働く広場2019年8月号
7/36

働く広場 2019.8ソフトバンクグループの物流部門が独立した「SBフレームワークス株式会社」は、青あお海み本社(東京都江東区)をはじめ3事業所(柏市・千葉市・大阪市)に物流拠点を持つ。このうち柏事業所を中心に、2009(平成21)年から本格的な障害者雇用が始まった。きっかけは障害者雇用率未達成の解消だった。2000年から社長を務めた現会長の中なか本もと浩こうさんが、自ら地元の就労移行支援事業所に電話をかけるなどして、旗振り役となった。障害者6人(知的障害3人、精神障害3人)からスタートしたが、いまでは社内全体で計12人(身体障害1人、知的障害8人、精神障害3人)となり、そのうち柏事業所には10人が配属されている。常用雇用労働者400人弱に占める障害者雇用率は3・6%(2019年5月現在)だ。柏事業所に所属する障害のある従業員が主に担当している業務は、通信機器(モデム)などの発送・返品処理業務。具体的には部材の仕分け、梱包部材の事前準備、返品の仕分け、梱包作業などとなっている。繁忙期にはどうしても人手が不足するため、臨時の派遣・アルバイト従業員や他部署の社員らも業務をサポートするなど、人員が流動的な職場だ。 つくばエクスプレス線 柏たなか駅から徒歩約15分。柏事業所は、GLP柏物流センターの1階部分7千坪におよび、毎日70人ほどの従業員が勤務している。現場は巨大な物流倉庫。山積みの段ボール箱やベルトコンベアーに囲まれた場所で、朝9時から障害のある従業員のチーム「はつらつ」の朝礼が始まる。「今日は、ぼくらの様子を文章で書いて雑誌で紹介してくれるということで、取材に来てもらっています。いつも通りにやってくださいね」と従業員に呼びかけていたのは、経営戦略本部人事・総務部の伍ご嶋しま善よし雄おさん。ソフトバンクグループで勤続34年、出版・営業・総務人事部などを経験し、2013年からこの現場で、障社長自ら旗振り役に巨大な物流倉庫障害特性にとらわれず、意欲があれば新しい業務に挑戦一般従業員もかかわるなかで、ナチュラルサポートを自然に形成実習生を頻繁に受け入れ、職場を刺激しメンバーの成長をうながす123通信機器(モデム)の発送業務で、説明書などを箱に封入する渡わた辺なべ 翼つばさ(31歳)さん柏事業所は、通信機器の発送・返品処理業務を行っている経営戦略本部人事・総務部の伍嶋善雄さんメンバーから慕われている伍嶋さん。笑顔で仕事への集中をうながす朝礼で、当日の作業内容、各自の目標などを確認する1POINT5

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る