働く広場2019年7月号
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的でわかりやすい内容とした。この1年間では京セラ株式会社、中国電力株式会社などを訪問し、長岡市での設立を働きかけた。家老さんはUNEHAUSと夢ガーデンを核にして北きた荷に頃ごろ、一之貝、軽井沢の3地区にて農園芸で活性化する地域づくりをテーマに考え、北荷頃・一之貝・軽井沢集落連携促進協議会を組織し、事務局をUNEHAUSに置いた。UNEHAUSの活動に共感した、長岡市地域おこし協力隊の南みなみ博ひろ之ゆきさんは、UNEHAUSに常駐して北荷頃地区の地域おこしに奔走する。「UNEの活動が地域へ大きな輪になって広がっている」と南さんはいう。これら、UNEによる特例子会社の誘致活動などが、今後この地域の人口増や活性化の推進力になるよう期待している。小山カメラマンとともに私たちはUNEHAUSに泊まった。農家レストランのメニューは長岡市栃とち尾お名物のジャンボ油揚げ、車麩・ぜんまい・ふきのとうの煮つけ、山菜のてんぷら、れんこん・こんにゃくなどの入った「のっぺ」、白菜の漬物、大根キムチなどがお膳に並んだ。料理してくれたのは、近くに住むパートの中野ケイ子さん。孫8人、ひ孫6人、79歳の主婦が腕を振るった越後の家庭料理。おいしかった。アルコール度12%のどぶろくの生もいけた。ど15項目、就業に必要なこととして、報告や時間厳守など15項目を認識するようにできている。学科では土壌と肥料、病虫害防除、栽培計画、流通・販売などを学び、実技・実習では農機具の取扱い、施せ肥ひ・播は種しゅ、栽培を行う。このほか、稲刈り、地区の農業祭などにも参加。JA、農業改良普及センターなどから講師派遣を受けて、農家の人たちと一緒に作業をして話しながら教えてもらう。家老さんは「専門的、実践的な内容とし、立派な就農者を育成したい。農家の側から就農者へアプローチしようという数少ない試みです。農業の魅力、楽しさを体感し、自分に合った仕事だと思えるよう、詰め込み教育は避け、日程も余裕を持たせつつ、学んだことを振り返るなど、農業分野における働き方改革も一緒に考えたい」という。夢ガーデンに続く特例子会社誘致も継続している。最近では「障害者雇用に特化した特例子会社企業誘致のご案内」というパンフレットを作成した。「障害者雇用の義務化」、「特例子会社の定義」、「長岡市の立地」を紹介し、受入れNPO法人として「UNEの概要」を記載。特例子会社の運営プラン、農地の利用方法、障害者の募集方法などをもりこみ、具体業するUNEHAUSでは、身体障害、精神障害のある方など10人が、パートタイマーやボランティアとして活動している。米づくりからどぶろくづくりを行い、クロモジは薬用酒の原材料、お茶、ピローミストと展開。どぶろくはプロに負けない品質評価を得ることができ、クロモジは香りが商品力を発揮している。UNEHAUSを訪れる人たちへの直接販売、長岡市のJA直売所、新潟県内の土産物屋での委託販売、通信販売をしているが、まだ広がりに欠けるという。「全国で売れる商品となる素地はあるのですが、知名度をあげるには宣伝など企業のノウハウと資金力が必要で、パートナーとの連携などでこの壁を超えたい」と家老さん。越後のNPO法人が発掘し育てた商品の全国展開へ意欲を見せる。UNEHAUSの活動が注目されている点として、特例子会社誘致、特産品づくりのほか、就農訓練カリキュラムがある。就農訓練は市民ボランティア、障害者、生活困窮者ら、社会参加、就業、就農を目ざす人たちが、農園芸の基本的な知識と技能を習得し、地域社会で働き、生活する習慣を身につけることを目的としている。就農訓練カリキュラムに参加する人たちは、チェックリストにより、社会生活を営む基本的能力として、あいさつの励行な特例子会社の誘致活動働く広場 2019.7料理担当の中野ケイ子さん長岡市地域おこし協力隊の南博之さんクロモジを使った「ピローミスト」と「くろもじ茶」25

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