働く広場2019年8月号
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働く広場 2019.8常に声かけをする崎 正志さん(左)※本誌では通常「障害」と表記しますが、生活協同組合コープかごしま様の要望により「障がい」としています入社したばかりの平ひら田た真しん也やさん(21歳・右)と、毎日30分の振り返り。崎さんとともに、就労サポートセンターラシーネの職場適応援助者、孝たか志しゆまさん(左)も立ち会う朝礼時、従業員が互いに服装チェック鹿児島市にある「生活協同組合コープかごしま」は、「退職者を出さない」を目標に、障がい者雇用に取り組んでいる。かつては法定雇用率が未達成だったが、障がい者雇用を進めるため、2011(平成23)年6月に「障がい者雇用推進プロジェクト」を立ち上げ、障がい者雇用について他社の事例などを調査・研究し、各事業所の仕事の洗い出しを行いながら取り組んできた。そうしたなか、現場の障がい者雇用の担当者として崎さき正まさ志しさんが配属され、2012年に産直センターで、障がいのある3人を採用した。現在では35人(身体5人、知的20人、精神10人)が活躍しており、コープかごしま全体では70人が雇用され、障がい者雇用率は5・0%となっている。「退職者を出さない」ために、どんな工夫や努力をしているのか崎さんにたずねると、「入社して最初の1カ月は、毎日30分ほどの振り返りを、私と本人との個人面談で行います」とのこと。そして、1カ月後から3年目までは月1回、3年以上勤務している人は年2回、対象者が集まって「振り返りミーティング」を行います。「こうしてコミュニケーションをとることが、いちばん大切なことだと思っています」また、ともに働く社員のみなさんが障がいのある人への理解を深められるように、鹿児島障害者職業センターなどの専門機関を招いて、年1回「障がい特性学習会」を、年2回「家族の会」や「懇親会」などを開催して、支援体制を整えている。外部の支援機関との協力や連携も大切だという。「現場では、仕事を教えるときは速さを求めません。“3年で一人前にしていく”という方針でやっています。いままで病気による退職者はいましたが、みなさん、がんばって働いています」と崎さんは話す。16

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