働く広場2020年8月号
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働く広場 2020.84回ほど受けている。このヨガは、発達障害や協調運動障害のある人の療育や機能統合を目的とするもので、自分でイメージした体の位置や動き(自分の身体がどこからどこまであって、どう動かすか)が認知しやすくなるという。「意識的に深呼吸をすることも、心身のストレス軽減にとても有効のようです」 本社を含めたドコモグループ16社は、各社ごとに法定雇用率を達成することを目ざしている。そこでハーティは、グループ内の障害者雇用にかかわる採用・定着支援業務にも力を入れているという。グループ各社で働く障害のある社員や同僚、上司からの仕事上の相談を一手に受けつける窓口を2016年に設置。障害者雇用にかかわる行政報告や申請などの事務処理も代行している。相談窓口では精神保健福祉士や臨床心理士も常駐して対応しているが、設置当時から「窓口に来る時点で、すでに大きな問題になっていることが少なくなかった」そうだ。そこで、社員のメンタルの不調や悩みなどを少しでも早くキャッチして対応できるよう、職場での気分や体調、仕事やほかの人とのかかわりを毎日チェックする日報システム「就労定着支援システムSエスピスPiS」(※1)を導入し活用している。現在はハーティのみ遠隔での定着支援強化を図っているが、今後グループ各社で展開する予定だ。グループ各社で進めている障害者雇用についても、人事担当者が異動しても現場支援がスムーズに引き継いでいけるよう、就労支援機関との顔つなぎや定期的な担当者との面談などでサポートしている。 ハーティのホームページには、トップページに「障がい者情報サイト ハーティサロン」というコーナーへのリンクがある。ここには、障害者本人やその家族、関係者に役立つ、さまざまな情報が掲載されている。例えば、障害者が自立して生活するために必要な福祉サービスや制度、実際にグループホームやシェアハウスを取材した様子などが動画でわかりやすく伝えられている。ほかにも、「一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会」常務理事兼事務局長の又また村むらあおいさんの動画による情報発信やコラムなど盛りだくさんだ。なかでも目を引くのは漫画「ハーティ推進室の日常」。これまでハーティで実践されてきたことやエピソードをもとに、障害特性の理解や仕事でのトラブル回避、指示の伝え方などを1話ずつコミック形式で解説している。「最初は、社員に理解を深めてもらうために社内配信していたものですが、広く一般にも公開することになりました。ストーリーを楽しみながら読める内容です。障害者の雇用環境を少しでも改善するのに役立ててもらえたらいいなと思っています」 ホームページには、漫画をさらに解説する「英社員のひとりごと」というコラグループ会社の支援コミックや動画の配信も在職中に発達障害と診断「障がい者情報サイト ハーティサロン」 https://plushearty-salon.com/ ハーティでは、SPiSと呼ばれる日報システムを活用している(写真提供:株式会社ドコモ・プラスハーティ)はなぶさ※1 就労定着支援システムSPiS:精神障害などでメンタルケアが必要な方の特性に合わせ、評価項目を設定できる日報システム8

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