働く広場2020年1月号
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働く広場 2020.1チェックできる「ご本人用チェックシート」があります。結果は集計表にまとめることができます(図2)。  発達障害者の職業上の課題については、見えている現象だけではなく、その背景について考えることが重要です。そのような考えのもとWSSPでは、これまで情報処理過程の枠組みに発達障害の障害特性を配置した「情報処理過程におけるアセスメントの視点(Ver.9)」によるアセスメントを実施してきました。今回の開発では、その内容を再検討し、より活用しやすく 障害者職業総合センター職業センターでは、発達障害のある方を対象とした「ワークシステム・サポートプログラム(以下、「WSSP」)」を実施しながら、発達障害の特性に応じたきめ細かな支援を行うための技法の開発を行っています。 発達障害の多様な特性をふまえた支援を実施するためには、個々の特徴を正確にアセスメントし、それに基づくきめ細やかな支援を実施することが必要となります。そこで、実際の支援現場で日常的に活用していただくことを念頭に、その目的、内容、実施方法、留意点、支援事例などを、支援マニュアル№18「発達障害者のアセスメント」(図1)としてとりまとめましたので、使用方法、実施上の留意点などについてご紹介します。〈アセスメント方法の紹介〉  発達障害の障害特性の現れ方は個人差が大きいといわれています。そこで、障害特性の見逃しを極力減らすため、「広く、浅く」特性を収集できる「特性チェックシート」を開発しました。 このチェックシートは、本人や保護者など、記入者に発達障害の特性に関する特別な知識がなくても記入できるように、日常的な場面での出来事をイメージしやすい質問構成にしています。また、発達障害の診断を受けていない方などでも使用しやすいように、発達障害という言葉は使用していません。特性チェックシートには、生育歴・相談歴などを把握する「保護者用チェックシート」、コミュニケーションと気になる行動について整理する「保護者・支援者用チェックシート」、感覚・運動・不注意・学習スキル・自己理解・職業スキルなど、障害特性に関する全10項目について、当事者が自分で発達障害者のワークシステム・サポートプログラム発達障害者のアセスメント障害者職業総合センター職業センター特性チェックシートア情報処理過程におけるアセスメントの視点︵Ver.  10︶イ28図1図2 特性チェックシート集計表

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