働く広場2020年6月号
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働く広場 2020.6省 庁ハローワーク等に配置する職場適応支援者を増員し、支援体制の強化を図る。また、厚生労働省においても、障害特性に応じた個別支援、障害に対する理解促進のための研修等を行う。1 ハローワークにおける「チーム支援」等の実施による支援の充実・強化﹇予算額 3、852(3、561)百万円﹈ (1)障害者雇用ゼロ企業等に対する「企業向けチーム支援」の実施﹇予算額 638(485)百万円﹈ 障害者の雇用経験や雇用ノウハウが不足している障害者雇用ゼロ企業等を中心とする法定雇用率未達成企業に対して、企業ごとのニーズに合わせた支援計画を作成し、求人ニーズに適合した求職者の開拓等の準備段階から採用後の定着支援まで一貫した「企業向けチーム支援」を実施し、企業の障害者雇用を支援する。(2)「障害者向けチーム支援」の実施等によるハローワークのマッチング   機能の強化       ﹇予算額 1、 883(1、 774)百万円﹈ハローワークが中心となり、地域の関係機関等と連携して、就職から職場定着まで一貫した支援を行う「障害者向けチーム支援」を実施し、障害者の就職を支援する。また、就職準備性を高めることが必要な障害者を対象に、一般雇用に向けた心構え・必要なノウハウ等に関する「就職ガイダンス」や、管理選考・就職面接会を積極的に実施する。(3)雇用分野における〝農福連携〞の推進 ﹇予算額 43(5)百万円﹈農業事業者等に対して、ハローワークによる積極的な求人開拓や障害者雇用に係るノウハウ提供の強化等のアウトリーチ型支援を展開するとともに、農業分野への就職を希望する障害者に対して就職から職場定着まで一貫した支援を実施する。(4)福祉、教育、医療から雇用への移行推進事業の実施﹇予算額 342(326)百万円﹈福祉、教育、医療から雇用への移行を推進するため、福祉施設、特別支援学校、医療機関等の地域の関係機関や事業主団体・企業と連携しつつ、職場実習を総合的かつ効果的に実施する。特に、中小企業における職場実習の推進を図る。また、就労支援セミナー、事業所見学会等の機会の充実、ハローワークが中心となった企業と福祉分野の連携促進事業の推進等を図る。2 安心して安定的に働き続けることができる環境の整備﹇予算額 9、714(10、020)百万円﹈ (1)障害者就業・生活支援センターの機能強化﹇予算額 8、375(8、349)百万円﹈就業面と生活面の支援を一体的に実施する「障害者就業・生活支援センター」において、設置環境が整った地域において新たにセンターを設置するほか、引き続き、地域の支援機関等に対して蓄積したノウハウを提供するなど、地域の就労支援拠点の質的向上を図る。【施策の概要】 障害者雇用に関する状況を見ると、直近の平成30年度においては、ハローワークの新規求職申込件数、就職件数ともに過去最高となっており、引き続き、障害者の就労意欲の高まりが見られる。障害者の雇用者数も、平成16年以降、16年連続で過去最高を更新している。また、令和元年の実雇用率も2・11%と8年連続で過去最高を更新し、雇用の量的側面については着実な進展が見られる。 一方で、平成30年、公務部門においては多くの機関で障害者雇用率制度の対象障害者の不適切な計上があり、法定雇用率が達成されていない状況であったことが明らかになった。 こうしたことから、公務部門においては法定雇用率の達成に向け障害者雇用を積極的に推進する必要がある。 あわせて、就労を希望する障害者についても、多様化が進んできており、その希望や特性等に応じた働き方を実現していくためには、雇用の質に着目した取組も必要である。 具体的には、各府省等が法定雇用率を速やかに達成するために、障害者雇用に対する理解の促進や採用に向けたマッチング支援、今後特に重要となる職場定着への支援を一層推進していくことが必要である。 また、平成30年4月に、精神障害者の雇用の義務化に伴う法定雇用率の引上げが行われたところであるが、中小企業の中には障害者を全く雇用していない企業(障害者雇用ゼロ企業)も多い状況にある。中小企業における障害者雇用が進み、身近な地域で働く選択肢が確保されることは、障害者が希望や特性等に応じた働き方を実現していくための重要な要素であると言える。 さらに、近年、雇用者数や就労希望者数が大幅に増加している精神障害者については、一般に職場定着に課題を抱えるケースが多く見られること等から、雇入れ支援に加えて、雇用された後の職場での定着支援についても更に充実・強化することが求められている。 上記の状況を踏まえ、令和2年度予算においては、 ①公務部門における障害者の雇用促進・定着支援の強化 ②中小企業をはじめとした障害者の雇入れ支援等の強化 ③精神障害者、発達障害者、難病患者等の多様な障害特性に対応した就労支援の強化を主要な柱として、障害者に対する就労支援及び定着支援の充実・強化を図る。1 公務部門における障害者の雇用促進・定着支援の強化 ﹇予算額 461(343)百万円﹈公務部門における障害者雇用を推進するため、各府省等向けのセミナー・職場見学会等を実施するとともに、雇用する障害者の定着支援を一層推進するため、障害者に対する就労支援の推進 ~令和2年度障害者雇用施策関係予算のポイント~厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課/人材開発統括官 参事官室(人材開発政策担当)令和2年度予算額 27、102(26、996)百万円※括弧書きは前年度(令和元年度)予算額※本誌では通常西暦で表記していますが、この記事では元号で表記しています26Ⅰ公務部門における障害者の雇用促進・定着支援の強化Ⅱ中小企業をはじめとした障害者の雇入れ支援等の強化

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