働く広場2019年9月号
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働く広場 2019.9行けるまちづくりを推進できれば、諏訪にも人を呼び込めるのでは」と運動の広がりと自治体の支援に期待した。 「らくらく入店」の店舗は、原田さんデザインのロゴマークのステッカーで表示する。日の丸をイメージした赤い丸のなかで車いすの人がスロープを上っているデザインだ。趣旨に賛同しバリアフリーに協力する店舗には無料配布する。問合せは「諏訪市原田泰治美術館内」事務局へ。TEL:0266ー54ー1881  知的障害や発達障害などのある子どもたちが、病気や死別などで親がそばからいなくなっても安心して暮らせるようにと、法律や福祉などの専門家らがチームを組み「一般社団法人『親なきあと』相談室 関西ネットワーク」(大阪市)を立ち上げた。 メンバーは、税理士、社会保険労務士、保険会社のライフプランナーや、障害者施設の相談員ら10人。全員が障害者の家族や親族で、当事者の気持ちに寄り添いながら助言する。ワンストップで相談を受けつけると同時に、月1回のペースでセミナーを開き「お金」、「住まい」などのテーマごとに情報発信していく。   障害者の通所施設や障害者アートの展示場を運営する「社会福祉法人さくらんぼ共生会」(寒さ河が江え市)などは、利用者らが描いたイラストを広告とともにトイレットペーパーの包装紙にデザインし、企業の宣伝用品として販売する    「富士通株式会社」(神奈川県川崎市)は、音を光と振動で感じる装置「Ontenna(オンテナ)」を活用したイベント支援サービスを2019年7月から始めた。耳が聞こえなくても音を感じることができるため、聴覚障害者の生活を支援するほか娯楽イベントなどでの活用も見込んでいる。 オンテナは小型サイズの装置で、髪の毛や襟えり元もとなどにつけて使う。本体はマイクがついており、音の大小で振動する。コントローラーが音を拾い、複数のオンテナ本体に信号を送って同時に反応させる機能もある。価格は本体2万5千円前後、コントローラー3万円前後を想定している。富士通はイベント向けサービスとしてオンテナ30台を1日あたり税別20万円からレンタルする。企業や個人向けの販売は「富士通エレクトロニクス株式会社」(神奈川県横浜市)が行う。初年度は1万台の販売を目ざす。   岐阜県内で初の障害者用体育館となる「岐阜県福祉友愛アリーナ」(岐阜市)が6月にオープンした。車いすバスケットボールやボッチャ、シッティングバレーなど20競技に対応。隣接する障害者用屋内プール「岐阜県福祉友愛プール」とともに選手たちの練習環境を充実させた。障害者スポーツの推進や競技水準の向上を図る中核拠点として活用する。 館内は全面バリアフリーで冷暖房完備。視覚・聴覚障害者に配慮し、音声案内装置や文字表示ができるテレビモニターなどを設置した。性別の異なる介護者も利用しやすいよう家族更衣室も3室備えている。  京都市が多機能トイレの表示文を見直す。健常者の利用により、障害者が長時間待たされるケースが相次いでいるためで、利用者の良心に訴えかける従来の文章を改め、一般のトイレを利用できる人向けに「一般トイレを御利用ください」と明記する。公園や市営地下鉄駅構内の多機能トイレ588カ所で順次取り換える。 従来の表示文は、車いす利用者ら多機能トイレを必要としている人を例示し「思いやりの心をもって利用しましょう」と記していたが、利用者から「長時間待たされた後、中から健常者が出てきた」との相談が寄せられていたという。「緊急時はだれでも使っていただいていいが、譲り合う気持ちを持ってほしい」としている。各トイレの機能を絵文字で示したステッカーも作成した。  画家でグラフィックデザイナーの原はら田だ泰たい治じさんや、作家の鎌かま田た實みのるさんらが、店舗や施設のバリアフリー化を推進する「らくらく入店の会」を諏す訪わ市で結成した。まずは入り口にスロープを設置する店舗が1カ所でも増えるよう、この運動が全国に広がることを期待している。 原田さんらは「段差をなくしてだれもが買い物や食事を楽しむまちづくり」を構想。鎌田さんも「人生100年時代。障害があっても街に出て開発働く地方の動き生活情報振動と光で「音を感じる装置」支援サービス障害者アート 企業向けデザイン販売山形県内初の障害者用体育館オープン岐阜多機能トイレの表示見直しへ京都「親なきあと」相談室関西ネットワーク設立大阪原田泰治さんらバリアフリー推進の会を結成長野30

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