働く広場2019年11月号
26/36

入社時は短時間雇用の契約でしたが、ほぼ1年後には常用雇用に切り替えています。また、久保田さんは2017年に2号警備業務の資格も取得し、仕事が楽しそうな様子です。会社は65歳定年ですが、それ以降も勤務は可能です。そのため、「本人がキャリアアップを目ざすのであれば、当然、そのバックアップをしていきます」とのことでした。松本営業所の丸まる山やま英えい一いちさん(57歳)は、宮原さんの上司です。宮原さんは、入社後初の現場で丸山さんと一緒になったそうです。丸山さんも、クローン病についての知識はありませんでした。しかし、宮原さん自身は、ほかの障害のある人たちと比較しても症状が軽いために、全体としてはほかの社員と変わらず対応しています。「『これまで就職したことがない』と聞いていたのですが、仕事の態度はまじめですし、理解力も十分にあります」と丸山さん。もちろん、宮原さんも2号警備業務の資格を取得しています。しかし、雇用管理上の配慮をまったくしないということではないそうです。体力的に厳しい警備現場には送らず、単独では現場に配置しないようにしているとのことでした。(2)配慮していること上司の方々からは、さらに、警備業ののくり返しでした。現場に出ても腹痛のため座り込んでしまうなど、一人で任せることはむずかしく、正直なところ、シフトを組むのがむずかしかったそうです。しかし、周りの社員もフォローし、山﨑さん自身が病気を理解するにつれて、トイレ対応ができるよう人数の多いチームに配置したり、少量ずつ食事がとれるよう休憩時間の配慮をすることにより、徐々に体調が安定していったそうです。「現在では、体調の変化による波はほとんどなくなりました。警備の現場はチームで活動しますが、本人は非常にまじめな勤務態度ですし、また、体調の崩れで周りに迷惑をかけては申し訳ないという思いがあり、とても頑張っています。そうしたことから、いまでは、チームに欠かせない存在となっています」と山﨑さんは話します。たことを契機に、ハローワークの紹介で警備員として入社されました。嘔吐などの症状は30代まで続いていましたが、以降は安定しており、最近では「もう大丈夫かな」という感じだそうです。現在は、食事制限により刺激物や脂質の食物は禁止されており、月1、2回程度は症状が出るものの、それ以外はまったく普通の状態です。(1)勤務状況 このお二人の上司の方々にもお話をうかがいました。飯田営業所の山やま﨑ざき努つとむさん(34歳)は、久保田さんの上司です。久保田さんは、入社後も前職時と同様に症状が継続しており、そのため、入退院クローン病の社員の勤務状況と配慮事項働く広場 2019.11飯田営業所所長代理の山﨑努さん松本営業所所長代理の丸山英一さん24

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る