働く広場2019年12月号
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2学級の小規模な学校である。今年度から入学定員が3学級(24人)となった。入学選考があり、成績だけではなく、社会性と本人の想いを重視する。入学後は職業教育を重視し、社会性を身につけることを大事に考えている。そこでは、成人期の生活に必要な学習も大切にしているという。職業教育(作業学習)の授業では、「物掃検定と、指導いただいている企業より清掃技術を学んでいる。「アビリンピック」や「高知県特別支援学校技能検定」に参加しており、今年7月に開催されたアビリンピック高知大会の「ビルクリーニング」に出場し、金賞を受賞している。訪問時には、生徒のみなさんが学校周辺の清掃をしながら道具の基本的な扱いを学んでいるところであった。また、作業の体験として、フードビジネスの授業を受け持っている「学校法人三谷学園RKC調理製菓専門学校」に出向いて、定期的に窓拭きやトイレ清掃をしており、その授業の様子を案内していただいた。生徒は徒歩で20~30分程度の専門学校まで移動をして、清掃に取り組む。専門学校の先生方からは、生徒のみなさんの挨拶や返事がすばらしいとの評価をいただいた。また、清掃は、1年生と2年生がペアを組んで、上級生が下級生を教えるような仕組みになっており、先生方はジョブコーチ的に指導・助言をする役割をになっている。先生方は「先輩は後輩に教えることで学びがさらに深まる」と話す。取材のためか生徒たちはやや緊張気味であったが、仕事の学び方を身につけるという点では、よい方法である。専門学校の先生方によると、彼らのていねいな清掃は、学生たちに障害者と仕事へ流実務」、「環境サービス(清掃)」、「フードビジネス(食品製造・接客)」の学習をしている。各授業では、先述した「ジョブ・サポーティング・パートナーズ」により、地域の企業や団体から、職業自立に向けた専門的な技術や知識を学べるよう、外部専門家を活用している。「物流実務」では、企業の助言を受けて、物品の整理・整頓などの基本から、パソコンを利用して実際の流通管理・在庫管理の応用力を身につけている。また、この作業班では封筒を製造しており、自校の封筒製造以外に教育委員会から受注し、製造・納品していることが特徴である。封筒の品質は高く、評判がよいとのこと。受注作業であるため、生徒には顧客意識が生まれ、品質にも意識が向く。そこで、封筒の出来具合の検品があり、3段階の評価基準を設けている。このことが品質を高め、生徒の目標になっているところがよい。「環境サービス」では、やはり企業の助言を受け、ビルメンテナンス協会の清働く広場 2019.12ケーキづくり、パソコン学習と、それぞれの作業学習に取り組む生徒たち「物流実務」を学ぶ学校近くのRKC調理製菓専門学校へ出かけ、窓拭き、トイレ清掃などの作業をする高知みかづき分校の生徒たち22

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