働く広場2019年11月号
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そうな仕事に転職したいと思い、畑違いの分野ではありますが、ハローワークの紹介で警備員として入社を決めました。入社した直後は、仕事の内容はまったくわからなかったそうですが、多くの社内研修を経て現在に至っています。前職に比べて精神的なストレスは著しく軽減したのですが、前述の症状は定期的に発生しており、その都度、医者の指示で入院や休職をくり返していました。そして、昨年末に腸閉塞で入院して手術をした結果、初めてクローン病と診断されました。手術した後は、服薬と食事制限により症状は抑えられ落ち着いています。食事さえ気をつけていれば、日常生活にはまったく問題はなく、自己コントロールにより体調を維持できているとのことです。宮みや原はら照てる夫おさん(54歳)は、2013年に入社して現在6年目です。東京で生活をしていた20代のころに、下痢や発熱が続いたため診察を受けたところ、拒食症と診断されたそうです。その後、別の医師を受診し開腹手術した結果、クローン病と診断されました。治療のため実家のある長野に戻ったのですが、現在の会社に入社するまでの23〜24年間は無職でした。仕事をしたいとの思いはあったものの、他方で、「難病であることを言い訳に甘えていたかもしれない」とのこと。ご両親が亡くなって一人になっ前職はシステムエンジニアで、非常にストレスのかかる仕事に就いていました。当時から、疲れがたまってくると体調に急激な変化が生じて、頭痛、吐き気、下痢、血便の症状がくり返されたのですが、それがクローン病の症状とは知らなかったそうです。そのため、前職よりも精神的なストレスが少なく、体力的に耐えられ次に、クローン病に罹患しながらも常勤の警備員として勤務されている、二人の社員にお話をうかがいました。久く保ぼ田た昌まさ毅きさん(49歳)は、2009年に入社して現在10年目です。クローン病でも警備業に従事働く広場 2019.11「この職場で70歳まで働きたい」と目標を語る宮原照夫さん「疲れをためないように、体調管理に気をつけています」と久保田昌毅さん23

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