で話すところがよいのです」とつけ加えた。  阿南さんは、いまでは食事エリアのパーテーションをはずし、作業台は江藤さんの前方に置いて、足の不自由な江藤さんの代わりに部品の箱を移動してくれるようになった。「仕事の上達とともに、自信をつけたのかなと感じます。冗談を交えた会話も増えてきて、職場になじんでいますね」(竹村さん)  阿南さんは、私たちの質問に書面でていねいに答えてくれた。「やさしい同僚の先輩たちと働けてよかったです」という阿南さんは、これまでうれしかったことは「入社から1年で正社員となったことです」という。仕事については「モノづくりが得意なので、苦ではないです。今後の目標は、ミスをせず、先輩たちの作業をサポートすること」としたうえで、「将来の夢は、サブリーダーになることです。どの班に行っても手伝える人になりたいです」と意欲を伝えてくれた。 就労支援機関とのつながりを大事に  ファン工業では現在、従業員全体の人数が十分に足りているため、積極的に新規採用をしているわけではない。ちなみに職場改善の結果、従業員の有休取得率95%、月平均の残業10時間未満を維持できるようになり、離職者数が大幅に減少したのだそうだ。  「私たちの会社の規模では、どうしても雇用人数に限界があります」という野アさんは、代わりに何かできることはないかと考え、障害福祉サービスの多機能型事業所も開設した。農福連携として、高齢化が進む地域の農家の要望に応え、大分特産であるニラの収穫や箱詰め作業などを請け負っているそうだ。  また野アさん自身は、職場の取組みについて話す依頼があればなるべく引き受けているという。特に企業向けの講演などでは「障がい者雇用というのは、考えているほどむずかしいことではありません、とアピールしています」。  「私たちはいまでも、障がい者雇用について知見や理解が深いわけではないと思っています。困ったときには専門家を頼ることが一番です。だからこそ日ごろから、就労支援機関とのつながりを大事にしています」  さらに野アさんは企業の担当者に向けて、こう伝えている。  「私はこれまで数多くの企業を訪問しましたが、障がい者雇用が進んでいる企業というのは総じて、安全で健康な、働きやすい企業です。特に、最近の人手不足で悩む中小企業のみなさんには、ぜひ障がい者雇用もきっかけにして、私たちと一緒に『みんなが働きやすい会社』を目ざしていただきたいです」 ★ 本誌では通常「障害」と表記しますが、有限会社ファン工業様のご意向により「障がい」としています ※「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)」については、厚生労働省ホームページをご覧ください。https://www.mhlw.go.jp/stf/monisu.html 写真のキャプション 有限会社ファン工業は、水栓金具部品の組立などを手がける 有限会社ファン工業代表取締役の野ア栄司さん ファン工業の作業エリア。フロア全体を見渡せる 水栓金具の部品組立を担当する江藤淳朗さん 温度調節ハンドルの組立を行う江藤さん 江藤さん専用の作業台は、座ったままでも作業がしやすいようさまざまな工夫がなされている 更衣室やトイレには、スロープや手すりが取りつけられている 完成部品の運搬を担当する一宮孝さん 乗用タイプの運搬車で完成部品を移送する一宮さん 常務執行役員の川内野英彦さん ピッキング工程では、二次元コードリーダーを活用しミスを防いでいる 部品の形状に合わせて仕切りのついた「キット箱」 パーツを取り出しキット箱にセットする財前さん 指示書は写真や図解によりだれにでもわかりやすい ピッキング作業を担当する財前利陸さん 水栓金具の部品組立を担当する阿南力さん 阿南さんの指導にあたる竹村重実さん 【P10-11】 クローズアップ 安心して働き、能力を発揮できる職場の環境づくり 第2回 正しい理解から始める、職場内の有効なサポート  障害のある人など多様な人材が安心して働き、その能力を十分に発揮できる職場づくりが、いま企業に求められています。そこで障害者の雇用や就労支援を専門とする上村勇夫さんに、職場において障害のある人の安心感を高め、能力発揮をうながすために有効な環境整備や周囲のサポートのあり方などについて、本連載で解説していただきます。第2回は、正しい理解に基づいた職場でのサポートについてです。 執筆者プロフィール 日本社会事業大学 社会福祉学部 共生社会デザイン学科 准教授、博士(社会福祉学) 上村(うえむら)勇夫(いさお)さん  企業、障害者地域作業所、ジョブコーチ等を経て、現職。障害者雇用における職場内支援のあり方と、生活支援について研究。関連論文で日本社会福祉学会奨励賞受賞。就労継続に関する著書も執筆。 はじめに― 職場でのサポートは「正しい理解」から始まる  前回の第1回(※)では、障害者雇用において「採用」と同じかそれ以上に「入社後の定着」が重要であり、そのためには仕事だけでなく「生活の土台」を視野に入れることが不可欠であるとお伝えしました。  定着への第一歩を踏み出すにあたり、まず向き合わなければならないのは、障害者雇用を正しく理解するための「基礎知識」の習得です。現場の従業員や人事担当者が、障害に対する誤解や先入観を持ったままでは、どれだけ熱意があっても空回りしてしまいます。今回は、障害者雇用担当の初任者が押さえるべき基礎知識を確認したうえで、それを現場の「人的サポート」や「実践的な思考法」へとつなげていくアプローチを解説します。 企業が押さえるべき 障害者雇用の基礎知識  障害のある従業員を職場の戦力として迎えるために、まずは以下の五つの基礎知識について社内で共通理解を形成することが大切です。 @障害特性の「正しい理解」と個別性  知的障害、精神障害、発達障害など、障害の種別によって得意なことや苦手なことの傾向(特性)は異なります。しかし、もっとも重要なのは「〇〇障害だからこうだ」と一括りにしないことです。特性は一人ひとり異なり、体調や環境によっても変化します。診断名にとらわれず、目の前にいる「その人自身」の強みと困りごとに目を向けることがスタートとなります。 A合理的配慮の提供  2016(平成28)年4月より、雇用の分野における障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化されました。これは、働くうえでの障壁(バリア)を取り除くための配慮や工夫を、企業側が負担になりすぎない範囲で行うことです。特別な待遇ではなく、だれもが対等に力を発揮するための「スタートラインを揃(そろ)える環境調整」であると理解してください。 B指導における心構え  障害のある従業員への指導の基本は、「指示の具体化」と「肯定的なフィードバック」です。「適当にやっておいて」といった曖昧な指示を避け、例えば、「緑色の洗剤ボトルを持ってください」、「洗剤のキャップのこの線まで液体を入れてください」、「その液体をバケツに入れてください」というように、具体的な言葉で伝えます。@で触れたように、個人によって理解の仕方などは変わりますが、いかにわかりやすく伝えるかが大切になってきます。  また、できたことをその都度「ポジティブにフィードバックする」、「感謝を伝える」ことで、障害のある従業員の自己効力感を高めることができます。 C職場環境の「見える化」  物理的な段差などの解消だけでなく、「仕事の進め方のバリアフリー化」を進めます。例えば作業の手順を時系列でまとめたマニュアルの作成、一日のスケジュール表の作成など、仕事の進め方を「見える化」することで、障害のある従業員は安心して業務に取り組めるようになります。 D社内の支援体制と支援機関との連携  障害者雇用を人事担当者や特定の部署だけに任せてはいけません。経営層が障害者雇用の明確な方針を示し、受入れ部署の従業員に対して雇用管理についての研修を行うなど、会社全体でサポートする体制を構築することが大切です。  また、生活面でのサポートが必要になることもあります。そのときに、外部の支援機関との連携が重要となりますので、障害のある従業員が利用している支援機関と関係を構築しておくことも有効になってきます。 知識を支援の力に変える  これらの基礎知識は、障害者雇用の強力な土台となります。しかし、マニュアルなどを整えるだけで、障害のある従業員が働く現場が円滑に回るわけではありません。知識を支援の力に変えるのは、日々、障害のある従業員とともに働く同僚や上司による一人ひとりの特性をふまえたちょっとした配慮です。  同僚や上司は、日々の指導などを行いながら、障害のある従業員の表情や様子の変化にもっとも早く気づける存在です。例えば、正確に仕事が進んでいても、「今日はいつもより挨拶の声が小さいな」、「作業の手が少し止まりがちだな」といった「かすかなサイン」をキャッチすること。そして、「何か困っていることはない?」と声をかけ、精神的な安心感を提供すること。  知識を活かしつつ、こうした日々の細やかなかかわりや配慮を行うことが障害のある従業員の安心感を高め、能力発揮をうながすための支援へとつながります。 「違和感」を支援に変える 「4K+1K」の思考法  では、職場の同僚や上司が無理なく、かつ的確にこのような支援を行うにはどうすればよいのでしょうか。ここで役立つのが、現場の小さな違和感を具体的な支援に変える、問題を「見立てる」ための「4K+1K」(図)という思考フレームワークです。  