働く広場増刊号2013
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はじめに『働く広場2013年増刊号』をお届けします。2013(平成25)年は、障害者雇用促進法の改正が行われ、大きな転機の年になりました。4月から民間企業の法定雇用率が2・0%に引き上げられ、それに伴って障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が、従業員56人以上から50人以上に広がりました。もうひとつ重要なことは、精神障害者を法定雇用率に算定することが盛り込まれたことです。1997(平成9)年に、それまで身体障害者だけだった法定雇用率の対象に、知的障害者が追加されて以来の大幅な改正です。そのほか、雇用する際の障害者差別の禁止、職場で支障なく働ける措置の義務化などが定められました。同時に、障害を理由とする差別の解消を目的とした障害者差別解消法も成立しました。本誌は、以前より精神障害者を雇用している事業所・職場の取材を積極的に行ってきました。民間の事業所での就労や農業分野での就労、ソーシャルファームなどの事例も取り上げました。精神障害者雇用に関する研究の紹介もあわせて行い、事業主のみなさまに、精神障害者を雇用するにあたっての情報を提供してきました。また近年、広く社会で問題になっている「うつ病」に関する事例も取り上げ、機構では「うつ病」の方の職場復帰、リワーク支援も行っています。今回の増刊号には、過去4年以内の取材も含めて、精神障害のある方が職場で活躍している事例などを掲載しました。また、昨年8月から連載して注目を集めている「NOTE『はじめての精神障害者雇用』」(福島障害者職業センター所長相澤欽一執筆)全篇も掲載しました。さらに、事例のうちから、「アイテックス/アイコール」、「三菱商事太陽」の2事例を取材して映像を撮影し、当機構のホームページに掲載しています。この増刊号が、障害のある当事者の方、雇用の現場にいる方、そして支える方など、多くの方々に少しでも役立つことができれば幸いです。『働く広場』は、今後も障害者を含めたすべての働きたい人が働ける社会を目指して、努力していきます。

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