働く広場2019年7月号
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働く広場 2019.7移行が円滑に進むような支援体制を整備しておくことも、障害者本人の就業・生活支援の観点から重要である。 ●中高年齢層の障害者については、体力等の低下や家族構成等も変化していく中にあって、当面の職務内容や配置転換、就業時間の設定等から、退職までの間の働き方全般、働くための土台となる地域での安定的な住まいや居場所づくりの確保等、職業生活全体を再設計していくことで、障害者本人、使用者側の双方にとって、長く安定的に働き続けることができるとともに、円満な定年退職等の時期を迎えられ、その後の人生も含めて、できる限り本人が自ら選択できる環境が整えられていくものと言える。 ●このため、中高年齢層の障害者本人が希望する場合には、企業にとって可能な範囲で、狭義の雇用管理の枠を超えて、その家族や自治体、地域の支援機関等の協力も得つつ、雇用している障害者本人との間で職業生活全般の再設計を丁寧に話し合う場を企業が整えていくような取組を拡げていくことが望ましいと言える。***  研究会では、これらの現状をふまえて、今後の雇用継続支援のあり方について、以下の意見が出ました。 ●障害者の長期的な雇用継続を図るためには、加齢による体力等の低下が見られる中で、できる限り事前の段階から本人の希望や適性等を踏まえ、体力等の制約の下でできる仕事への移行を目指していくとともに、中途障害の場合を含め、配置転換も視野に入れた職業訓練の促進等によるキャリア形成の促進を図ることが重要である。 ●雇用する障害者に対する適切な雇用管理や合理的配慮の提供を行うことはもちろん、例えば、グループホームにおける日常生活や健康上の管理の支援、地域活動における余暇活動の支援といった福祉との連携も重要である。加えて、障害者本人の体力が低下してくること等を踏まえると、企業がキャリア形成や配置転換等の環境整備を行った上でも、本人が希望する場合等には、福祉的就労へのていくことが重要となるでしょう。 次回から、高齢化した障害者従業員への対応を課題として取り組む企業の事例を紹介していきます。 こうした研究会の意見をふまえ、今後、働く障害者の高齢化が課題となる企業においては、中長期的に中高年齢層の雇用支援に関する取組みを推進し障害者の年齢別雇用者割合について(障害種別)     表中高年齢層の障害者に対する雇用継続支援のあり方参照:「平成25年障害者雇用実態調査」(厚生労働省調査)身体障害知的障害精神障害01020304050607080901000102030405060708090100010203040506070809010065歳以上55~64歳45~54歳35~44歳25~34歳~24歳%%%4.125.96.110.716.416.235.540.226.623.628.833.812.18.38.62.60.211

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