働く広場2020年1月号
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働く広場 2020.1改善した「情報処理過程におけるアセスメントの視点(Ver. 10)」を作成しました(図3)。情報処理過程シートは、①「情報処理の流れ(受信【入力】→【処理】→送信【出力】)」、②それに応じた「発達障害者の特徴を表す項目」、③「改善の必要があること、困っていること」で構成しています。 情報処理過程シートを用いることで、行動の背景には発達障害の特性が存在していること、その特性のさまざまな項目について確認でき、受講者の特性を一つのシートに図式化することができます。全体像が見える化されることで、互作用のなかにある」という視点で問題をとらえ、望ましい行動を増やすにはどうしたらよいかについて考えることができます(図4)。   行動/環境アセスメントには、なぜそのような行動・思考をするのかをアセスメントするための「行動/環境アセスメントシート」、アセスメント結果に基づいて、どのような支援を行うのか整理するための「支援方法検討シート」、支援者の視点から支援状況を整理し、支援内容を振り返るための「支援者視点アセスメントシート」があります。 アセスメントは、支援を必要とする発達障害者本人のことを、本人を取り巻く環境を含めて「理解」することを目ざしています。発達障害の障害特性は「生まれつきの特性」であり、それ自体によいも悪いもありません。「仕事をしたい」と考え、就職や復職をしようとしたときに障害特性が何らかの支障となる場合にのみ、支援や対処を行う必要が出てきます。そして、意味ある支援や対処を行うには、何が強みになるのか、どこが支障となるのか理解する必要があります。本支援マニュアルが活用され、発達障害の理解促進につながり、就労支援の充実が図られることを期待しています。 支援マニュアル№18「発達障害者のアセスメント」は、障害者職業総合センター研究部門のホームページに掲載しています(※1)。また、冊子の配付を希望される場合は、当職業センターに直接ご連絡ください(※2)。すでに確認できていることと、まだ確認できてないことが整理されます。未確認の項目にはクエスチョンマークを書き込むなどして、未確認の部分に注目して対象者を見ていくと、より対象者理解が深まります。  就労支援者は、職業上の課題改善のため「原因の推測」、「具体的な支援方法の検討」、「支援の実行」が求められます。そこで、問題の原因推定と具体的な支援方法を考えるための具体的なアセスメント方法として、「行動/環境アセスメント」を開発しました。このアセスメントは、「問題の原因は個人ではなく、個人と環境の相※1 支援マニュアルNo.18は、http://www.nivr.jeed.or.jp/center/report/support18.html からダウンロードできます※2 障害者職業総合センター 職業センター TEL:043-297-9043  http://www.nivr.jeed.or.jp/center/center.html〈まとめ〉行動/環境アセスメントウ29図3 情報処理過程シート図4 行動/環境アセスメントシート

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