働く広場2020年7月号
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働く広場 2020.7 障害者の法定雇用率(2・2%)を達成できていない複数の企業の利用を想定し、10人程度が業務可能なシェアオフィスのイメージで、一般的なICT(情報通信技術)を利用できる作業環境も整える。利用する企業に対しては、専門家がテレワークに適した障害者向け業務の切り出しについて助言などを行う。労務管理や緊急時の対応のための支援員も常駐。事業は民間に委託し、利用料の2分の1を県が助成する。 システム開発大手の「株式会社インテック」(富山市)は、視覚障害者支援のスマートフォンアプリ「これなにメモ」を公開した。知りたいものにスマートフォンをかざすと、同社の画像処理技術で何を撮影しているかを音声で読み上げる。アップルのアプリ配信サービスで無償提供する。 例えば、クレジットカードなどを事前に撮影しアプリに情報を登録しておくと、利用者は次回以降にスマートフォンのカメラで写すだけで何のカードかわかるようになる。知りたいものの一部でもカメラでとらえれば画像を認識。机などを写すと低いゆっくりとした音を流し、カードやCDなどを写すと高く速い音を出して撮影を補助する機能も持たせた。 「株式会社D&I」(東京都千代田区)は、愛知県安あん城じょう市しと、テレワークする障害者の雇用に 国土交通省は、新幹線の新たなバリアフリー対策の基本方針を発表した。すべての新幹線に車いす利用者がグループで乗車できる「車いす用フリースペース(仮称)」を設けるほか、販売方法の改善も図る。JR各社とは既に基本合意しており、早期実現を目ざす。 車いす利用者らが参加する実証実験を通じて席数や車内のレイアウトを検討。既存の座席を取り外すなどして、グループで快適に利用できるスペースを設け、車いすのまま窓際まで移動できるようにする。夏ごろまでに省令やガイドラインを改正する方針。改正後に導入される新車両は設置が義務化され、既存車両は努力義務となる。 また、電話や窓口での事前申込みが必要だった車いす対応座席の販売方法も、インターネットでの申込みを可能にするほか、車いす対応座席を当日でも車いす利用者用に確保して、優先的に購入できるようにする。 山形県は、県内の障害者就労施設の利用者がつくった製品を販売する「障がい者就労施設商品カタログ」を4500部作成した。26施設の135品目の逸品を写真つきで紹介し、商品の販路拡大を図る。 カタログはA4判カラー刷り20ページ。千円未満から3千円以上まで価格帯ごとに分けた。県産米粉と大豆粉でつくったクッキーや、無農薬栽培し加工した一味唐辛子のほか、ジャム、ワイン、巾着、木製三輪車など多彩な商品がそろう。商品カタログは県内のコンビニや各総合支庁の窓口などで無料配布。県のホームページでも閲覧できる。 静岡県は、農業分野での障害者雇用を進めるため、雇用する農業法人側と人材を供給する障害者施設側とのマッチングを行うワンストップ窓口を設け、「農業版ジョブコーチ」を育成する。「農福連携」推進事業として、農業分野の人手不足解消と障害者の雇用促進をねらう。 農業版ジョブコーチは農業法人と障害者の間に立って、作業内容の切り分けや業務指示の具体化などについてアドバイスする。さらにJAとハローワーク、県の関係機関が連携し、共同で「農福連携ワンストップ窓口」を設置。農業法人の求人情報を障害者施設に開示してマッチングを行うほか、農家と障害者との交流の場もつくる。障害者には農業分野で就労するだけでなく、積極的に地域活動にもかかわってもらえるよう必要な環境整備を行う。 福岡県は「テレワーク」(在宅勤務)による障害者雇用を増やそうと、支援員が常駐するコワーキングスペース(共同利用型の仕事場)の開設に乗り出す。民間企業が一定期間、低額で利用できるようにし、柔軟な働き方の導入を後押しすることで、企業の人手不足解消や障害者雇用率の上昇につなげる。生活情報働くスマートフォンで読み上げ インテックが視覚障害者支援アプリ富山農業で障害者雇用ジョブコーチ育成静岡共同オフィスでテレワーク後押し福岡国の動き地方の動き新幹線に車いす用フリースペース国土交通省障害者が手がけた135品目カタログを配布山形D&I、安城市と障害者のテレワークに関する包括連携協定締結30

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