働く広場2020年4月号
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働く広場 2020.4同僚の木き原はら光みつ正まささん(中央)は、阪本さん(左)が仕事の悩みなどを気軽に相談できる相手だこれまでは、がんばりすぎて体調を崩すこともあった阪本さん(右)だが、現在は一日4時間勤務。「この働き方が合っている」と話す2019(令和元)年11月、愛知県で開催された全国アビリンピックに、最後の挑戦として臨んだ選手がいた。大学在学中に統合失調症を発症後、独学でホームページ制作を学び、2009(平成21)年の全国アビリンピック茨城大会に初出場を果たし、挑戦を続けた阪さか本もと祐ゆう介すけさん(35歳)だ。2014年の全国大会「ホームページ」種目で銅賞を受賞。2017年、2018年には、全国大会の同種目で銀賞を受賞するが、金賞には届かず悔しい思いをしてきた。最後の挑戦として臨んだ2019年の全国大会。結果は「金賞の該当なし」のため、最上位となる銀賞を受賞した。「金賞が獲れなかったので素直には喜べないが、結果には満足している。今後はアビリンピックでの経験を活かして、仕事をがんばりたい」と語った。阪本さんは、2018年5月に「株式会社U&U」に入社。当初は、データ入力作業などを行っていたという。「最初は遠慮もあった」というが、データ集計作業を工夫して、社内で簡単に情報共有ができるようにするなど、次第に持ち前のパソコンスキルを発揮した。2019年11月からは、クリエイティブ事業の立ち上げに参加し、甲府市内のレストランのホームページ制作などを担当した。ホームページ制作の技術は、独学で学んだということもあり十分な自信がなかったが、アビリンピックで認められたことで自信につながった。レストランのホームページは、クライアントの要望に応えつつ、使いやすいデザインを目ざして制作したという。また、同年1月からは、同僚向けに、MOS(※)資格を取得するための講座で、講師も務めている。阪本さんは「講座で使用する資料も自作しています。教えるということは、自分の持つスキルの再確認にもつながり、より高いスキルを身につけることにつながります。やりがいのある仕事を任されて毎日が楽しいです」と語る。また、「いつもの仕事を“競技”として競い合うことは、とても刺激的な経験です。ぜひアビリンピックにチャレンジしてほしい。仕事も競技も生きがいになります」と、アビリンピックを目ざす後進にアドバイスする。※ワードやエクセルなどの利用スキルを証明する資格、マイクロソフト オフィス スペシャリスト16

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