働く広場増刊号2013
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22「働く広場」増刊号 2013係機関の方も、「何かあったら、いつでもグチを言いに来てください」といってくれた。こんなに大勢の方たちに支えられて、坂田さんは、「本当に感謝の一言です。この気持ちを無駄にしないようにします」と、感動的なシーンになった。坂田さんは、将来はお年寄りから喜ばれる居宅介護支援事業所を、自分でも立ち上げたいと考えている。高齢者のパソコン教室も「れいめい」の事業は介護事業だけではない。2年前、地元の香寺町の自治会から高齢者のパソコン教室を委託された。パソコン歴の長い身体障害のある事務職員、三浦康宏さんが講師を務めている。秋の半年コースは、毎週1回の2つの連続講座。「高齢者が参加しやすいゆっくりペースだ」と地元のお年寄りの人気を集め、リピーターも少なくない。講師の三浦さんの食事やトイレ、移動の介護は、同じ「れいめい」の仲間の仕事だ。坂田さんはそのかたわらパソコン教室のサブリーダーとしても手伝っている。こうしたきめ細かな仕事の組立てで、「れいめいの採算は?」と野村さんに聞くと、「そこは何とか『まあまあ』で、みんなで頑張ってもらっています」ということだった。「れいめい」のヘルパーの活動は、地元の神戸新聞でも取り上げられ、障害者の家族からの問合せや相談が相次いだようだ。キャリアサポーターが巡回兵庫県では精神障害者の社適訓練が以前から活発で、その実績は全国的でも一、二を競う先進県である。2008(平成20)年10月からは、雇用にいかない「実習型」と「雇用指向型」の2つのタイプに分け、訓練生をより雇用へと誘導する工夫がなされてきた。さらに姫路を中心とする中播磨地域の特色は、「社適訓練」の段階から支援に職場をまわるキャリアサポーター制度である。障害者の雇用支援策として、1週20時間以上の雇用にはジョブコーチ制度があるが、訓練である「社適」には国の制度であるジョブコーチは利用できない。社適訓練を終える坂田泰智さん(下の写真中央)。坂田さんも参加したケース会議の様子パソコン教室の講師の三浦さんの介助をしながら、サブリーダーとしても活躍する坂田泰智さん地域の高齢者向けのパソコン教室。右から2人目が三浦康宏さん

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