働く広場2020年1月号
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働く広場 2020.1ポップコーンをつくる沖田さん。「ポッパー」という装置にコーンとオイルなどを入れ(上)、攪かく拌はんしながら加熱すると(中)、香ばしいポップコーンが次々と弾けてゆく(下)「彼らには、自分のペースで一歩ずつ成長していってほしい」と話す中島一さん「キャラメライザー」という装置で、さまざまなフレーバーに味つけするポップコーンの製造・販売を行う「株式会社Dドゥリームズreams」が運営する「ポップコーンパパ」。「美味しいポップコーンでたくさんの笑顔とHAPPYを創りたい」という想いで、ポップコーン専門店第1号の「天保山店」が、1990(平成2)年にオープンした。大阪市にある水族館「海遊館」に隣接した商業施設「天保山マーケットプレース」の一角にあり、店内は多くの観光客で賑わっている。一日に約800食分のポップコーンを製造する同店舗で働く沖おき田た悠ゆう樹きさん(23歳)には、発達障害がある。計算が苦手で忘れごとが多いため、仕事を一つひとつ区切ることで、失敗をなくすよう心がけているという。アルバイトを経て社員となった沖田さんは、「『つくる』ということが大好きなので、毎日が楽しい」と笑顔で話す。「障害に理解のある会社で、サポートもしてくれるので、働きやすいです。アルバイト中に障害があることを打ち明け、社員になりたいと社長に相談し、快諾してもらえた」と語ってくれた。また、入社4年目の髙たか橋はし宏こう輔すけさん(31歳)も、実習を経て社員になった一人だ。現在は、大阪市内の4店舗と倉庫の間を配送車で行き来し、材料などを運ぶルート配送を担当している。髙橋さんの配送がないと店舗は営業できなくなるほどの重要な役割だ。髙橋さんは、うつ病と広汎性発達障害があり、ストレスをためないよう無理をせず、健康管理に気をつけているという。「今後は、材料を運ぶだけではなく、材料の計量や混合など仕込みの分野でも活躍したい」と弾けるような笑顔で話してくれた。ポップコーンパパUCW(ユニバーサル・シティウォーク)店(大阪市)の店長で、社内の人事も担当している中なか島じま一はじめさんは、「障害者雇用のきっかけは、2013年に就労支援施設から実習を受け入れたことでした」と話す。当初は不安もあったが、整理・整頓・清掃の「3S活動」や、表示・標識に配慮し器具の配置や収納場所などを工夫した結果、障害のあるスタッフでも働きやすい職場となり、現在では社員・アルバイト55人のうち5人の障害者が活躍している。16

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