働く広場2019年4月号
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10働く広場 2019.4 テレワークによる障害者雇用を導入する場合、何のために導入するのか、その目的を社員全員で共有することが一番のポイントとなります。目的をきちんと理解してもらえれば、各所からの協力も得られ、取り組みやすくなります。そのためには、障害者雇用への取組みを、準備段階で周知することが重要です。そして「いつまで」に「何を」行うか、関係者全員が一目でわかるような計画表を作成し、それに基づき着実に進めていきます。募集から選考、雇用契約、業務の開始までは、予想より時間がかかることが多々あります。 テレワークにより雇用するためには、現状の業務を切り出しているだけでは、業務量が足りなくなる可能性があります。すべての業務を洗い出し、「テレワークで雇用できるようにするためには、どのように業務改善すればいいか」という視点で設計していくことがポイントです。 テレワークによる障害者雇用導入の最初の土台づくりとして「資料の電子化」、「社外からの安全なアクセス環境の整備」、「コミュニケーションのIT化」をしっかりと準備することで、可能な業務の範囲も広がっていきます。 テレワーク導入の手順は、規程やルールの検討・整備、さらにシステムやツールの検討へと続きます。「通信設備や通信環境は、基本的には企業側が整備しておく必要があります。セキュリティの観点からも、パソコンをはじめとする機器類は、企業側が貸与するケースが一般的です。通信環境に関しても、障害者雇用の可能性を広げるテレワーク最終回となる今回は、「テレワークによる障害者雇用」導入の手順をはじめ、具体的なツールの活用方法や、緊急時の対策について、株式会社テレワークマネジメントにうかがいました。テレワークによる障害者雇用の土台づくりVol.4(最終回)企業側がWi-Fiを貸与するケースが多いのですが、Wi-Fiがつながりにくい地域の場合、自宅の通信環境を利用するケースもあります。また、テレワークでは、コミュニケーションが非常に重要ですので、通常使用するコミュニケーションツールの不具合時に対応できるよう、別のツールも準備しておくと安心です」と、同社の障害者テレワーク雇用コンサルタントである倉くら持もち利り恵えさんはいいます。 次に、募集要項の作成と募集開始、さらに、社内研修の実施へと続きます。社内研修は、当該部署だけでなく、会社全体で行うことが望ましいでしょう。 そして次は、選考から採用、契約手続きです。応募者の書類選考や面接を経て採用者が決定したら、契約を結びます。 いよいよ雇用開始。検討中のソフト社員向け研修で「テレワークによる障害者雇用」への理解を深める障害者テレワーク雇用コンサルタントの倉持利恵さんテレワーク導入の手順ステップ1:募集職務の検討(業務の見直し)ステップ2:規程やルールの検討・整備ステップ3:システムやツールの検討ステップ4:募集要項の作成/募集開始ステップ5:社内研修の実施ステップ6:選考/採用/契約手続きステップ7:雇用開始(試用期間)ステップ8:定期的な振り返りのもと雇用継続参考資料:『障がい者の在宅雇用導入ガイドブック』     (厚生労働省)

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