職場の同僚や上司は、日々の業務で以下の四つの「K」のサイクルを意識的に回していきます。 @【感じる】障害のある従業員の様子に「いつもと違うな」という些細な違和感や変化を感じとる。 A【仮説を考える】その違和感や変化の背景に何があるのか(睡眠不足か、私生活での不安かなど)を想像し、仮説を考える。 B【検証する】本人への声かけや、支援機関との情報共有を通じて、その仮説を検証する。 C【気づきを得る】検証結果をもとに、「いまの本人にはこの支援や配慮が必要だ」という具体的な方法を導き出す。  そして、この四つのサイクルを支えるのが、もう一つのKであるD【価値・行動規範・知識】です。先述した基礎知識や「一人ひとりの個性を尊重し、ともに働く仲間として大切にする」という共通の価値観・行動規範を持っているからこそ、職場での違和感をよりよい職場環境を創るための契機にすることができるのです。 おわりに― 基礎知識と現場の実践をつなぐもの  障害者雇用における基礎知識は、いわば車の「車体」です。しかし、それだけでは車は走りません。職場の同僚や上司の理解や配慮と、違和感を支援に変える思考法(4K+1K)というエンジンが加わることで、障害のある従業員が活き活きと活躍できる職場が動き出します。  最初から完璧な職場を目ざす必要はありません。まずは基本を正しく理解し、現場での小さな気づきを職場で共有していくこと。その積重ねが、すべての従業員にとって働きやすい組織を創り上げていくのです。 ※第1回(2026年8月号)はJEEDホームページでもご覧になれます。 https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/book/hiroba_202608/#page=1 POINT ワンポイントアドバイス 企業としての大切な「価値」  企業が存続し、従業員の雇用を守るためには「利益の追求」が不可欠です。職場の同僚や上司が障害のある従業員に「どこまで配慮すべきか」と悩むのは、この「企業の論理」とのバランスを模索している証拠です。特別扱いではなく、障害のある従業員が必要な配慮を得て会社の生産性に貢献できる着地点をみつけることが、企業における雇用管理や支援の「価値」となります。 図 問題を「見立てる」ための「4K+1K」 目には見えない、潜在化しがちな問題 4K+1K @感じる 「なぜ…?」 A仮説 「…ではないか」 B検証 「…ですか?」 C気づきを得る D価値・行動規範・ 知識knowledge ※筆者作成 【P12-14】 JEEDインフォメーション 〜高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのお知らせ〜 国立職業リハビリテーションセンター 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 企業担当者向けセミナーのご案内  国立職業リハビリテーションセンターと国立吉備高原職業リハビリテーションセンターでは、障害のある方に対して、就職に必要な専門知識・技能を習得していただくための職業訓練を行っており、その一環としてすでに障害者を雇用している企業の担当者を対象に障害者の採用や雇用管理、職業訓練などについて理解を深めることを目的としたセミナーを開催しています。 セミナーの風景 交流会の風景 開催日時 国立職業リハビリテーションセンター:2026(令和8)年11月27日(金)13:30〜16:45 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター:2026(令和8)年11月12日(木)10:00〜16:00 内容 @施設紹介 業務概要の説明および職業訓練現場の見学 A障害者雇用の取組み紹介 各企業の障害者雇用の取組み事例等の発表 B参加者の交流/情報交換 グループに分かれ、全員参加型のグループディスカッション方式にて実施 参加者の声 訓練生の発表を聴いて ・いろいろな問題について解決策を試行錯誤している様子が伝わった。 ・車いすの方がどんなことで困り、どうすれば働けるようになるのかわかりやすい説明だった。 ・訓練生のレベルの高さに驚いた。次は上司を連れて参加したい。 訓練場面を見学して ・具体的な訓練内容を見学し、受入れ部署の検討に役立つ情報を得られた。 ・きめ細かいトレーニング、スキルアップに取り組んでいる様子を見られてよかった。 企業の事例発表・意見交換を経て ・他社の受入れ事例を学んだことがなかったので参考になった。 ・同じ悩みを持つ方が多く、相談できたことがよかった。 講演を聴いて ・具体的な取組み事例があり、たいへん参考になった。 ・いままでなかなか雇用の継続がむずかしかった理由が見えたと思う。 お問合せ先 国立職業リハビリテーションセンター 職業指導課 〒359-0042 埼玉県所沢市並木4-2 TEL:04-2995-120 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 職業指導課 〒716-1241 岡山県加賀郡吉備中央町吉川7520 TEL:0866-56-9002 障害者職業訓練推進交流プラザのご案内 会場参加とオンライン参加を選べます。 参加費は無料です! 開催日時 2026(令和8)年11月6日(金) 10:00〜16:30 会場 障害者職業総合センター (千葉県千葉市美浜区若葉3-1-3) 開催方式 ハイブリッド方式(オンライン:Microsoft Teamsを使用)  厚生労働省およびJEEDでは、障害のある方の公共職業訓練を実施している、または、障害のある方の受入れを検討している職業能力開発施設などの方を対象に、精神障害や発達障害、高次脳機能障害のある方などに対する職業訓練技法の普及を行っています。  その一環として、厚生労働省主催の「障害者職業訓練指導員経験交流会」とJEED主催の「障害者能力開発指導者交流集会」をあわせて「障害者職業訓練推進交流プラザ」として、毎年共同開催しています。  みなさまのお申込みを心よりお待ちしております! 【内容】 ※プログラム内容につきましては、確定次第JEEDホームページに掲載しますのでご確認ください。 対象者  障害のある方の職業訓練を実施している、または、障害のある方の受入れを検討している施設など(障害者職業能力開発校、一般の職業能力開発校、民間の障害者職業能力開発施設、障害者委託訓練受託施設、都道府県人材開発主管課)の方。 お申込み方法  9月下旬〜10月上旬ごろ、JEEDホームページ上に「申込フォーム」を掲載しますので、そちらからお申し込みください。 障害者職業訓練推進交流プラザ 検索 ◆お問合せ先 厚生労働省 人材開発統括官付参事官(人材開発政策担当)付特別支援室 障害者企画係 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 TEL:03-5253-1111(内線5962) ◆お問合せ先・お申込み先 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 職業リハビリテーション部 指導課 広域・職業訓練係 〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-3 TEL:043-297-9030 E-mail:ssgrp@jeed.go.jp 障害者雇用を進める事業主のみなさまへ 障害者の雇用推進策の一環として「就労支援機器」を展示しています  「就労支援機器」とは、障害のある方が働くことを助ける機器です。  JEEDが運営する東京都墨田区(最寄りはJR、地下鉄「錦糸町駅」)にある 就労支援機器の常設展示コーナーを紹介します。 多様な機器があります! 視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、知的・発達障害など、多様な障害種別の機器を展示しています。 機器の違いを試せます! 国内で流通する主要な拡大読書器は、据置型を中心に各種展示しています。 アドバイザーがいます! 就労支援機器アドバイザーが「障害の状況」、「職務内容」、「職場環境」に合わせて適切なアドバイスを行います。 就労支援機器貸出・相談窓口 所在地:〒130-0022 東京都墨田区江東橋(こうとうばし)2-19-12 ハローワーク墨田5階 TEL:03-5638-2792 E-mail:kiki@jeed.go.jp ご利用時間:月曜〜金曜日、8時45分から17時まで(祝日および12月29日から1月3日までを除く) お越しの際は電話もしくはメールにて、事前のご連絡をお願いします。 機器の『出張説明会』を開催します! ○就労支援機器の紹介および利用体験、活用事例の紹介、貸出制度の説明を行います。ぜひご参加ください。 ○年1回の開催ですので、この機会をお見逃しなく! 愛知 2026(令和8)年9月9日(水) 13時〜15時 〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦1-10-1 MIテラス名古屋伏見5階 JEED愛知支部 名古屋事務所 大阪 2026(令和8)年10月2日(金) 13時〜15時 〒541-0056 大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル3階 JEED大阪支部 大阪障害者職業センター 東北地方での開催は3年ぶりです! 