働く広場2019年12月号
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働く広場 2019.12 重度障害者が倉敷市の街を気軽に楽しめるようにと、重症心身障害児者(以下、「重症児者」)をサポートする小児科医らでつくる「倉敷地区重症児の在宅医療を考える会」が、「重度重複障がい児(者)の幸せを願う会 『ますかっと』」などから外出に役立つ情報を集め、観光マップをつくった。 痰たんの吸引など医療的ケアが必要な重症児者は、大人用のおむつ交換台や広い洗面台を備えたトイレ、大型エレベーター、車いす専用駐車場がない施設には行けず、外出をためらう傾向にある。 マップでは、美観地区と児島地区の二つのモデルコースを紹介。入り口にスロープのあるカフェや、おむつ替えに簡易ベッドが利用できる施設、平たんな道で車いす利用者らの負担が少ないエリアなどを掲載している。主な施設のエレベーターの寸法や車いす用駐車場の台数も掲載した。倉敷市観光休憩所、同市総合療育相談センターで無料配布する。 配管資材メーカーの「株式会社オンダ製作所 関工場」(関市)は、岐阜市にある「一般社団法人光陽福祉会」の事業所内に、重度の知的・精神障害のある人を雇用し、製品組立て作業を行う子会社「なないろ製作所」を設立した。 オンダ製作所関工場は光陽福祉会と2017年に業務提携を結び、就労移行支援事業所などに作業を委託していた。設立した子会社には、これまで作業にたずさわってきた男性5人が就職した。同法人の利用者も社員とともに職業訓練として作業に取り組む。来年春の特例子会社化を目ざしている。 日本ソーシャルワーク学会副会長で日本社会事業大学教授の大おお島しま巌いわおさんらが、『ピアスタッフとして働くヒント 精神障がいのある人が輝いて働くことを応援する本』(星和書店刊)を出版した。 メンタルヘルスの領域において脚光を浴びている「ピアスタッフ」について、現場の「ピアスタッフとして働きたいけど不安だ」、「何から始めればよいかわからない」、「ピアスタッフを雇いたいが具体的にどうすればいいか」といった声に応え、専門家や当事者らが、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすく説明。ピアスタッフの現状や歴史的背景、制度などに加え、現場の思いや葛藤など生の声も収録されている。A5判280ページ、2400円(税別)。 視覚障害者向け機器の開発・販売などを手がける「株式会社アメディア」(本社・東京都練馬区)は、「一般社団法人音声ナビネット」と、音声ガイド地図の本格的なシステム構築と普及を目ざして「音声ナビ・プロジェクト」を始めた。目の不自由な人たちも外出しやすいよう、音声を使った地図と歩行ナビゲーションのインフラを整備する。開発と運営をアメディアが担当し、無料利用できる形で公開する。 技術的には音声ナビ・アプリの「ナビレコ」や、地図作成の編集ソフト「ナビエディット」を活用。公開ウェブサイト「ナビ広場」で作成者がアップロードするとそのまま掲載され、ナビレコ・ユーザーでなくても自由に参照できる。「みんなで作り、みんなで使う」をモットーにした音声ガイド地図を実現するため、現場を周知する人によるコメントや、作成してほしい地図のリクエストなどの書き込みを広く呼びかけている。また同社では、音声ガイド地図作成の普及のため講習会なども行い、活動に参加できる人を募っている。問合せ先:株式会社アメディアhttp://www.amedia.co.jp/電話 03-6915-8597重度障害者向けに観光マップ岡山オンダ製作所が障害者雇用する子会社設立岐阜働く地方アビリンピック検索茨城広島佐賀茨城県、広島県、佐賀県*部門ごとに開催地・日時が 分かれている県もあります*  の県は開催終了2019年度地方アビリンピック開催予定12月~1月本紹介『ピアスタッフとして働くヒント⦆ 精神障がいのある人が輝いて働くことを応援する本』みんなで作り、みんなで使う「音声ナビ・プロジェクト」31

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