働く広場2019年6月号
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働く広場 2019.6沖縄大会ではメダルに届かなかったが、株式会社クボタの木き股また昌まさ俊とし代表取締役社長の激励訪問を受けるなど、社内で一躍有名にもなった。業務に張り合いが出て、手応えを感じている。「アビリンピックに出て結果を残したことで、自分のスキルを社内のみなさんにアピールできたと思っています。もっと磨いていくつもりです」白神さんの全国大会出場によって、ワークス社員の間でも一気にアビリンピックへの関心が高まった。次回アビリンピックの「オフィスアシスタント」競技には、白神さん以外に2人がすでに立候補、「ビルクリーニング」競技への参加にも10人が意欲を見せている。そこで今年からは社内選考会を実施することが決まったそうだ。 ワークスでは社員教育の強化にも力を入れている。まず「クボタワークスが目ざすこと」を四つ、社員に向けて提示した。①社員全員がクボタグループの一員としてイキイキと働ける会社づくり(会社に行くのが楽しい!)②社会のルール、会社のルール、仕事のルールが守れる風土づくり(良いこと、悪いことをはっきり)③社員全員が高い「やる気」を持って、新しい仕事に、新しい技能にチャレンジする人づくり(みなさんのやる気は大歓迎です)④チームワークの良い、仲間を思いやれる職場づくり(人が嫌がること、いじめや仲間外れは絶対しない)こうした指針をもとに全社員を集めた研修会を年2回行っている。昨年は初めて「ハラスメント」をテーマにした。この背景について、酒井さんは「社員が急激に増えたことで職場内の人間関係のトラブルもありました」と率直に話す。「個別に対応・指導をしてきましたが、何がいけないのかを全社員がしっかり理解し、意識を変えてもらう必要があると思いました」そこで「ハラスメント撲滅宣言」と題した「絶対に言うな! 3カ条」と「絶対にするな! 8カ条」を作成した。「言うな! 3カ条」は、①暴言 ②動物やほかの人(物)に例える ③相手が嫌がることを言う(家族や好きな人のことをしつこく聞く、触れてほしくないことをいじるなど)「するな! 8カ条」は、①殴る・ける・たたく・胸ぐらをつかむ ②人の体をさわる ③つきまとう ④仲間外れにする ⑤無視する ⑥断られてもLINEなどの交換をせまる ⑦しつこくLINEや電話をする ⑧写真をSNSに投稿しようとする実際に文言などを作成したのは、業務部長の日くさ下か剛よし辰ときさんだ。「何がハラスメントなのか、社員が理解しやすいようになるべく具体的な内容にしました。LINEなどはプライベートな領域ですが、職場で影響が出ることもありますから。職場内でもこの宣言内容を軸にして指導することができ、実際にトラブルもぐんと減りました」内容を忘れてしまわないよう、毎日の終礼で1項目ずつ読み合わせをするなど、「こういうことをしていませんか」と確認し合っているという。2019年からは「ゼロ災運動」をスタートさせた。もともとクボタグループで導入されている安全運動の一つ「安全人間づくり」に沿って、職場で安全に作業できるようにする取組みだ。壁に貼られた目立つ配色のポスターには、わかりやすいイラストとともに「元気よく挨拶する」、「手はいつもポケットの外」、「身の回りの整理・整頓・清掃をする」といった8項目の基本ガイドラインが示されている。グループ会社と同様、朝礼終礼には全員で「ゼロ災でいこう、ヨシ!」と唱和し、当番社員が1項目ずつ読みあげて、確認をうながしている。酒井さんは「私も工場にいたときから続けていましたが、みんなで一緒に大きな声を出すと、仕事への気持ちが引き締まりますし、一体感も生まれます」また、危険予知訓練も各事業所で行っている。どんなことが危険なのか社員同士で意見を出し合い、社内外での安全意「安全教育」や「ハラスメント撲ぼく滅めつ宣言」も業務部長の日下剛辰さん芦田しのぶさんは、社員と親しみやすい関係づくりを心がけていると話す朝礼終礼では、ゼロ災運動のスローガンが唱和される(写真提供:クボタワークス株式会社)10

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