働く広場2019年6月号
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迎えた複合施設だ。А棟の1階は相談支援部門。障害者相談支援事業、特定相談支援事業などを行うほか、基幹相談支援センター、障害者虐待防止センター、意思疎通支援事業など、大田区の障害者相談事業の中核をになう。2階は居住支援部門で、自立訓練(機能訓練と生活訓練)を展開。3階は地域交流支援部門として、視覚障害者向けに「声の図書室」を設置したほか、障害に関する情報を集約し、サポーターの輪を広げるため、さまざまなイベントも開催している。そして、4階に今回目ざす「大田区立障がい者就労支援センター」(以下、「就労支援センター」)がある。さらに5階には多目的室があり、多様な目的に応じて貸し出されている。就労支援センターは、「さぽーとぴあ」の就労支援担当部門として位置づけられ、「区市町村障害者就労移行支援事業」と「就労定着支援事業」をになう。さっそく、就労支援センターサービス管理責任者の山やま田だ達たつ也やさんと、就労支援員の広ひろ瀬せ健けん次じ郎ろうさんが迎えてくれた。まず就労支援センターの最大の特徴をうかがうと、社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会(以下、「育成会」)が業務委託に村障害者就労支援センターなどによる「定着促進」のための取組みとの連携のあり方が、今後さらに問われてくる。その際に、区市町村の障害者就労支援センターはいかなる機能を果たしていくべきか。改めて、今後の方向性を探りたいと思っていたところ、区と民間社会福祉法人の「協働」で支援を進める東京都大田区の取組みに出会うことができた。JR京浜東北線大森駅から2㎞ほど進むと、大森赤十字病院などの公共施設が立ち並ぶなか、「大田区立障がい者総合サポートセンター」が目に飛び込んできた。愛称は「さぽーとぴあ」。2015年3月に現在のА棟が開設され、2019年3月にB棟が完成し、グランドオープンを東京都の「区市町村障害者就労支援事業」として、区に障害者就労支援センターが初めて設置されたのは1998(平成10)年。その後着実な歩みを見せ、2019年3月現在、53区市町村、61拠点に設置されている。国の制度として、障害者就業・生活支援センターがあるが、東京都ではそのほか、区市町村障害者就労支援センターが身近な地域を基盤として、就労支援を展開している。地域に根ざした就労支援は、近年の障害者雇用率上昇の背景にもなっていると思われる。また、知的障害、精神障害、発達障害のある人々の就労に対する関心が高まるなか、生活支援と就労支援を一体的に提供する機能の充実が、ますます求められる。さらには、障害者総合支援法に基づく「就労定着支援事業」が2018年から開始されたが、就労移行支援事業所などの障害福祉サービス事業所等(※1)が行う「定着支援」や、障害者就業・生活支援センター、東京都の区市町総合サポートセンターの一翼をになう就労支援センター大田区との共同運営働く広場 2019.6大田区立障がい者総合サポートセンターサービス管理責任者の山田達也さん就労支援員の広瀬健次郎さん※1 障害福祉サービス事業所等:就労移行支援事業所、就労継続支援事業所(A型・B型)、生活介護事業所、障害者支援施設(就労移行支援・就労継続支援・生活介護を行うものに限る)、地域活動支援センター、小規模作業所のこと区立の障害者総合支援施設で就労支援を展開障害者相談支援事業所などを含む地域の就労支援ネットワークを構築多様な接点を活用した企業との連携を展開123POINT21

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