働く広場2019年9月号
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働く広場 2019.9霞が関だよりとの連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設ける。●地域や産業界や労働等の業務を行う関係機関の人々の協力を積極的に得るよう配慮する。  ●生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科・科目等又は各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。●その中で、生徒が自己の在り方生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。その際、家庭及び地域や福祉、労働等の業務を行う関係機関との連携を十分に図ること。3 教育・労働などの関連機関・部局の連携 障害者の就労支援をさらに推し進めていくためにいま、教育・労働などの関連機関・部局の連携強化が強く求められています。 厚生労働省においては、障害者の雇用に関する労働関係機関と教育、福祉、医療など関係機関の連携について、都道府県労働局や公共職業安定所などにおいて特別支援学校などとの連携を一層強化するよう、厚生労働省職業安定局長より通達が出されました(平成25年3月29日に通達、平成29年4月3日に一部改正)。これを受けて、文部科学省では、教育委員会などに対し、本件通達の周知と、労働関係機関との一層の連携のもとに、障害のある生徒の就労に向けた職業教育、進路指導などの充実を図るよう通知を出しました。 また文部科学省では、平成29年度より、キャリア教育の在り方に関する研究も対象とした「特別支援教育に関する実践研究事業(新学習指導要領に向けた実践研究)」を実施しています。4 特別支援教育の生涯学習化 文部科学省では、平成29年4月7日付の文部科学大臣メッセージにおいて、障害のある方々が生涯を通じて教育、文化、スポーツなどのさまざまな機会に親しむことができるよう、教育施策とスポーツ施策、福祉施策と労働施策などを連動させながら支援していく「特別支援教育の生涯学習化」に向けての取組みを、今後より一層進めていくことを宣言しました。 具体的には、次のような特別支援教育の生涯学習化推進プランを策定しています(以下、抜粋)。●切れ目ない支援体制構築に向けた特別支援教育の充実 障害者の自立と社会参加に向けた取組のさらなる充実を図り、障害のある児童生徒等が十分な教育を受けられる環境を構築●特別支援学校等における障害者スポーツの充実 2020年に全国の特別支援学校でスポーツ・文化・教育の祭典を開催するための体制整備、特別支援学校等を活用した地域における障害者スポーツの拠点づくり等を実施●障害者の文化芸術活動の充実・生徒による作品の展示や実演芸術の発表の場の提供・生徒たちに対する文化芸術の鑑賞・体験機会の提供・障害のある芸術家による文化芸術の鑑賞・体験機会の提供 ●地域学校協働活動推進事業 「地域学校協働活動」を特別支援学校等を含めて全国的に推進し、障害のある子供たちの放課後等の学習・体験活動等を充実●学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業 学校卒業後の障害者について、学校から社会への移行期や人生の各ステージにおける効果的な学習に係る具体的な学習プログラムや実施体制、情報収集・提供、相談機能等に関する実証的な研究を実施キャリア教育の充実※「働く広場」では通常西暦で表記していますが、この記事では元号で表記しています27

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