宮城 2026(令和8)年11月13日(金) 13時〜15時 〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央2-2-10 仙都会館ビル4階 仙都会館会議室 福岡 2026(令和8)年11月25日(水) 13時〜15時 〒810-0042 福岡県福岡市中央区赤坂1-10-17 しんくみ赤坂ビル5階 JEED福岡支部 福岡事務所 説明会に参加を希望される方は、事前のお申込みをお願いします。 説明会の詳細およびお申込みは、就労支援機器ホームページの「新着情報」をご覧ください。 https://www.kiki.jeed.go.jp/index.php 地図文字 東武ホテル レバント東京 アルカセントラル アルカキット 錦糸町 アルカイースト 地下鉄半蔵門線 至両国 JR総武線 JR錦糸町駅 テルミナ 南口 就労支援機器貸出・相談窓口 (ハローワーク墨田5階) 千葉銀行 京葉道路 1番出口 丸井 楽天地ビル 至住吉 【P15-18】 令和8年度 障害者雇用支援月間における絵画・写真コンテスト入賞作品 「絵画コンテスト 働くすがた〜今そして未来〜」 「写真コンテスト 職場で輝く障害者〜今その瞬間〜」  JEEDでは、広く障害者雇用への理解と関心を深めていただくため、障害のある方々などから絵画と写真を募集し、優秀な作品をもとに9月の「障害者雇用支援月間」にあわせてポスターを作成しています。  募集は絵画コンテスト3部門と写真コンテストに分けて行い、今年度は全国から寄せられた1778点(絵画1379点、写真399点)の応募作品のなかから、審査の結果、ポスターに採用する厚生労働大臣賞4点のほか当機構理事長賞4点、同理事長奨励賞72 点がそれぞれ選ばれました。  厚生労働大臣賞を受賞した4作品をもとに作成したポスターは、障害者雇用支援月間中、全国のハローワークなどに掲示されます。 今年度も力作がそろいました! シンボルキャラクター ピクチャノサウルス 厚生労働大臣賞 ◆絵画コンテスト 小学生の部◆  「大きなきりんとともだちになりたいな」  後山 侑ノ輔(うしろやま ゆうのすけ 鹿児島県) ◆絵画コンテスト 中学生の部◆  「職場体験の私」  春原 愛咲(すのはら ありさ 長野県) ◆絵画コンテスト 高校生・一般の部◆  「洗いもの」  神戸 陽子(かんべ ようこ 長野県) ◆写真コンテスト◆  「協力し合ってよりよい仕事」  吉田 拓真(よしだ たくま 岐阜県) 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞 ◆絵画コンテスト 小学生の部◆  「ニコニコけいさつかん おばあちゃん大切に!!」  山本 彩生(やまもと さき 福岡県) ◆絵画コンテスト 中学生の部◆  「木工作業員」  礒野 葵(いその あおい 愛知県) ◆絵画コンテスト 高校生・一般の部◆  「リモートで打合せ」  コ本 香菜(とくもと かな 愛媛県) ◆写真コンテスト◆  「うまくきれてるかな」  工藤 奎太(くどう けいた 大分県) 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長奨励賞 絵画コンテスト 小学生の部 「ガソリンまんたん」 山田 颯 (やまだ はやて 青森県) 「バスの運転手の女性」 十時 悠梨子 (ととき ゆりこ 東京都) 「しょうぼうしょ」 筒井 悠悟(つつい ゆうご 東京都) 「コーヒーをいれるカフェ店員」 浅野 栄太(あさの えいた 東京都) 「電車の運転手になりたいな」 牧原 一輝(まきはら かずき 愛知県) 「コンビニのレジ係をしたい」 河合 春樹(かわい はるき 愛知県) 「恐竜時代に連れて行ってくれるタクシー運転手」 吉岡 龍之介(よしおか りゅうのすけ 徳島県) 「トラックステーションの働く人」 井元 環華羽(いのもと わかば 福岡県) 「ダンサー美ようし」 矢野 莉菜(やの りな 福岡県) 「手話が伝わるコーヒー屋さん」 松下 もも(まつした もも 鹿児島県) 絵画コンテスト 中学生の部 「尊敬する先生」 山岸 蘭(やまぎし らん 北海道) 「お寿司のパックづめ」 荻原 輝(おぎわら ひかる 長野県) 「病院で職場体験」 鶴見 勇人(つるみ ゆうと 長野県) 「いまいくぞー しゅつどう!」 田中 喜絃(たなか きいと 愛知県) 「カットをするトリマーさん」 上田 悠月(うえだ ゆづき 大阪府) 「穴あけチャレンジ」 野中 湊斗(のなか みなと 福岡県) 「たたら機くるくる」 平山 天翔(ひらやま てんしょう 福岡県) 「作業をするぼく」 山下 魁人(やました かいと 福岡県) 「ボクのマフィンをたべてみて!!」 吉田 明輝(よしだ はるき 福岡県) 「昔から伝わる中華料理屋さん」 折戸 瀧太(おりと そうた 鹿児島県) 絵画コンテスト 高校生・一般の部 「牛のお世話」 古田 桃香(ふるた ももか 青森県) 「ネイルアートを細やかに」 石戸谷 有記(いしどや ゆき 青森県) 「懐かしい味をいつかみんなに」 小川 敏(おがわ さとし 山形県) 「集中している私(テープ貼)」 三浦 弓枝(みうら ゆみえ 福島県) 「車両清掃をする姿」 矢部 真彩姫(やべ まさき 埼玉県) 「朝礼を始めます」 村上 かおる(むらかみ かおる 千葉県) 「私のあこがれ 私の目標」 野村 佳世(のむら かよ 千葉県) 「みんな真剣!コチョウラン作り」 三浦 聖弥(みうら せいや 千葉県) 「明るく働いている姿」 佐々木 亮介(ささき りょうすけ 東京 「楽しい金魚屋さん」 前田 隼汰(まえだ はやた 東京都) 「私の仕事はリサイクル・地球にやさしい仕事です」 村上 佳澄(むらかみ かすみ 東京都) 「キレイになぁれ!」 原田 美希(はらだ みき 神奈川県) 「宇宙へ〜新たな星の発見・開拓〜」 小林 杏里(こばやし あんり 神奈川県) 「花壇整備〜年に一度だけの彩りを〜」 吉田 遥奈(よしだ はるな 神奈川県) 「一日のはじまり」 杉本 李実(すぎもと りみ 神奈川県) 「心を込めて、誠実に。」 荻野 舞(おぎの まい 神奈川県) 「安心な田舎でパソコンの在宅ワーク」 高橋 美砂子(たかはし みさこ 新潟県) 「刈り残しなく 丁寧に」 井舟 佑太(いぶね ゆうた 石川県) 「指差し確認、ヨシ!」 山口 祐典(やまぐち ゆうすけ 石川県) 「シートの裁断」 森本 充希(もりもと みつき 福井県) 「ぶどう園の仕事風景」 加藤 利和(かとう としかず 岐阜県) 「現場の左手」 平松 志織(ひらまつ しおり 岐阜県) 「努力の積み重ね」 石川 翼(いしかわ つばさ 静岡県) 「ご安全に!」 大矢 好美(おおや このみ 愛知県) 「レンズの箱入れでみんなに役立っている自分」 小野 友都(おの ゆうと 愛知県) 「自動車の部品を細かく確認している自分」 比嘉 エイキ(ひが えいき 愛知県) 「伝統を紡ぐ」 大村 綾子(おおむら あやこ 愛知県) 「おつかれさま」 中瀬 友之(なかせ ともゆき 三重県) 「『命』を手伝う、お仕事(助産師)」 山口 蓮(やまぐち れん 大阪府) 「歯科麻酔科医がリーダー!全身麻酔の歯科治療」 野口 澪(のぐち みお 大阪府) 「安心の品質をお客様へ」 奥村 駿介(おくむら しゅんすけ 大阪府) 「絵本作家・世界を生み出す仕事」 小林 弘典(こばやし ひろのり 奈良県) 「好奇心」 藤本 浩平(ふじもと こうへい 広島県) 「織物班の作業場」 相原 希美(あいばら のぞみ 愛媛県) 「柳川の船頭さん」 有森 美恵子(ありもり みえこ 福岡県) 「氷の彫刻をする料理人」 池山 秀明(いけやま ひであき 鹿児島県) 入賞作品展示会のお知らせ 全国5カ所で入賞作品展示会を開催します。 【東京】 9/15(火)〜9/19(土) 日本橋案内所隣 江戸桜通り地下歩道 【愛知】 10/1(木)〜10/3(土) 中日ビル 【札幌】 10/23(金)〜10/25(日) 札幌駅前通地下広場 【大阪】 11/9(月)〜11/11(水) 大阪市役所 【福岡】 11/18(水)〜11/20(金) 福岡市役所 詳しくはJEEDホームページをご覧ください。 【P19】 エッセイ 強迫性障害の私が、自分らしく働けるようになるまで 第2回 強迫性障害のまま看護師へ 漫画家・イラストレーター つくし ゆか 看護専門学校卒業後、大分県や福岡県の医療・介護現場で看護師として勤務。2019(令和元)年に結婚を機に鹿児島県へ移住。自身の強迫性障害の体験をもとに漫画制作を開始し、2022年に燦燦舎より『極度の心配性で苦しむ私は、強迫性障害でした!!』、2025年にラグーナ出版より『強迫性障害とともに生きてみた。〜不安が軽くなる30のヒント〜』を出版。現在は県内で講演活動も行っている。 看護師として働き始めたころ  20歳の春、私は看護師として総合病院に就職しました。国家資格を取り、ようやくスタートラインに立てたはずでしたが、そのころには強迫性障害の症状はかなり強くなっていました。  それまで家の中で起きていた「確認」は、職場でも現れるようになっていました。 仕事のなかでふくらんでいく不安  病院は、人の命を預かる場所です。