働く広場2019年10月号
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働く広場 2019.10けてしまったようで体調を崩しました。職場の保健師さんに相談したところ『いますぐ帰宅しなさい』といわれ、そのまま3週間ほど休職しました」復帰後は、時短の10時~15時15分から再スタートし、いまは10時~16時で勤務している。天候などによって体調に波が生じるため、午前中で早退したり、当日の朝に休暇申請することもある。休むときはメールで部員7人に一斉送信して伝えれば快く了承され、進行中の業務はメールなどで常に同僚と情報共有し、取引先との打合せも代わりに対応してもらえる態勢だ。書類にも、進捗状況がわかるよう「ここまで完了」などと付ふ箋せんをつけている。こうした業務上の工夫は、コールセンターで日々引継ぎをしていたころの経験が存分に活かされている。体調第一ということもあり、いまは契約社員のまま仕事を無事にこなしていくことを最優先にしているが、かつて上司からいわれた「だからといって正社員になることを諦めるのはよくないことだよ」という激励の言葉を心に留めている。体調維持のため、寝る前にストレッチなどをしながら体のセルフケアにも気をつけているそうだ。 もともと自衛隊職員だった皆みな川がわ大たい樹きさん(25歳)は、転落事故で両脚を負傷し、車いすユーザーとなった。職業能力開発校に通っていたところ、ハローワークの合同面接会に参加し、2018年ツムラに入社。1年目は人事部付きで、さまざまな社内の業務運営にかかわり、2年目となる今年4月に嘱託正社員となった。いまは健康推進課の上司(保健師含む)3人とともに、健康診断やセミナーなどの運営を担当している。通勤は、地下鉄2本を乗り継ぎ1時間半かかる。通勤ラッシュの時間帯を避けるため、勤務時間を7時半~16時15分にしてもらっている。雨のときはカッパを着て通うが、雪の日などは本社前の長いスロープを自力で上がれないため、「同僚にヘルプの電話を入れて迎えに来てもらいます」。普段から注意しているのは、やはり体調管理だという。「車いすユーザーの特性で、疲れやすく別の疾病にもかかりやすいので、日ごろから自分の疲労度を把握しておく必要があります。『どこまでなら無理がないか』と業務調整をし、休日を含めペース配分に気を遣っています」。皆川さんに、職場での1年余りを振り返ってもらった。「ツムラは、各部署に障害者が混在している点がよいと思います。職場ではみなさんと同じように仕事を任され、自分のレベルアップのためにやりがいを持って取り組めます。5年後、10年後を見据えて、キャリアアップをしていきたいですね」 茨城県稲いな敷しき郡にあるツムラの生薬研究所で研究職として働く小こ関せき雄ゆう太たさん(32車いすで7時半に出勤研究職として活躍標準物質グループのグループ長で薬学博士の五十嵐靖さん茨城工場に併設された生薬研究所健康推進課で働く皆川大樹さん。日々のお弁当販売の管理も行っている五十嵐さん(左)と、口の動きを見ながら打合せをする小関雄太さん(中央)8

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