働く広場2019年8月号
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月に発足した。その活動の一つに、法政大学をはじめ首都圏のさまざまな大学で行っている、発達障害のある大学生の「当事者会」がある。大学生活における日々のできごと、悩み、就職活動など、大学生ならではの情報交換の場になっている。二つめの活動として、発達障害の傾向がある学生が直面する"就職の困難さ"を解消するため、企業と連携した「キャリア見学会」を行っている。自分が将来働く姿を具体的にイメージできるよう、説明会形式ではなく、実際に働く現場を見学し、業務体験などを行うことで、「キャリア」に対する視野を広げてもらうことを目的としている。そこから発展し、学生と企業の両想いマッチングを目ざす企画も準備中である。三つめに「啓発活動」がある。これは、発達障害についての理解を深めてもらうことを目的として、発達障害の当事者の学生が自身の経験を話す、というものだ。同大学現代福祉学部の「若者支援論」と「障害者福祉論」の授業では、同大学の卒業生であり「BeU」の共同代表である小こ林ばやし暉めぐるさんが、発達障害の理解促進のための講座を開催しているという。「だれにでも"物をなくす"ことや、"道を間違える"などのミス、"コミュニケーの活動は、その多くが学生ボランティア(障がい学生サポートスタッフ)によって支えられており、障害のある学生と支援をする学生の双方が成長できるコミュニティづくりを目ざしています」と話していただいた。また同大学は、外部団体である「大学生発達障害コミュニティBビーユーeU」とも連携をしている。「BeU」は、「(発達障害の)特性が個性になる機会と環境を作る」をミッションとして、2017年の2「法政大学には現在、障害のある学生が112人[2019(令和元)年5月末時点、表3]在籍しています。﹃障がい学生支援室﹄では、こうした障害のある学生が、そのほかの学生と同じように講義を受講できるようにするための﹃講義保障﹄をはじめ、﹃学生生活支援﹄や﹃進路・就職支援﹄など、障害のある学生が社会へ出て自立することを目ざしてサポートしています。﹃講義保障﹄を中心とした支援室大学生発達障害コミュニティ「BeU」働く広場 2019.8法政大学ホームページより(2019年5月末現在)学生たちに講義するBeUの小林暉さん表3 障がい学生在籍状況障がいの種類在籍者数(人)市ヶ谷キャンバス多摩キャンバス小金井キャンバス通信教育部大学院計視覚障がい100001聴覚障がい4107012肢体不自由32015222発達障がい21672036精神障がい162013031その他5203010計5013740211222

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