働く広場2019年12月号
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働く広場 2019.12れます(図1)。また、就労世代のどの年代にも、さまざまな難病の方がいます(図2)。就労の際は、それぞれの症状の特性をふまえた合理的な配慮が必要になります。 難病患者が就労する場合、疲労を蓄積させないよう休憩を取りやすくするなど、事業者も難病のある従業員の体調に配慮しましょう。さらに、事業者なるため、個別に確認が必要となります。難病のある従業員とよく話し合いながら、必要に応じて主治医や産業医などの意見も取り入れて、対応を検討しては難病がある従業員と定期的に面談するなど、症状や体調の変化が伝わりやすい環境づくりを行うことが必要です。そして難病のある従業員から配慮の申し出があった際、適切な休憩を確保するなど、より柔軟な対応が望まれています。症状や障害はさまざまですが、作業環境や作業内容を変更することで就業の継続が可能になることも多々あります。 必要な配慮は仕事内容や治療の状況を含め、難病のある従業員によって異難病の特性をふまえた、就労上の留意点いくことが望まれています。 次号からは、就労世代に多い難病について、具体的な配慮の例を交えながら紹介していきます。※出典:「平成29年度衛生行政報告例」平成29年度末現在(厚生労働省、平成30年)より作成 病 名20~29歳30~39歳40~49歳50~59歳60~69歳消化器系潰瘍性大腸炎12,90521,32230,53824,27920,391クローン病7,43210,01611,4816,3083,027免疫系全身性エリテマトーデス4,3869,22714,58011,64311,111ベーチェット病6791,8613,3342,9363,003神経系パーキンソン病261381,2235,18823,038脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)3769792,2043,2406,533(人)図1 就労世代に多い主な難病潰瘍性大腸炎、 クローン病● 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に、クローン病は小腸と大腸を中心として、消化管のどの部位にも慢性の炎症や潰瘍が起こりうる、原因不明の病気。● 主な症状に消化器機能の症状(腹痛や下痢、血便など)がある。● 薬物治療などの継続により普段通りの生活を続けることができるが、一時的に症状が悪化する場合があり、特にクローン病では入院を必要とする場合もある。一般に病気を理由に仕事を制限することはないが、過労や過度のストレスで増悪することもあるため、疲れを残さないよう注意が必要である。全身性エリテマトーデス ● 免疫機能に異常が生じ、自分自身の細胞を免疫系が誤って攻撃してしまい、全身にさまざまな症状が出る病気。● 主な症状に疲れやすさ、発熱、関節痛などがある。● 薬物治療の継続が必要で、日によって体調が変わりやすいという特徴があり、 精神的、身体的なストレスを避けることが重要である。 若年性パーキンソン病● 40歳以下の人に、運動機能に関する症状が出る病気。● 主な症状に振戦(ふるえ)、動作緩慢、姿勢保持障害(転びやすいこと)などがある。● 運動、睡眠、食事、服薬管理が日常生活で注意すべき基本事項である。健康維持のために適度な運動が必須。過度な安静や仕事の制限は、健康や体調維持の妨げとなる図2 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数、年齢階級・対象疾患別 消化器系免疫系神経系11

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