働く広場2020年2月号
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働く広場 2020.2●パソコンデータ入力/パソコン操作/ ワード・プロセッサ/表計算 知的障害のある人が対象の「パソコンデータ入力」は、アンケートの入力・ワープロ文書の修正・帳票の作成(各30分)の3課題で、入力の速さと正確さを競う。追おい分わけ啓けい至じさん(富山県)は3回目の全国大会。職場では、資材チェックや製品の積み替えなどを担当し、パソコンの練習は自宅で続けてきた。「今回はミスをせずスピーディーさを心がけ、やれるところまでがんばりたい」と意気込む。 視覚障害のある人が対象の「パソコン操作」(100分)は、Excelなどを用いた3課題。5回目の全国大会だという菅かん野の夏なつ紀きさん(千葉県)は、就労継続支援B型事業所に長年通っていたが、30歳を過ぎて就職することを決心。2019年から医療機関で働き、会議の議事録のテープ起こしなどを担当している。「医療用語など少しむずかしいところもありますが、毎日忙しく充実しています」と話す。職場ではアビリンピックを知っている人がほとんどいなかったため、今年は大会の様子を動画に撮ってみんなに紹介するそうだ。 事務の現場で欠かせない「ワード・プロセッサ」の課題は、和文文書の作成(80分)と英文文書の作成(60分)の二つ。書式設定や作図・グラフィック活用などの機能を使いこなす技術が求められる。特別支援学校に通う鹿しか内うち翼つばささん(宮城県)は、小学校1年生のころからパソコンを触り「ゲーム感覚でタイピングを上達さです」と笑顔で話していた。 「製品パッキング」の課題は、90分以内に緩衝材を組立て結束し、組み立てた小箱・中箱・化粧箱とともに外箱にセットして梱包するというもの。藤ふじ本もと恵けい翔しょうさん(山口県)は特別支援学校時代から地方大会に挑戦し、3回目で全国大会に。会社では清掃が主な仕事のため資材を取り寄せ、自宅で練習を続けてきた。「最初で最後かもしれないので、力を出し切りたいです」。 今大会の種目のなかで最多となる46人が参加した「ビルクリーニング」は、カーペット床清掃(7分以内)と弾だん性せい床ゆか清掃および机上清掃(10分以内)の2課題。初出場の諏す藤どう優ゆうさん(北海道)は、特別支援学校を2019年に卒業し、飲食店で働いている。「本番では緊張し、やり忘れた作業があることに競技中に気づいてしまいました」と暗い表情だったが、応援していた友だちや学校の先生たちに「今後の仕事で活かしていこう」と励まされていた。 幅広い接客業務に通じる「喫茶サービス」(1人あたり60分程度)は、4~5人程度のグループごとに実技。串くし田だ颯はや人とさん(新潟県)は、職場のカフェ店舗で試飲サービスやバックヤード作業などを担当。「競技では、周りの人たちの動きなども参考にして、自分の成長につなげていきたいです」と語ってくれた。「オフィスアシスタント」で銀賞を受賞した脇阪春香さん(和歌山県)「オフィスアシスタント」田中明日香さん(愛媛県)「製品パッキング」藤本恵翔さん(山口県)「喫茶サービス」串田颯人さん(新潟県)「パソコン操作」菅野夏紀さん(千葉県)「ビルクリーニング」諏藤優さん(北海道)「パソコンデータ入力」追分啓至さん(富山県)「ワード・プロセッサ」鹿内翼さん(宮城県)5

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