もともと責任の重い仕事ですが、当時の私にとっては、その重さが強いプレッシャーとなっていました。「ミスをしてはいけない」という思いが、頭の中でどんどん大きくなっていったのです。  特に怖かったのは、注射や点滴で使う針でした。処置のあと、きちんと廃棄できているはずなのに、「どこかに落ちているのではないか」と不安になる。また、誤って自分の指に刺してしまったのではないか、感染症にかかってしまったのではないか…。そんな思いに何度もとらわれました。  実際には問題がないとわかっていても、不安は消えません。使用ずみの針を何度も探したり、自分が病気に感染したのではないかと怖くなったりしていました。 がんばるほど、うまくいかない  勤務中、頭の中はいつも不安でいっぱいでした。それでも周囲からみえるのは、「動きが遅い」、「手がとまっている」という姿です。注意を受けるたびに、焦りと不安はさらに強くなっていきました。  「ミスは許されない。だから確認しなければいけない」、そう思って確認をくり返す。しかし、その行動によってさらに注意を受けてしまう。そんな悪循環のなかに、いつの間にかはまり込んでいました。 「〜しなければいけない」がとまらない  もともと私は、大雑把な性格でした。それが、看護学校での実習や国家試験を前にしたころから、「ちゃんとしなければいけない」、「失敗してはいけない」という思いが強くなり、症状が一気に表に出てきたように感じています。  「いい点を取らなければいけない」、「資格を取らなければいけない」、「働くからにはミスをしてはいけない」、そんな“〜しなければならない”という思いが、知らないうちに自分を追い込んでいました。 それでも働き続けていた理由  それでも働き続けていたのは、一人暮らしを続けるためでした。当時は家族との関係もうまくいっておらず、「絶対に実家には戻りたくない」という気持ちが強くありました。  本当は少し立ちどまる選択肢もあったはずです。けれど当時の私は、「せっかく取った資格なのだから、看護師として働かなければいけない」と思い込んでいました。 いちばんつらかった時期  20歳から21歳にかけてが、症状がもっともつらかった時期です。  このころから医療機関にも通い始め、薬を処方されていました。ただ、副作用で強い眠気や吐き気が出てしまい、仕事にも影響が出ていました。続けることがむずかしくなり、自己判断で服薬をやめてしまった時期もありました。 あのころをふり返って思うこと  当時は、「どうにかしていまの生活を続けなければ」という思いで精一杯で、自分の状態をみつめる余裕はありませんでした。  強迫性障害の症状は、日常生活だけでなく、仕事にも大きな影響を及ぼします。そしてそれは、本人の努力や気持ちだけではどうにもならないこともあります。  あのころの自分をふり返ると、「もっと違う働き方や生き方があったのではないか」と感じることがあります。 【P20-25】 編集委員が行く 地域の特性を活かした延岡版デュアル教育システムでみんなの幸せにつなげる ―宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校を訪ねてー 宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校(宮崎県) 株式会社旭化成アビリティ 代表取締役社長 清水裕之 取材先データ 宮崎県立延岡(のべおか)しろやま支援学校延岡商業校 (宮崎県立高等特別支援学校) 〒882-0007 宮崎県延岡市桜ケ丘3-7122 (宮崎県立延岡商業高等学校内) TEL 0982-21-9545 マツタ工業株式会社 〒882-0007 宮崎県延岡市桜ケ丘3-7094-2 TEL 0982-21-1427 FAX 0982-31-1233 清水(しみず)裕之(ひろゆき) 編集委員から  今回の取材先は、宮崎県内3都市で今年からスタートした「高等特別支援学校」の一つ「宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校」である。まだ卒業生はいないが、3人の高校1年生が教職員に温かく見守られ、自然豊かな延岡商業高校を学び舎とし、企業現場実習等に汗を流していた。スタートしたばかりではあるが、検討段階から立ち上げに奮闘努力されてきた様子や周囲の上手な巻き込みなど、「アツイ」思いをお届けできればと思う。 Keyword:高等特別支援学校、特別支援学校、入学者選考、デュアル教育システム、併設校、協力校、インクルーシブ、一般就労、企業現場実習(職場実習) POINT 1 併設校校舎内に立地した高等特別支援学校のインクルーシブな取組み 2 就業を前提にしないデュアル教育システムによる生徒の実践的育成、社会性養成 3 併設校、協力校、地域企業、公的機関を巻き込んだシステム開発・検討プロセス はじめに  今回、訪問したのは、宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校(以下、「しろやま延岡商業校」)である。同校は、宮崎県立延岡商業高等学校(以下、「延岡商業高校」)の校舎の中にあり、「高等特別支援学校」として、位置づけられている。高等部のみが単独で設置されている学校で、おもに比較的軽度の知的障がいのある生徒で構成されている。  一方、今回取材対象ではないが、延岡市には、宮崎県立延岡しろやま支援学校がある。同校は「特別支援学校」に位置づけられ、幼稚部から高等部までの一貫教育を行う学校で、重度から軽度まで幅広い障がい(視覚・聴覚・知的・肢体不自由)に対応している(表参照)。  しろやま延岡商業校は、高等特別支援学校として、宮崎県内の都城(みやこのじょう)きりしま支援学校都城商業校、日南(にちなん)くろしお支援学校日南校と同時に、今年開校したと聞いていた。併設校・協力校とのインクルーシブな取組み、地域の企業や事業所と積極的に連携を図り、デュアル教育システムを取り入れた体験的な職業教育を展開されているとも聞き及んだ。  今回、取材先として選んだ理由は、おもに次の2点からである。 ◎同種の取組みを始めているほかの都道府県もあるとのことで、その設立の課題認識や経緯、目ざす学校像等について取材し、『働く広場』の読者のみなさんの事業所・特例子会社等での卒業生の採用や実習機会提供を検討いただくこと ◎ほかの都道府県で同種の取組みをされている高等特別支援学校の運営に少しでもお役に立てればとの思い  今回の取材先選定にあたっては、延岡市教育委員会教育部長の松田(まつだ)康寿(やすひさ)さん、延岡市健康福祉部長の冨岡(とみおか)忠伸(ただのぶ)さん、同障がい福祉課推進監兼課長補佐の夏田(なつた)美由紀(みゆき)さんより多大なご貢献をいただいた。私が『働く職場』の編集委員を委嘱されて間もない今年5月にお三方とお会いする機会があり、ご相談したところ、しろやま延岡商業校をご紹介いただいた。ここに御礼申し上げる。 しろやま延岡商業校の深掘り  事前打合せを含め、しろやま延岡商業校の取材において、同校教頭の藤元(ふじもと)龍哉(たつや)さん、同校進路指導主事の前川(まえかわ)咲誉(さよ)さん、同校教務主任の田上(たがみ)雄太(ゆうた)さんのお三方にいろいろとお話をお聞きした。  今年創立されたしろやま延岡商業校には、3人の生徒が将来の夢と希望を持って入学を果たしている。 @しろやま延岡商業校設立の課題認識  同校設立にあたっての課題認識について次のように聞いた。  「生徒には、社会性やコミュニケーション力、年齢に応じた経験を積ませたいと思っています。そのためにも併設校・協力校との連携を通じたインクルーシブな教育の推進が必要だと考えました。本校は、延岡商業高校を併設校と位置づけ、同校校舎の中に立地し、同じ制服・体操服を着て学校生活を送り、ほぼすべての学校行事を合同で実施します。障がい特性上、本校生徒はあまりコミュニケーションが得意でないこともありますが、延岡商業高校の生徒が積極的にコミュニケーションをとってくれており、ありがたいです。交流および共同学習を通して、学習や行事に取り組む態度など、延岡商業高校の生徒の働きかけのおかげで、日常の学校生活のなかでの学びにつながっていると感じています。しろやま延岡商業校は、ほかにも協力校として宮崎県立門川(かどがわ)高等学校と連携していて、農業や福祉分野での共同学習を行っています」  いまでは、お弁当を一緒に食べようと併設校の生徒から誘われるようになったとのことで、両者のインクルーシブな関係性は深まりつつある。 Aしろやま延岡商業校の目ざす姿  続いて、同校の「目ざす姿」について次のように聞いた。  「本校は、生徒の一般就労100%を目ざしています。そのポイントは、デュアル教育システムにあります。地域の企業のご理解のもと、企業現場実習(職場実習)を通じて、生徒の段階に応じたプログラムを計画しています。まず、1年生時はいろいろな職種を見聞きし、経験の幅を広げることを重視しています。生徒は自分の知っている範囲の世界で夢や希望を持っていますが、それは大事にしつつ、知らないところにも目を向け、そこも含め自分の強みの発揮や適性を見きわめる土台としたいと思っています。2年生時は、自分の適性、やりがい・生きがいを持って働けるかという視点で、絞り込みを行う時期と位置づけています。3年生時は、就労に向けた企業理解と支援体制の構築を目ざしていきます。