働く広場2019年6月号
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から切り出したものが少なくありません。結果的に障害のある人たちがともに取り組めるようになった業務もあり、互いの存在や立場を認め合う場にもなっているようです。各事業所ではイベントなども社員同士で一緒に楽しんでおり、「楽業偕悦」も浸透していると感じますね。中林 「あい」は、首都圏に点在していた17のグループ事業所のオフィス機能を集約させた「仙川キユーポート」に、仙川事務所をつくりました。メール便の配達や清掃業務などを行っていますが、グループ社員とオフィス内で出会う機会が増え、互いに名前を覚えたり、「挨拶がすばらしい」といわれたりします。障害特性によっては、人の出入りが激しい職場が苦手な人もいるので配慮が必要ですが、グループ社員解ができる機会をつくっております。 障害者雇用についても、多様性を正しく理解し、受け入れ、一人ひとりの個性を活かして活躍していただくものの一つだと思っています。中林 私は、浦田をはじめ本社役員が日ごろからよく「あい」を訪れて現場を肌感覚で理解してくれているなあと実感しています。障害のある人たちと会話や交流を重ねていくことで、彼らの働く場を〝特別なところ〞ととらえないでいてくれるのです。親会社の経営トップにいる人たちが、こんなふうに常に肌感覚で理解し臨んでくれていることが、グループ会社全体のダイバーシティを進めていくうえで、非常に大切なことであると思っています。と自然に馴な染じんでいけるような職場環境がもっと広がっていくといいなと思います。 「あい」の本社では、従業員はみなスーツ姿で一般社員とともに働いています。外部から訪問した人たちは、みんなが一緒になって仕事に取り組んでいる様子を見て、よく驚かれています。――キユーピーグループの今後の障害者雇用の展望をお聞かせください。浦田 いまは、障害者の雇用率を上げようとか、もっと人数を増やそうという視点では考えず、いろいろな個性をもった人たちが、その個性を活かして活躍できるグループになっていきたいと思っています。 現在、キユーピーグループではダイバーシティを推進しておりますが、それを進めていくなかで「まずは一人ひとりが多様性をもつ存在として、自分自身を磨いていこう」と話しています。さらに多様性を受け入れるために、一例ですが、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)やLGBT(セクシュアルマイノリティの総称)などについても、正しい理Leaders Talk働く広場 2019.6仙川キユーポートで「あい」の業務紹介を展示している(写真提供:株式会社キユーピーあい)障害者の働く現場を経営陣が肌感覚で理解5

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