働く広場2019年7月号
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働く広場 2019.7利用者24人、朝9時のラジオ体操からカサ・チコの一日が始まるフランスのボルドー市で開催された国際アビリンピック・フランス大会(2016年)に出場した二にの宮みや裕ゆたかさん(28歳、右)と、会場で指導、激励する三山さん(左)週1回、アビリンピックに向けた練習をしている松まつ内うち宏ひろ幸ゆきさん(24歳、左)と、指導にあたる三みつ山やま哲てつ也やさん(右)アビリンピック世界大会に、連続3回(日本、韓国、フランス)、全国大会に8回、「木工」競技の代表選手を送り出している事業所が熊本市にある。社会福祉法人アバンセが運営する就労継続支援B型事業所「カサ・チコ」だ。2000(平成12)年、前身である共同作業所「手づくり工房カサ・チコ」が、保護者と有志らで立ち上げられた。スタート時の利用者に森もり本もと常つね公ひろさん(44 歳)がおり、その後、本ほん田だ哲てつ郎ろうさん(35 歳)が加わったという。2002年、2人はアビリンピック地方大会の木工競技に出場し、森本さんが金賞を、本田さんが銀賞を獲得した。2人は、「初めての競技会でハラハラドキドキの経験でした」、「入賞できてうれしかったです」と振り返る。「これが私たちのアビリンピックとの出会いでした。それからは全国大会出場を目ざして夢中でやってきました」と話すのは、木工技術の指導にあたる所長の三山哲也さん。熊本県立高等訓練校で木工技術を学んだ三山さんは、特注家具を製作する企業に入社。その後、別の企業で技術指導員として海外へ赴任したり、社会福祉施設での勤務などを経て、木工の指導者としてカサ・チコに加わった。三山さんの指導のもと、次回、愛知県で行われる全国大会に向けて、若手たちも練習に力が入る。取材の日、熊本市の中心街で開催された“おとなりマルシェ”では、アビリンピックの受賞者たちが製作した木工製品が並んだ。その高い技術力から、カサ・チコの木工製品は人気を呼んでいる。16

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