また、就職後3年程度は、進路指導主事を中心に、自立支援員等とも連携し、各職場を回り、定着指導という形でフォローしていきたいと思っています」  また、長期・俯瞰的な視点から、関係する併設校・協力校の生徒・職員・学校自体、および実習受入れ先企業、地域社会全体に幸福をもたらすという考え方を披露いただいた(詳しくは、後述25ページの「おわりに」で紹介)。なかでも、実習受入れ先企業にとっては、障がい者雇用のノウハウ獲得、人手不足解消、多様性確保等のメリットを活かせる、との見解は、至極納得である。 Bしろやま延岡商業校の特徴・特色・工夫している点  次に特徴・特色・工夫している点について聞いた。  「校務分掌(ぶんしょう)(学校組織)を併設校の延岡商業高校とそろえる形で編成し、合同会議等を実施し、企画・計画段階から意見のすり合わせや調整が行えるようにしています。このことにより、高等学校および特別支援学校それぞれの情報(進路、研修等)が共有しやすくなりました。また、制服、体操服等は併設校と同じものを着用しており、校則もそろえています。両校の校旗の掲揚、学校案内図や両校校歌斉唱等、同じ敷地で学ぶ仲間としての意識が育まれやすいです。毎年10月に「桜マーケット」として、1500〜2000人程度のお客さまが来られる物品販売の機会にも、一緒に参加予定です。地域のごみ拾いなども延岡商業高校と一緒に実施しています」  「工夫している点としては、宮崎県内で同じく今年開校した都城・日南校とは、職員同士の情報交換もさることながら、生徒間交流もオンラインで実施しています。同じような状況でがんばっている生徒間のかかわりも大事にしたいです」 Cしろやま延岡商業校の「デュアル教育システム」の成り立ち  同校のデュアル教育システムは、卒業後の一般就労を見すえて、宮崎県教育委員会の職業コース指定研究を受け、数年間検討、ノウハウを蓄積し、今日に至っている。開校にあたって、助言・指導いただいたのが、延岡市キャリア教育支援センター・センター長の水永(みずなが)正憲(まさのり)さんである。水永さんは、私が旭化成株式会社で新入社員時代からたいへんお世話になった方で、後述のマツタ工業株式会社(以下、「マツタ工業」)への訪問にもご同行されており、偶然にもお会いできて、うれしいかぎりであった。同校は、水永さんの紹介で、宮崎県工業会県北地区部会総会などにも学校紹介として出向き、実習受入れ先の拡大につなげている。  同校の旧版パンフレットにデュアル教育システムについて次のような記載があるので、紹介する。「学校における職業教育と企業などでの就労実践を並行して行う学習形態。地域の企業と連携し、定期的な実習と学校での職業教育をくり返すことを通して、実践的な知識・技能を習得するとともに、社会人としての責任感や倫理観、コミュニケーション能力を養い、生徒自身が自分の適性や将来のキャリアプランを明確にするための学びである」  同校のデュアル教育システムは、実習先での就職を前提としていないので、受入れ先企業、生徒双方の心理的負担を下げる効用がある。就職を前提とすると、実習中「ちょっとうちの職場では合わないな」となった場合でも後戻りしづらくなる。そんな状況で後戻りすると、今度は、生徒側の心理的負担や自己肯定感を傷つけることになる。企業も生徒も、「トライ」するつもりで、互いを受け入れ、取り組めるところが、ウィン・ウィンで特徴的だといえる。 実習候補先でのひとこま  取材日にちょうど、実習先候補であるマツタ工業へ生徒・先生が訪問するということで、同行させていただいた。しろやま延岡商業校から少し山の方に位置しており、2020(令和2)年「宮崎県未来成長企業」にも選定された実績を持つ会社である。金型設計・製作・メンテナンス、産業用機械装置の製造等を主要業務としており、同社代表取締役社長の松田(まつだ)佳久(よしひさ)さんや桜ケ丘工場長の平川(ひらかわ)守(まもる)さんから、業務内容や製造プロセスの説明を受けた後、工場の中を案内いただいた。  松田社長に実習先として手をあげたきっかけや目的をお聞きしたところ、「元来、障がい者雇用の重要性は認識しており、他社へ見学に行き、勉強してきました。今回は、障がい者雇用そのものや近隣のしろやま延岡商業校の役に立てればとの思いからです」とお答えいただいた。受入れにあたり、「生徒個々人、何ができるか、理解度がどうなのかなどをフィードバックしていただけると、よりよい実習になると思います」とのことだった。 生徒にインタビュー  取材当日、実習候補先見学を終え、感想文作成後、在校生3人にインタビューを行った結果は次の通りである。質問は、「この学校を選んだ理由と実際の学校生活の満足度」である。 ●河野(かわの)利央(りお)さん  卒業後は一般就労に就きたいと思い、この学校を選びました。小人数制なのも魅力的。いまのところ、学校生活に満足しており、10点満点中10点と思っています。 ●佐藤(さとう)愛華(あいか)さん  卒業後の一般就労に魅力を感じました。企業現場実習が多い点が、入学前のイメージとは異なります。 ●篠原(しのはら)和陽(かずひ)さん  クラスメイトと打ち解けて話ができています。ゲームの話で盛り上がり、学校生活も充実しています。  当日、初対面の私の質問に少し緊張し、戸惑いつつも、一所懸命考え返答してくれた。そのまなざしは希望に満ちていると感じられた。 おわりに  併設校校舎内に立地したインクルーシブな取組みやデュアル教育システムによる生徒の実践的育成、社会性養成が関係者の幸せにつながる取組みとして、聞いたことを詳述し締めくくりとする。 @自校生徒は、社会的自立を果たし、充実した人生を送り幸せになる。 A自校職員は、高校の職員の教科や生活年齢に即した指導および併設校の生徒とのかかわりから学びを得て、教員人生の幸せにつなげる。 B併設校、協力校生徒は、共同学習を通して利他と共生の心を育み、共生社会のにない手として幸せになる。 C併設校、協力校職員は、自校職員の指導、支援から特別支援教育のノウハウを学び、併設校生徒の個別ニーズに対応した指導、支援につなげキャリアアップ、幸せになる。 D併設校、協力校は、インクルーシブ教育の取組みを進めることで、魅力アップにつなげ、幸せになる。 E企業の方々は、障がい者雇用のためのノウハウ獲得、人手不足の解消、多様性確保などのメリットを活かして幸せになる。 F地域社会のみなさまは、だれもが働きやすく、住みやすい、人格と個性が尊重される共生社会となり幸せになる。 ※@ACの自校=「しろやま延岡商業校」 ★本誌では通常「障害」と表記しますが、清水委員の意向により「障がい」としています 表 高等特別支援学校と特別支援学校(高等部)の各種比較 高等特別支援学校 特別支援学校(高等部) 学部 高等部 高等部 学科 職業科 普通科 専門教科 あり なし 入学検査 あり※ あり 給食 なし あり スクールバス なし あり 進路 一般就労 一般・福祉的就労 ※募集定員を定めており、選考を経ての入学となる (資料提供:宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校) 写真のキャプション 併設する宮崎県立延岡商業高等学校(宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校は、この教育棟の1階) 校門には両校の校旗が生徒会によって揚げられている(写真提供:宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校) 宮崎県立延岡しろやま支援学校 延岡商業校校長の肱岡(ひじおか)憲吾(けんご)さん(写真提供:宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校) 教頭の藤元龍哉さん 教務主任の田上雄太さん 教室で指導にあたる進路指導主事の前川咲誉さん(左) 併設された両校の生徒は、同じ制服・体操服を着て学校生活を送る(写真提供:宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校) 協力校である宮崎県立門川高校との専門教科共同学習(食品加工)(写真提供:宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校) 併設校の延岡商業高校とのクリーン作戦(地域清掃)(写真提供:宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校) 延岡市キャリア教育支援センターセンター長の水永正憲さん マツタ工業株式会社 マツタ工業株式会社代表取締役社長の松田佳久さん 工場を案内する桜ケ丘工場長の平川守さん(左) 河野利央さん 佐藤愛華さん 篠原和陽さん 工場見学の様子。マツタ工業株式会社は金型の設計・製作などを手がける 【P26-27】 省庁だより 特別支援学校等における就労支援や共生社会の実現に向けた生涯学習の推進 文部科学省 初等中等教育局 特別支援教育課 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課 障害者学習支援推進室  改正障害者雇用促進法等の法的整備を背景に障害者の社会参加が進むなか、特別支援教育の教育現場でも、障害のある生徒の就職や職場定着を促進するための教育の充実に力が注がれています。