働く広場2020年6月号
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型事業所の利用者を、働く現場で能力開発を進めてA型事業所へステップアップさせ、一般就労へつなぐ取組みを始めていた。変化の過渡期に対して、よりよい社会づくりに向け、「世に先駆けて解決していくにはいまだ」と新たなチャレンジを決断したのだった。同社では2016年に構想立案、2017年に準備着手、2018年に社員説明、2019年に実施。実施前から一緒に働いていた太陽の家の支援員・指導員もA型事業所の23人とともに、オムロン京都太陽の製造課へ移籍した。移籍と同時に障がい種別の多様化に対応し、製造課にジョブコーチ・精神保健福祉士を配置、職場内のコミュニケーションの円滑化のため相談・支援体制を充実させた。A型事業所から、オムロン京都太陽に一般就労した人たちの声を聞いた。なります」という。リーダーたちは動画を導入したり、手話やタブレットを活用し、伝達、確認、改善、効率、相互理解の推進に懸命だった。送り出す側である太陽の家の京都事業部本部長を務める佐さ藤とう光みつ博ひろさんは、「本人の希望を確認し、ていねいに面談をくり返し、採用試験に23人が合格しました。A型事業所の使命は一般就労へのステップアップです」と力強く話した。同じ太陽の家の京都事業部事業・支援課で課長を務める西にし山やま英ひで樹きさんは、「障がい者の多様化に対応し、2020年4月に精神・発達障がい者を対象とした就労移行支援事業を立ち上げ、1年間で一般就労へつなげる多様なプログラムを始めます」と意欲的にチャレンジしている。そのプログラムは、B型事業所、A型事業所から就労移行支援事業所へつなぎ、訓練を通して技能技術を身につける養成コースになっている。社長の三輪さんは、「私たちの会社の使グループリーダーを務める本もと村むら智とも之ゆきさん(41歳)は、「身体、聴覚、精神、発達障がいなど、多様な障がいのある人と健常者が協調して働くのが私のグループです。作業はハンダづけ、組立て、検査などですが、作業のレベルや特性に応じて、人財を適切に配置することで、作業者が協調し、集中して根気よく働き続けられるよう、各リーダーはラインを管理し、日々改善しています」と話す。また、リーダーを務める田た中なか伸のぶ樹きさん(55歳)は、「オムロングループの一員としてがんばりたいという気持ちで1年が経ちました。仕事上のルール、企業人として守ることなどをもっと勉強したいです」と語る。同じくリーダーである北村ゆう子さん(48歳)は、「私はその日の仕事の割りふり、朝礼、日報、情報提供、作業指導などを行っています。同じラインの流れで仕事が進むので、情報がうまく伝わり、共有でき、行動できているかが、ポイントに一般就労した人たちの声働く広場 2020.6作業工程を説明するリーダーの田中伸樹さん(中央)担当するラインを紹介するグループリーダーの本村智之さんオムロン京都太陽 製造課のフロアでは、タイマーなどの各種電子部品が製造されているリーダーの北村ゆう子さん太陽の家 京都事業部本部長 佐藤光博さん太陽の家 京都事業部事業・支援課 課長 西山英樹さん22

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