働く広場2020年4月号
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ティ)を理念として掲げています。富士電機フロンティアも、この理念を踏とう襲しゅうして、障がいのある社員の職業人・社会人としての自立に向け、日々、育成・指導に取り組んでいます。具体的な取組みとしては、次の三つがあります。第一に、目標管理制度の導入と資格などの取得を目ざすことがあります。個人目標の面談結果などから本人の意向をふまえて、現行の職種の経験を積んだ障がいのある社員に対して、新たな職域へのチャレンジなどのキャリアアップを進めています。第二に、資格などの取得と実地訓練(OJT)があります。面談結果などをふまえて、例えば、印刷・製本の部署で作業経験を積んだリーダーを務める障がいのある社員に対して、さらなる印刷技術の習得などのキャリアアップを進めています。第三に、リーダー制の導入や、障がいのある社員主体による業務の実施があります。現場に指導員を配置せず、一定のキャリアを持つ障がいのある社員からリーダーを選任し、リーダーが中心となり現場業務を管理する体制にしています。こうした、親会社と特例子会社の障がい者雇用にかかわる基本的な理念や方針、あるいは具体的な目標を背景として、特に、知的障がいのある社員の加齢現象に対する予防と対策が進められています。今回の訪問では、これらの点につい平均年齢は31・2歳です。同社の業務は大きく三つに分けられます。①オフィス関係⋮メール集配・郵便、製本・印刷PDF化、受付補助、資材発送、レイアウト設営。②清掃関係⋮清掃(事務所、トイレ、風呂、介護施設、保育所、給茶機、コーヒーサーバーなど)、緑化・除草。③製造支援⋮刻印、箱詰め・袋詰め、部品組込み、ネジ締め、組立、台車運搬、基板試験など。そのほか、検収受付(フォークリフト作業含む)、環境測定、クリーニングなども行っています。 親会社の富士電機では、障がい者雇用の方針として、CSR(企業の社会的責任)の順守と社会貢献、ノーマライゼイションの実践、多様な人材の活用(ダイバーシ ﹁株式会社富士電機フロンティア﹂は、﹁富士電機株式会社﹂の特例子会社として1994(平成6)年に設立されました。全国に10事業所2分室を設け、全従業員202人のうち152人が障がいのある人で、その大半は知的障がいです。また、企業の概要と経営理念(1)企業の概要(2)障がい者雇用の理念と取組み働く広場 2020.4代表取締役社長の小形秀夫さん管理部長の川田直幸さん川崎事業所業務課長の金田豊子さん早期老化予防のための具体的な取組みを実施…体力の維持に向けた筋力トレーニングやラジオ体操、計算問題や漢字書き取り、ヘルスチェックなど雇用継続のための雇用管理を工夫…指導員の採用、親会社との緊密な関係、能力開発と技能検定、配置転換と工程改善など雇用継続のための生活支援…生活相談、家族支援、働く意欲の醸成123POINT※本誌では通常「障害」と表記しますが、株式会社富士電機フロンティア様の要望により「障がい」としています21

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