働く広場2019年11月号
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などの血液検査の異常から疑われ、画像検査で特徴的な所見が認められた場合に確定されます。治療方法には、栄養療法や薬物療法などの内科治療が主体となることが多いのですが、腸閉塞や穿せん孔こう、膿のう瘍ようなどの合併症には外科治療が必要となります。栄養療法・食事療法は、栄養状態の改善だけでなく、腸管の安静と食事からの刺激を取り除いて、腹痛や下痢などの症状と消化管病変の改善をしていきます。病気の活動性や症状を抑えることができれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を続けることが可能です。(2)警備業とは「警備業法」に定められた警備業務は4種類あり、それぞれの業務ごとに詳細な業務内容と警備検定資格などが定められています。1号業務は空港保安・施設警備、2号業務は雑ざっ踏とう・交通誘導警備、3号業務は貴重品等運搬警備、4号業務は身辺警備です。警備業の教育制度は、さまざまな仕組みが確立されています。法定教育制度としては、30時間以上の新任教育のほかに、前期後期それぞれ8時間以上の現任教育が義務づけられています(2019年7月取材時)。また、警備員指導教育責任者制度では、営業所ごとおよび当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごと者にみられ、口こう腔くうにはじまり肛門に至るまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こり得ますが、特に、小腸末端部に発症しやすいとされています。それらの病変で腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じるのですが、病変と病変の間には正常な状態が続くことが特徴です。わが国では、クローン病の患者数は年々増加し続けており、2016(平成28)年度は約4万人の患者さんが登録されています。急増した背景には、内視鏡による診断法が向上したことや、この疾患に対する認知度が向上したことも関係していると思われますが、食事を含む生活習慣の西洋化の影響も大きいと考えられています。この病気の診断は、上記の症状や貧血筆者は、この「編集委員が行く」で、難病の人が働いている職場を継続的に取材してきました。今回は、クローン病の人が警備業務に従事している事例を紹介します。取材先は、長野県全域に事業所を持つ、株式会社全日警サービス長野です。まずは、クローン病と警備業についてみていきましょう。(1)クローン病とは 大腸と小腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を引き起こす原因不明の疾患を総称して「炎症性腸疾患」といいますが、厚生労働省が難病に指定しているクローン病も、この疾患の一つです。主として若年はじめに働く広場 2019.11雑踏警備、交通誘導を行う同社社員。警備業法で、これらの業務は2号業務と呼ばれる(写真提供:全日警サービス長野)体調を自己管理することで、警備業のような外勤作業でも働き続けることができる現場の理解と職場のちょっとした配慮によって継続的な雇用が実現自己管理と職場の配慮の相乗効果で、長く働き続けられる人材を育成123POINT21

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