働く広場2019年5月号
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創業35年、回転寿司チェーン「スシロー」を全国に518店舗展開、運営している株式会社あきんどスシロー。4万人を超える従業員のうち、障害者224人(知的障害165人、発達障害25人、聴覚障害を含む身体障害19人、精神障害14人、そのほか1人、2019〈平成31〉年3月現在)が本社の雇用促進担当部署の支援を受けながら、各地の店舗で活躍している。高知県にあるスシロー高知朝倉店には、シャリづくりの名人がいる。彼は、入社して4年目の30歳。大学卒業後、発達障害(アスペルガー症候群)の診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得した。高知障害者職業センターや、就労サポートセンターかみまちの支援を受け、同店での食器洗浄業務などの実習を経て、2015年9月に採用された。入社して食器洗浄などの業務に就き一カ月ほど経ったころ、炊飯業務を担当することになった。当時の店長が、「慣れるまで時間がかかるが、炊飯業務は作業の流れがわかりやすく、見通しが立ちやすい。仕事がスムーズにできるようになれば、安定して働き続けられるだろう」と考えたためだ。こうして彼のシャリづくりがスタートし、名人と呼ばれるまでになった。現在、8時20分に出勤し、朝礼、手洗いの後、9時から作業を開始する。炊飯器1台で米5・6㎏(約500皿分)のシャリが、平日は12~14回(約70~80㎏)、休日には20~24回(120㎏前後)炊かれ、酢合せをしてできあがる。現店長の山岡聖也さんは「彼は店の大切な戦力です。シャリは、つくり手によって変わるもの。スピードと、ていねいさの両方が大事です」と期待は大きい。スシロー高知朝倉店自宅から、愛車のバイクで通勤店長の山岡聖也さんが見守る前で、ていねいに手洗いを行うスシロー高知朝倉店のシャリづくりを担当している16働く広場 2019.5

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