ここでは、特別支援教育における就労支援や共生社会の実現に向けた生涯学習の推進に関する取組の現状について紹介します。 1 特別支援学校の特色  障害のある子供については、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加するために必要な力を培うため、一人一人の障害の状態等に応じ、特別な配慮の下で適切な指導を行うとともに、必要な支援を行う必要があります。特別支援学校高等部においては、生徒の就労を見据え、職業教育を行う専門学科を設置している学校や、資格取得に向けた専門的な指導を行う専攻科を設置している学校があります。また、知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校高等部においては、教科「職業」を設け、卒業後の進路に関する実践的・体験的な学習活動を通して、将来の職業生活に係る力を育成しています。 2 キャリア教育・職業教育の推進  特別支援学校高等部学習指導要領では、キャリア教育・職業教育の充実を目指して、次の点が示されています。 キャリア教育及び職業教育に関して配慮すべき事項 ●学校においては、キャリア教育及び職業教育を推進するために、生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等、学校や地域の実態等を考慮し、地域及び産業界や労働等の業務を行う関係機関との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設ける。 ●地域及び産業界や労働等の業務を行う関係機関の人々の協力を積極的に得るよう配慮する。 キャリア教育の充実 ●生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科・科目等又は各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図る。 ●その中で、生徒が自己の在り方生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、組織的かつ計画的な進路指導を行う。その際、家庭及び地域や福祉、労働等の業務を行う関係機関との連携を十分に図る。  特別支援学校では、こうした学習指導要領の内容を踏まえ、個別の指導計画や個別の教育支援計画を活用し、生徒や保護者の意向や生徒の障害等を十分に踏まえながら、キャリア教育・職業教育を進めています。 3 特別支援学校と関連機関・部局の連携  障害のある人が生涯にわたって自立し社会参加していくためには、職業的な自立を目指すことが重要です。しかしながら、特別支援学校高等部卒業者の進路を見ると、就職者の割合は約3割となっており、近年横ばいの状況が続いています(図1)。障害者の就労支援をさらに推し進めていくためには、教育、福祉、医療、労働等の関連機関・部局の連携強化が強く求められています。  厚生労働省においては、障害者の雇用に関する労働関係機関と教育、福祉、医療等関係機関の連携について、都道府県労働局や公共職業安定所等において特別支援学校等との連携を一層強化するよう、通知を発出しました(平成25年3月29日に通知、平成30年4月2日改正)。これを受けて、文部科学省では、教育委員会等に対し、労働関係機関との一層の連携のもとに、障害のある生徒の就労に向けた支援の充実を図るよう周知しました。  また、令和7年10月から新たな障害福祉サービスとして就労選択支援が開始されました。文部科学省では、特別支援学校等に在籍する生徒の就労選択支援の利用に関する留意事項について、各都道府県・指定都市教育委員会等に対して厚生労働省との連名で通知(令和7年5月15日付け)を発出するなど、特別支援学校等に在籍する生徒が就労選択支援を円滑に利用できるよう、周知を図っています。 4 共生社会の実現に向けた生涯学習の推進  障害の有無にかかわらず共に学び、生きる共生社会を実現するためには、障害者が生涯にわたり自らの可能性を追求でき、地域の一員として豊かな人生を送ることができる環境を整えていくことが重要です。  文部科学省では、障害者が生涯を通じて教育、文化、スポーツ等のさまざまな機会に親しむことができるよう、次のような事業を実施しています。 ●学校卒業後における障害者の学びの支援推進事業 ・都道府県を中心とした地域コンソーシアム形成による持続可能な生涯学習支援モデルの構築や、社会教育施設を活用した障害者の学びの場の拡充を目指した地域連携体制の構築、障害者の移行期の学びのモデルの構築を目指す取組を実施 ・生涯学習の担い手の育成や学習環境の実質的な整備につなげるための研究成果発信・実践交流等を行う「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」を実施 ●特別支援学校等における運動・スポーツ活動の促進 ・特別支援学校等を活用した地域におけるスポーツの拠点づくり等を実施 ・特別支援学校の児童生徒等を対象とした全国大会の開催 ●障害者の文化芸術活動の充実 ・障害のある生徒による作品の展示や実演芸術の発表の場の提供 ・障害のある生徒に対する文化芸術の鑑賞・体験機会の提供 ・障害の種別や年齢にかかわらず、鑑賞・創造・発表等の文化芸術活動に取り組むことができる機会の提供 ●障害のある学生の修学・就職支援促進事業 ・高等教育における障害学生支援の充実を図るため、先進的な取組や多くの知見を持つ複数の大学等が連携するプラットフォームを形成し、組織的なアプローチにより障害のある学生を支援する「障害のある学生の修学・就職支援促進事業」を実施 ※本誌では通常西暦で表記していますが、この記事では元号で表記しています 図1 特別支援学校高等部(本科)卒業後の状況の推移 (令和7年3月卒業者) 区分 卒業者 進学者 教育訓練機関等 就職者等★ 社会福祉施設等入所・通所者 その他 計 21,001人 340人(1.6%) 261人(1.2%) 6,263人(29.8%) 13,025人(62.0%) 1,112人(5.3%) (学校基本調査より) 社会福祉施設等入所・通所者 就職者等 平成26 5,557人 28.4% 令和7 6,263人 29.8% 進学者・教育訓練機関等 その他 ★「就職者等」について、令和2年度の学校基本調査で就職状況の区分が細かく分類されたことから、令和2年度以降においては「就職者等」の数を、平成31年度以前は「就職者」の数を学校基本調査から抽出することとした 【P28-29】 研究開発レポート 在職中の高次脳機能障害者の職場再適応に向けた支援技法の開発 障害者職業総合センター 職業センター  障害者職業総合センター職業センターでは、高次脳機能障害者を対象とした支援プログラムの実施を通じて、高次脳機能障害の特性の整理や補完手段の獲得、事業主支援に資する支援技法の開発・普及を行っています。  近年、医療技術の進展等を背景に脳血管障害等を発症した方の入院期間が短縮され、在職中に高次脳機能障害を発症した方が早期に職場復帰するケースが増えています。しかし、タイミングが早まったことで、職場復帰後に課題が顕在化する状況も見られています。  地域障害者職業センターへのヒアリングでは、在職中の支援は就職や復職時と比べてむずかしいとする回答が多く、その背景には、支援が必要と思料される状況であっても、支援介入に至るまでにさまざまな困難があることがあげられました。具体的には、「障害特性や必要な配慮について、本人・会社双方の理解が不足している」、「仕事が任せられず現場担当者が疲弊している」、「キーパーソンの異動で、現場が本人へのかかわり方がわからなくなり、本人も混乱している」といった支援のニーズはある一方で、「本人が支援を受けることに対して抵抗感を示す」、「本人と上司で困りごとの認識が一致していない」などの課題が見られます。  こうした状況をふまえ、本技法開発では、在職中の高次脳機能障害者が支援につながるきっかけづくりと、柔軟な支援方法の工夫に取り組みました。 支援につなぐツール @相談シート「思い当たることはありませんか?」 (図1)  相談シートは、出勤から退勤までの流れに沿って、職場で生じやすい困りごとと対処法を示したもので、例えば「準備がうまくいかない」、「変更に混乱する」などの困りごとに対し、チェックリストや音声認識アプリの活用といった具体的な工夫を提示しています。  この構成により、本人は場面をイメージしながら困りごとを整理しやすくなり、事業所にとっても支援が必要な場面を把握しやすくなります。  ただし、本シートは、本人と事業所が課題について、おおむね共通認識を持った段階で活用することを想定しています。本人に困り感が乏しい段階で活用すると、一方的に課題を突きつけられたという印象を与え、拒否感や不信感を高める可能性があります。そのため、支援者は事業所からの相談要請への対応において慎重にかかわり、導入のタイミングに十分配慮することが重要です。 A共有シート「職場の今≠フ共有シート」 (図2、3)  共有シートは、「活用方法の説明」、「シートA(仕事の流れ・本人の工夫)」、「シートB(会社の配慮・期待)」の三シートで構成されています。本人、事業所および支援者の三者が、課題解決に向けた目標を整理し、支援の方向性を検討するため、職場を訪問した支援者を中心に、面談や行動観察、事業所からの聞き取りなどを通じて記入し、職場の現状を可視化できるように工夫しています。  