働く広場2019年9月号
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働く広場 2019.9特別支援教育における就労支援の取組み文部科学省 初等中等教育局 特別支援教育課霞が関だりよ 改正障害者雇用促進法などの法的整備を背景に障害者の社会参加が進むなか、特別支援教育の教育現場でも、障害のある生徒の就職や職場定着を促進するための教育の充実に力が注がれています。ここでは、特別支援教育における就労支援の取組みの現状について紹介します。1 就職する特別支援学校卒業生が増加 特別支援学校の卒業生の進路を見ると、ここ十数年の変化として、平成16年卒業者と平成30年卒業者を比較すると、企業への就職者は20・4%から31・2%に増加しており、企業に就職する生徒が着実に増加していることがわかります(図1)。 これは、障害者を積極的に採用しようとする企業が増えていることの表れであり、最近はそうした雇用ニーズに呼応して、企業就労も目ざした特別支援学校高等部を設ける学校が見られるようになりました。2 キャリア教育・職業教育の推進 文部科学省においても、障害者の社会参加が進み続ける現状をふまえ、障害者の就労支援に向けたキャリア教育・職業教育の充実に取り組んでいます。 まず、平成31年2月に告示された特別支援学校高等部学習指導要領では、キャリア教育・職業教育の充実を目ざして、次の点が示されました。 ●学校においては、キャリア教育及び職業教育を推進するために、生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等、学校や地域の実態等を考慮し、地域及び産業界や労働等の業務を行う関係機関図1 特別支援学校高等部(本科)卒業後の状況70%60%50%40%30%20%10%0%平成30年3月卒業者 平成16平成17平成18平成19平成20平成21平成22平成23平成24平成25平成26平成27平成28平成29平成30(各年3月時点) キャリア教育及び職業教育に関して配慮すべき事項26区分卒業者 進学・教育訓練機関等就職者施設・医療機関その他計21,657人769人6,760人13,241人887人(3.6%)(31.2%)(61.1%)(4.1%)施設・医療機関就職者 その他進学者・教育訓練機関等出典:学校基本統計施設・医療機関 55.9%→61.1%に増加(平成16)(平成30)就職者20.4%→31.2%に増加(平成16)(平成30)その他(在宅等)16%→4.1%に減少(平成16)(平成30)進学者・教育訓練機関等 7.7%→3.6%に減少(平成16)(平成30)

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