働く広場2019年6月号
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の窓口業務を行う部門へ。同じく大田区から来ている小こ林ばやし恵え里りさんが、楽天ソシオビジネス内で実習中だった。きりりとしたスーツ姿が実習に真剣に向き合っていることを感じさせる。回収したゲストカードをばらす作業に集中しており、午前中は、コンビニエンスストアの実習に取り組んでいたという。今後、どのような職業生活が彼女たちを待っているのか期待が膨らむが、思わず、さぽーとぴあのカフェベーカリーで、元気に働く姿を想像した。東京都の人口は推計で1386万人(2019年1月1日時点)であり、東京都の労働市場は大きく、雇用される障害者数も相当数に上る。そして大田区には、約73万人が暮らし、就労支援センターの登録者が訓練している楽天グループは、グループ全体の従業員数が1万7千人にも上る。こうした大規模な環境でも障害者の就労にあたって、そこに息づいているのはやはり、人と人とのつながりを基盤とした地域密着型の支援であった。就労支援機関と事業所との日ごろの連携や情報交換から関係性が生まれ、それが雇用・就労の実現の原動力になっていく。地域というのはその規模の大小ではなく、人と人が描く支援の輪りん郭かくに違いない。員。受付からエレベーターの案内に至るまで、社内では英語が飛び交っており、そこからもダイバーシティ(多様性)への取組みを実感する。昼食時間帯に、山岸さんに社員食堂を案内していただくと、多くの社員が談笑しながら食事を楽しんでいた。グループ全体の社員が利用しており、楽天ソシオビジネスのメンバーもここで昼食をとっている。食堂内には、毎日約3千人が来店するという社内コンビニエンスストアがある。楽天ソシオビジネスの社員は、レジ打ち、商品の陳列・補充、入荷商品のチェック、店内清掃、売上げ管理などあらゆる販売業務をになっている。また、店内で焼き立てパンを提供するベーカリーでは、生地の仕込み、成形、焼成などの製造業務にも障害のある従業員が力を発揮。しばらくレジ部門の様子をうかがっていると、現金の授じゅ受じゅはない。キャッシュレス化により電子マネーなどでのやり取りをする様子は、言葉によるコミュニケーションの制約がなく、確実なレジ打ち、販売業務を可能にする環境の一つといえる。ここでは、大田区内の支援事業所かて、より連携を強めていこうとする思いが伝わってきた。楽天本社ビル内には、約1万人が勤務している。そのうち約2割が外国籍の社楽天本社ビル内での実習取材を終えて働く広場 2019.6店内に設置されたオーブンでパンを焼き上げる楽天本社ビル内のコンビニエンスストアオフィス内でゲストカードのばらし作業を行う小林恵里さん 25ら来たSさんが︑熱心に実習に取り組んでいた︒ 続いて︑同じフロアにあるドライクリーニングの受付や︑社内のさまざまな申請

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