「活用方法の説明」は、シートの活用目的、記入方法、留意事項を紹介しています。  「シートA」は、業務内容や本人が行っている工夫、起きやすいエラーなどを整理し、強みと課題を可視化します。  「シートB」では、事業所が行っている配慮や本人に期待している行動を整理します。  これにより、三者が同じ理解に基づいて、目標設定や支援計画の検討を行うことができます。 柔軟な支援の取組み @ジョブコーチ支援と支援プログラムのハイブリッド支援の試行  在職中の職場再適応に向けた支援では、ジョブコーチによる職場での直接的な支援が有効ですが、業務と並行し補完手段を習得するには限界があります。一方、職場外での支援プログラムは補完手段の集中的な習得に効果的ですが、何週間も続けて職場を離れ利用することはむずかしい場合があります。  そこで、週に一日、半日といった単位で支援プログラムを活用し、その内容を職場でジョブコーチがフォローするハイブリッド型の支援に取り組みました。 A在職者のためのグループミーティング「仕事のアイディア広場」  プログラムを受講する高次脳機能障害の方のなかには、これまで同様の経験や症状を持つ当事者とかかわる機会がない方が多くいます。また、職場でも同様の状況の他者と働く機会はかぎられています。こうした状況から、働く経験を通して得られる工夫や職場で有用な対処方法の知識、ロールモデルに触れる機会は、職業生活の見通しを持つ手がかりとなり、心理的支えになることが期待されます。  グループミーティング「仕事のアイディア広場」は、参加者同士が職場での工夫や困りごとを共有する場であり、課題への気づきや解決のヒントを得るとともに、自己有用感の向上にもつながります。  本書では、集合形式とオンライン形式で実施したグループミーティングの事例を紹介しています。 おわりに  本書では、在職中の高次脳機能障害のある方の職場再適応に向け、支援につながるきっかけづくりと、事業主や本人が利用しやすい柔軟な支援のあり方について検討しました。あわせて、実際の支援で活用したツールや取組みを具体的に紹介しています。  本書が、在職中の高次脳機能障害のある方が安心して力を発揮できる職場づくりにつながるとともに、事業主にとっても安心して雇用を継続する一助となれば幸いです。  実践報告書No.45「在職中の高次脳機能障害者の職場再適応に向けた支援技法の開発」は、障害者職業総合センター研究部門のホームページに掲載しています(28ページ※1)。冊子の配布を希望される場合は、下記までご連絡ください(※2)。 ※1 実践報告書No.45「在職中の高次脳機能障害者の職場再適応に向けた支援技法の開発」は、以下ホームページよりダウンロードできます。 https://www.nivr.jeed.go.jp/center/report/practice45.html ※2 障害者職業総合センター職業センター TEL:043-297-9043 https://www.nivr.jeed.go.jp/center/center.html 図1 相談シート 図2 シートA 図3 シートB 写真のキャプション 実践報告書No.45(※1) 【P30】 ニュースファイル 国の動き 厚生労働省 「雇用分野の差別禁止・合理的配慮の相談等実績」を公表  厚生労働省は、都道府県労働局やハローワークにおける「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和7年度)」を公表した。  2025(令和7)年度にハローワークに寄せられた障害者差別に関する相談は122件、合理的配慮の提供に関する相談は509件で、計631件(前年度比44.1%増)。また、都道府県労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は前年度と同数の2件、障害者雇用調停会議による調停申請受理件数は15件(前年度11件)。  相談者の内訳は、障害者からが573件、事業主からが44件、その他(家族等)が14件だった。相談内容のうち、障害者差別に関するものは多い順に、募集・採用時(16.7%)、退職の勧奨(15.2%)、解雇(13.0%)で、合理的配慮の提供に関するものは多い順に「上司・同僚の障害理解に関するもの」(27.3%)、「相談体制の整備、コミュニケーションに関するもの」(16.0%)、「就業場所・職場環境に関するもの」(14.1%)となっている。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73696.html 国土交通省 自動車事故による高次脳機能障害者の社会復帰を促進する自立訓練事業所を選定  国土交通省は、自動車事故後の高次脳機能障害の把握から自立訓練、地元復帰までの切れ目のない支援を実施することを目的として、2026(令和8)年度に社会復帰促進事業(モデル事業)を実施する自立訓練事業所を11カ所選定した。モデル事業は、次の三つの支援を組み合わせて実施するとしている。 @ネットワーク構築支援…高次脳機能障害の医学的評価を行う病院と自立訓練事業所等とのネットワークを構築し、協力して退院後のコーディネートを目ざす。 A自立訓練提供支援…自立訓練事業所等が専門的知識を有する者を確保して、自立訓練を提供する場合にかかる経費を支援し、専門的知識を有する職員による事業実施を目ざす。 B地域連携支援…高次脳機能障害に対する十分な対応力を有する自立訓練事業所等が地元の事業所等と連携することにより、高次脳機能障害者の地域における生活への円滑な移行を目ざす。  国土交通省は、今回選定した事業所11カ所と、2024年度モデル事業の取組みをまとめた好事例集を左記ホームページで公開している。 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000756.html 生活情報 全国 声と言葉の困難に理解を「声とことばマーク」が誕生  声や話すことに困難がある当事者や言語聴覚士ら専門家でつくる「声とことばマーク運営委員会」が、声やことばの困りごとを伝える、新しいシンボルマークを作成した。マークは、吹き出しのある顔のイラストに、支援の必要を伝える白十字を組み合わせている。  同委員会ではこれまで、音声言語障害の診療にたずさわる慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科の富里(とみさと)周太(しゅうた)医師らが中心となり、吃音や発声障害、場面緘黙(かんもく)、トゥレット症、喉頭摘出後、失語症、口唇(こうしん)口蓋裂(こうがいれつ)などの当事者たちが参加する交流会などを開催してきた。そのなかで、「声やことばが出にくいとき、周囲にそっと配慮をお願いできるマークがほしい」といった声が上がり、一般募集223作品から選ばれた山田(やまだ)倖太朗(こうたろう)さんのデザイン案をもとに作成された。  マークは、特定の疾患にとらわれず声とことばに困りごとのあるすべての方が身につけるほか、趣旨に賛同する施設などで掲示してもらうことを想定。詳細は左記同委員会のホームページで紹介している。 https://sites.google.com/view/voice-speech-mark  利用希望など問合せは、左記の同委員会までメールを。 koetokotobanokai@gmail.com 北海道 車いす型近距離モビリティ貸出し  一般社団法人旭川観光コンベンション協会(旭川市)と特定非営利活動法人カムイ大雪バリアフリー研究所(旭川市)は、近距離モビリティの貸出しサービスを開始した。旭川市などが取り組むサービス「Universal MaaS(ユニバーサルマース)」推進の一環で、あらゆる人が快適に移動し、市内に点在する見どころを満喫できる体制を整える。  使用するのはWウィルHILL株式会社(東京都)が開発した電動車いす型の近距離モビリティで、歩道を走れる4輪スクータータイプと、折りたたみタイプの2種類。それぞれ体重制限があるほか、操作に必要な注意力などを備えているなどの利用条件がある。  料金は、@スクータータイプが1時間1000円(税込)、A折りたたみタイプが1日4000円(税込)。貸出場所は、@がJR旭川駅東改札口前にある旭川観光物産情報センター、Aが旭川空港近郊にあるカムイ大雪バリアフリーツアーセンター。事前予約ができ、空きがあれば当日貸出しも受けつける。  詳細は左記ホームページまで。 @:https://x.gd/o6PJW A:https://npo.kamui-daisetsu.org/rental/ 本紹介 『発達障害を抱える子どもの「できる!」を増やす作戦図鑑』  小児科医の武田(たけだ)洋子(ようこ)さんと平岩(ひらいわ)幹男(みきお)さんの2人が『発達障害を抱える子どもの「できる!」を増やす作戦図鑑』(講談社刊)を出版した。長年にわたり障害者医療、発達障害の臨床にたずさわってきた2人が、これまでの経験で得た知見をもとに、子どもの自立に必要な力が身につく、大人からの声かけ・接し方をアドバイスしている。  本書では、国際的に知られているABA(応用行動分析)とペアレント・トレーニングのよいところを取り入れた方法を、親しみやすい「作戦」といいかえた。