働く広場2019年4月号
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11働く広場 2019.4声、映像で簡単にコミュニケーションがとれ、同じ空間で働いているような一体感がウェブ画面上で生まれるのです。 前回、ご登場いただいた同社の吉よし成なり健けん太た朗ろうさんも、北海道の病院に入院しながら「Sococo」にログインして、業務を行っています。障害者就労のコンサルティングをしている吉成さんは、このツールを活用するやサービスが複数ある場合、販売元に依頼して一定期間試用してみるのもよいでしょう。比較検討しながら、最適なツールを選ぶことが重要となります。 雇用後は、定期的に振り返りを行い、障害者がより働きやすいテレワークの環境づくりに努めます。 このように、人、仕事、職場にあった振り返りとフィードバックで、テレワークによる就労を定着させていきましょう。プロジェクトを進めるにあたっては、企業のトップがプロジェクトの責任者にもなっていると、大きな推進力となり、順調に進みます。「まずはやってみる」という姿勢でトライしてみて、課題が出たら、その都度それを解決しながら進めていくことが大切です。 同社では、「Sococo(ソココ)」という「一緒に仕事ができる」コミュニケーションツールを活用して業務を行っています。オフィスにいる社員も在宅勤務中の社員も、就業中は全員が「Sococo」にログインし、互いに声を掛けあったり、ウェブ上の会議室に集まったりします。文字や最新ツールの活用で、コミュニケーションもアップことで遠隔地の顧客との打合せにも参加でき、業務にも活かすことができているそうです。 ITスキルや障害特性、体力など、個人差が大きいため、必要な環境設備内容は一人ひとり異なります。障害者本人にもヒアリングを行い、障害の特性と必要な支援機器、支援内容を把握したうえで、環境整備を進めていくのが最善といえます。 昨今、地震をはじめさまざまな災害が各地で起こり、その際の業務インフラの対策にも注目が集まっています。特に、テレワークでの勤務時に停電などの緊急事態が起こった場合の連絡手段、補完体制を、会社として整えておくことが大事です。緊急時の連絡先と連絡方法を本人に伝えておくことはもちろん、家族や支援者がいる場合は、その方たちとも連携しておく必要があります。また、緊急時の対応については、定期的に訓練することも大切です。テレワーク就労における緊急時のインフラ対策についてテレワークマネジメントで採用しているバーチャルオフィス「Sococo」◎2018年9月に発生した 「北海道胆い振ぶり東とう部ぶ地震」の対応について〈株式会社テレワークマネジメント代表取締役田澤由利さん〉 弊社は東京都・北海道・奈良県にオフィスがあります。昨年「北海道胆振東部地震」が発生した際、オフィスのある北海道の北見市でも停電が起こり、ネット環境が起動しなくなりました。 当社は普段から密にコミュニケーションをとっていたため、災害発生時もスマートフォンなどで社員と連絡を取り合い、対応できました。まず、北見オフィスにかかってくる電話は、奈良オフィスに転送されるように設定し、顧客の業務対応を奈良オフィスで行ったのです。 普段からテレワークによる連携、良好なコミュニケーションを行うことが、いかに重要であるかが実証されました。また、オフィス分散は、リスク回避につながるということも改めて実感しました。

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