働く広場2020年2月号
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働く広場 2020.2インの試飲コーナー。社会福祉法人が運営する就労継続支援B型事業所「小牧ワイナリー」(愛知県小牧市)のブースだ。40人ほどの利用者たちがブドウ栽培からワインづくり、販売まで手がけているという。関係者は「2015年に本格オープンさせ、少しずつ畑も増やしてきました。平均工賃は月4万5千円ですが、目標は月10万円です。カフェも併設しているので遊びに来てください」と呼びかけていた。 大学の研究室もブースを出していた。「椙すぎ山やま女学園大学」の生活科学部生活環境デザイン学科の滝たき本もと成なり人ひと研究室は、ユニバーサルデザインに関する研究論文や車いすユーザー向けの観光マップ、補助器具などを展示。片手だけで指輪をはめたり、ネックレスをつけたりする器具について実演しながら説明してくれた女子学生は「手の不自由な私の祖母のためにと考案したものです。来場者から『売ってみたら』と助言されました」と手応えを感じていたようだった。  アビリンピックとともに開催される「障害者ワークフェア」は、障害者雇用にかかわる展示や実演などを通して来場者に理解と認識を深めてもらうイベントだ。今回は約140の事業所・団体が、︿職場紹介エリア﹀、︿就労支援エリア﹀、︿能力開発エリア﹀、︿特設コーナー﹀に分かれて出展した。各ブースでは障害者が実際に働いている職場や、仕事の様子をパネル・DVD、実演・体験などで紹介するほか、自社製品の展示・販売なども行っていた。手づくりのお菓子や雑貨、木工品なども販売され、盛況だった。 会場の一角で目を引いていたのは、ワ 特設コーナーでは毎回恒例のビューティーアップセミナーやものづくり体験教室などのコーナーが賑わったほか、パラリンピック種目のボッチャ体験、聴導犬・介助犬の紹介イベントなども好評だった。    アビリンピックの閉会式は、競技が続く技能五輪よりも一日早く行われた。アビリンピックの大会会長である当機構の和田慶宏理事長は挨拶で、「技能五輪と同一会場での開催となった今大会は、素晴らしい施設と心温まる応援のなかで技能を競う盛大な大会となりました。持てる力を余すところなく発揮し、取り組まれたみなさんのひたむきな姿は、多くの人々に大きな感動と勇気を与えました」と選手をねぎらった。 厚生労働省の定じょう塚づか由ゆ美み子こ人材開発統括官の来賓挨拶に続き、成績発表と表彰式が始まった。種目ごとに努力賞・銅賞・銀賞・金賞が発表されるたびに会場のあちこちから歓声が起きた。ステージ中央の表彰台で大村秀章愛知県知事らが一人ずつメダルをかけた。また、今大会に参加した都道府県選手団のうち、女性選手の活躍が顕著だった愛知県・栃木県・宮城県の3選手団には、愛知県から「女性の活躍賞」が贈られた。 全国アビリンピックは来年も愛知県閉会式を終え、イメージキャラクター「アイチータ」と記念撮影ステージで行われた介助犬のデモンストレーション ワークフェア内「職場紹介エリア」のブース障害者ワークフェア2019の会場閉会式定塚由美子人材開発統括官閉会式障害者ワークフェア2019月1117日(日)9

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