250点以上のイラストで図解し、〇×式で「よい対応」、「NG対応」と明示しながらわかりやすく解説。忘れ物を減らす、規則正しく生活する、学習に取り組む、交通法規を守る、行動を切り替える、気持ちを静める、こだわりを緩和する、自分の役割を果たす、上手に友達と付き合う、ほかの人と相談する、公の場でマナーを守る、交通機関を利用する、一人で買い物をする、性被害から身を守るなど、発達障害のある子どもが直面しやすいさまざまな困難やテーマに沿って、具体的に紹介している。A5判、224ページ、2200円(税込)。 アビリンピック マスコットキャラクター アビリス 2026年度地方アビリンピック開催予定 9月〜10月 北海道、青森県、新潟県、石川県、山梨県、山口県、大分県、神奈川県 *開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります *  は開催終了 地方アビリンピック 検索 ※日程や会場については、変更となる場合があります。 ※第46回全国アビリンピックは12月4日(金)〜12月6日(日)に、愛知県で開催されます。 地図文字 北海道 青森県 新潟県 神奈川県 石川県 山梨県 山口県 大分県 【P31】 ミニコラム 第58回 編集委員のひとこと ※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は清水委員が執筆しています。ご一読ください。 デュアル教育システムの効果実感と初心回帰 株式会社旭化成アビリティ 代表取締役社長 清水裕之  今回の取材先である宮崎県延岡市(のべおかし)は、かの夏目漱石の『坊ちゃん』では、英語教師「うらなり」の左遷先として「猿と人とが半々に住んでいる」とユーモラスに描かれている。当時のことは不明であるが、現在は状況が異なっていることは自明である。  取材に行き、まず、驚かされたのは、併設校である宮崎県立延岡商業高等学校(以下、「延岡商業高校」)の生徒の挨拶の徹底ぶりである。どこのだれかわからないわれわれに、気持ちよい挨拶をみんながしてくれた。このような生徒が日常的に宮崎県立延岡しろやま支援学校延岡商業校(以下、「しろやま延岡商業校」)の生徒と同じ制服・体操服を着て学校生活を送り、ほぼすべての学校行事を合同で実施することによる好影響は、絶大と感じた。  少子化により子どもの人口は全体として減少しており、高等学校の生徒数の減少が空き教室増をもたらしていると聞く。一方、障がい者数は、増加傾向にある。延岡商業高校の校舎内に位置するしろやま延岡商業校の枠組みは、そこにうまくマッチングしたのである。  この学び舎で、3年間過ごした生徒が、今後どのような社会人となっていくのか楽しみである。このような生徒に選ばれる会社に、いつまでも卒業生を受け入れられる会社を目ざそうと、初心回帰した次第である。 ★本誌では通常「障害」と表記しますが、清水委員の意向により「障がい」としています 【P32】 掲示板 アビリンピック マスコットキャラクター アビリス 第46回 全国アビリンピック 入場無料 同時開催 障害者ワークフェア2026 〜働く障害者を応援する仲間の集い〜 2026(令和8)年12月4日金〜12月6日日 12月4日(金) 開会式 12月5日(土) 技能競技および障害者ワークフェア 12月6日(日) 閉会式 開催場所 愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPO アビリンピック 検索 当日はライブ配信も予定しています! 主催 読者アンケートにご協力をお願いします! ※カメラで読み取ったリンク先が「https://krs.bz/jeed/m/hiroba_enquete」であることをご確認ください。 回答はこちらから→ 次号予告 ●この人を訪ねて  NPO法人全国精神保健職親会(東京都)の理事長の中川均さんに、中小企業における精神障害のある方の雇用の現状と課題や、好事例の共有化を行うワークショップ事業の今後の展開などについてお話をうかがいます。 ●職場ルポ  食肉の生産から、加工・販売までを手がける総合食肉会社の株式会社大商金山牧場(山形県)を取材。聴覚障害や高次脳機能障害のある従業員が活躍する様子や、就労移行支援A型事業所との連携から採用に至った例などを紹介します。 ●グラビア  福島、新潟、栃木、茨城の4県に店舗・事業所を展開するスーパーマーケット運営会社の株式会社リオン・ドールコーポレーション(福島県)を訪問。品出しなどを担当する若手従業員が業務に励む様子を取材しました。 ●編集委員が行く  金塚たかし編集委員が一般社団法人静岡障害者就労企業交流会(静岡県)を訪問。精神・発達障害のある方のテレワークオフィスの取組みについてお伝えします。 メールマガジン好評配信中! 詳しくは JEED メールマガジン 検索 公式X(旧Twitter)はこちら! 最新号発行のお知らせやコーナー紹介などをお届けします。 @JEED_hiroba 編集委員 (五十音順) 聖学院大学 准教授 石原まほろ ATUホールディングス株式会社 代表取締役 岩ア龍太郎 株式会社FVP 代表取締役 大塚由紀子 NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク 副理事長・事務局長 金塚たかし 弘前大学大学院 教育学研究科 教職実践専攻(教職大学院) 教授 菊地一文 株式会社旭化成アビリティ 代表取締役社長 清水裕之 サントリービバレッジソリューション株式会社 人事本部 副部長 平岡典子 筑波大学 人間系 教授 前原和明 武庫川女子大学 准教授 増田和高 国際医療福祉大学 准教授 若林功 あなたの声をお待ちしています ■声−−障害者雇用にかかわるお考えやご意見、行事やできごとなどを500字以内で編集部(企画部情報公開広報課)まで。 ●発行−−独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) 発行人−−企画部長 古屋勝史 編集人−−企画部次長 石井伸明 〒261-8558 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-2 電話 043-213-6200(企画部情報公開広報課) ホームページ https://www.jeed.go.jp メールアドレス hiroba@jeed.go.jp ●編集委託−株式会社労働調査会 〒170-0004 東京都豊島区北大塚2-4-5 電話 03-3915-6415 FAX 03-3915-9041 9月号 令和8年8月25日発行 無断転載を禁ずる ・本誌に掲載した論文等で意見にわたる部分は、それぞれ筆者の個人的見解であることをお断りします。また、本誌では「障害」という表記を基本としていますが、執筆者・取材先の方針などから、ほかの表記とすることがあります。 【P33】 障害者雇用支援月間における絵画・写真コンテスト入賞作品 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長奨励賞 写真コンテスト 「よっこらしょっ!!」 竹内 敏(たけうち さとし 青森県) 「渾身の一杯入りました」 草野 上総(くさの かずさ 宮城県) 「荷札用針金切り『腰痛防止で台の高さを調整し効率よく作業中です』」 石川 真由美(いしかわ まゆみ 福島県) 「双子の唐辛子みーつけ」 千葉 未来(ちば みく 茨城県) 「キラキラ☆インスタグラマー」 市川 照子(いちかわ てるこ 愛知県) 「ひとつひとつ丁寧に」 柴田 久実(しばた くみ 愛知県) 「ハンドリフト運転試験緊張するな〜」 小島 久美(こじま くみ 三重県) 「缶 オンリー!」 丹野 麻衣(たんの まい 京都府) 「前進!前進!」 西田 賢一(にしだ けんいち 大阪府) 「はじめてのドキドキ焼き作業」 山田 透雅(やまだ とうま 兵庫県) 「仕事の中にも笑顔あり」 和田 忠司(わだ ただし 兵庫県) 「〜より美しく・よりきれいに・clean up〜」 明石 達也(あかし たつや 鳥取県) 「休憩じゃない、補給だ。」 板垣 恵里(いたがき えり 島根県) 「『誰でもわかる』に挑戦中」 三原 愛来(みはら あいら 岡山県) 「二人で見つめる一枚」 桃谷 美奈子(ももたに みなこ 岡山県) 「トラのペイントにチャレンジ」 宮城 光佑(みやぎ こうすけ 沖縄県) 審査委員 永関和雄(委員長) 元 全国造形教育連盟委員長 佐藤真理子 元 東京都大田区立南六郷中学校 指導教諭 清水満久 元 昭和女子大学 初等教育学科 教授 竹内とも子 東京都新宿区立柏木小学校 指導教諭 官野貴 日本写真家協会会員 桑原史成 日本写真家協会名誉会員 佐藤仁重 日本写真家協会会員 樫村拓郎 厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課 地域就労支援室長 輪島忍 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援 機構理事長 【裏表紙】 令和8年度 障害者雇用支援月間ポスター このポスターの原画は、障害のある方々などから募集したものです。絵画・写真コンテストの入賞作品は、本誌グラビアで紹介しています。 9月号 令和8年8月25日発行 通巻587号(毎月1回25日発行)