働く広場2019年10月号
32/36

働く広場 2019.10クを使い、障害福祉サービスなどを行う市内の7事業所が生地の縫製などを手がけた。視覚・聴覚障害者に計2200枚を順次郵送し、避難所には約400枚を備蓄する。また、ストーマ(人工肛門や人工ぼうこう)の使用者で災害時に自宅持ち出しができなかった人のために専用装具を市立中学校27校に備蓄する予定。  大規模改修を進めていた「東京都障害者総合スポーツセンター」(北区)がリニューアルオープンした。2017年から改修し、200mトラックなどを備えた屋外運動場やテニス場が完成し、全館が利用できるようになった。 ボッチャなどに使える多目的室やトレーニング室などを備えた2階建ての棟を増設し、アーチェリー場を国際大会と同じ70mに拡張した。テニスコートを3面に、異性の介助者とも利用できる家族更衣室を4室に増やした。運動場とテニスコートには夜間照明が新設され、午後8時20分まで利用可能になった。   博報堂DYグループ(港区)の特例子会社「株式会社博報堂DYアイ・オー」(江東区)が、社員と博報堂のデザイナーの協働により、指文字と文字を組み合わせたフリーフォント「指文字フォント」を制作した。 指文字(日本式とアメリカ式)とカタカナ・アルファベット・数字を組み合わせ、フォントとして使えるようにデザインした。作成した印刷物やデジタルコンテンツ・ソフトウェアについて非商用の範囲で自由に使用できる。   参院選で筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者と脳性まひで重度障害者の2氏が当選したことを受け、参議院議院運営委員会の理事会は国会内のバリアフリー化を協議し、介助者の本会議場入場や代理投票、パソコンなど必要機器の持込みなどを認めることで合意した。 本会議場では、入口から近く車いすのまま入れるよう議席を設ける。医療機器やパソコンのための電源も設置。また「記名投票」で筆記できないときは本人の意思を確認したうえで介助者による代筆を認める。押しボタン投票や起立採決の際の挙手での意思表示も介助者が代理で行うことを認める。上着・ネクタイの着用は求めない。このほか国会の中央玄関にスロープを設置し、多目的トイレの増設なども検討している。 障害者の読書環境を改善する「読書バリアフリー法」が衆議院本会議で可決、成立した。正式名称は「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」。視覚障害者や発達障害者、本のページをめくるのが困難な肢体不自由者らが図書を借りる権利と買う自由を担保することを目的に、図書館によるサービス提供体制の強化、電子書籍の販売促進など9施策を明記した。 借りる権利については図書館の点字図書などを充実させる。また、インターネットを活用した電子書籍を借りる仕組みの利用促進を図る。 出版社が視覚障害者らにデータ提供する際の漏えい防止策や、著作権に関する合意形成などを国が助言する。国による優良企業の顕けん彰しょうも想定している。地方自治体に対しては基本計画をふまえた計画策定を努力義務とし、国が国会図書館や出版社、障害者団体などによる協議の場を設けることも義務づけている。  農林水産省は、障害者が農業の現場で働く「農福連携」を支援するため、障害者の特性などを就労先の農家などに助言する「農業版職場適応援助者(ジョブコーチ)」制度を2020年度にも創設する。研修用のカリキュラムを作成中で、受講者に修了証を渡すなど全国共通の運用を目ざす。 一部の自治体では独自に人材育成をしているが、研修内容に全国的な基準はないため、農林水産省は農業関係者に福祉の知識を、福祉関係者には農業の知識を身につけてもらう研修制度をつくる。都道府県や農協の職員らを対象に農福連携支援のための研修を行う予定で、そのカリキュラムを基に厚生労働省と協力する。必要な研修内容や日数など一定の基準をまとめるが、研修期間は座学や現場実習を合わせ一週間程度となる見込み。   船橋市は、視覚や聴覚に障害がある市民向けに、災害時などに着用して周囲に障害を伝えるバンダナを製作した。縦横各80㎝。背中に羽織ると「目が不自由です」、「耳が不自由です」などと書かれた大きな文字が見える。両端にホックを取りつけて、文字がゆがみにくくなる工夫をした。 市内の金属工業会社から無償提供されたホッ国の動き地方の動き生活情報国会内のバリアフリー化「読書バリアフリー法」成立障害者総合スポーツセンター改修終える東京指文字のフリーフォントを制作東京農業で働く障害者支援「職場コーチ」創設へ農林水産省聴覚・視覚障害者向けに災害時バンダナを製作千葉30

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る