働く広場2020年2月号
18/36

働く広場 2020.2身性エリテマトーデス」の場合は、過労や寒冷な場所での業務を避け、症状悪化の兆しがある場合は、早めに休息をとり受診することが大切です。また関節痛や筋肉痛が起きやすいため、業務内容や量、体調に合わせた業務時間の調整も必要です。受診日に確実に休みを取得できるような配慮も重要です。さらに、個々によって症状が現れる部位が異なり、症状に応じて配慮する内 「全身性エリテマトーデス」は、免疫機能に異常が生じ、自分自身の細胞を免疫系が誤って攻撃してしまい、全身にさまざまな症状が出る病気です。主な症状として、疲れやすさ、発熱、関節痛などがあります。薬物治療の継続が必要で、日によって体調が変わりやすいという特徴があり、精神的、身体的なストレスを避けることが重要です。 「ベーチェット病」は、口腔粘膜のアフタ性潰かい瘍よう、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の四つを主症状とする慢性再発性で、全身性炎症性の病気です。この病気は主症状が多様であるため、すべての病状に対応できる単一の治療があるわけではありません。個々の病状や重症度に応じて治療方針を立てる必要があります。日常生活においては、全身の休養と保温に気をつけて、ストレスの軽減に努めることが重要とされています。  事業者側が配慮すべき点として、「全難病のある人と就労免疫系の代表的な二つの難病免疫系の難病について配慮すべき点Vol.3免疫系の代表的な難病について 前回に続き、難病のある人が就労するために必要な難病への理解と配慮すべき点について、この連載の監修者である河かわ津つ博ひろ美みさん(北九州市難病相談支援センター 難病支援担当・保健師)が支援した事例などを交えて紹介します。今回は、免疫系の代表的な難病である「全身性エリテマトーデス」と「ベーチェット病」についてまとめました。出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター調査研究報告書No.103「難病のある人の雇用管理の課題と雇用支援のあり方に関する研究」(2011年)より抜粋• 専門的・技術的職業従事者(製品開発、実験助手)(27.8%) •一般事務従事者(総務、医療事務、顧客情報管理)(19.4%) •様々な事務従事者(経理事務、入出荷事務)(11.1%) •パーソナルコンピュータ操作員(11.1%) •サービス職業従事者(生活支援員、喫茶店接客)(5.6%) • 一般事務従事者(総務事務、OA 操作)(23.8%) •看護師(准看護師を含む)(6.3%) •社会福祉専門職業従事者(保育士、ケアマネージャー)(4.2%) •経理事務員(4.2%) •様々なサービス職業従事者(理容師、給食調理)(3.7%)• あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師(38.9%)•一般事務従事者(講習会の企画、医療事務等)(16.7%) •管理的職業従事者(代表取締役、事務局長)(11.1%) •販売従事者(レジ、保険業務のサポート)(11.1%) •様々な専門的・技術的職業従事者(布教伝道者)(5.6%) •様々な事務従事者(生産管理)(5.6%) • 様々な専門的・技術的職業従事者(水門の設計開発、 システム運用開発、看護師、税理士、翻訳者等)(22.0%) •様々な事務従事者(総務・人事、自営業の庶務・会計等)(10.0%) •販売店員(園芸店、スーパー、書店等店員)(10.0%) •管理的職業従事者(会社社長、農業団体役員等)(8.0%) •その他の専門的職業従事者(塾講師、行政書士等)(8.0%) •一般事務従事者(経理・求人面接、事務兼労務)(6.0%) 疾患名全身性エリテマトーデス手帳有手帳有手帳無手帳無ベーチェット病 現在、就労している職種の具体例(比較的多い職種)図表 疾患別の現在就労している職種の具体例(疾患名別・手帳の有無別の中の割合)16

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る