働く広場2020年8月号
12/36

【図表1】各支援機関で支援を受けている障害者の特徴働く広場 2020.8Q 2ざしている障害者の多くは、ハローワークに求職登録しています。 ハローワークでは、トライアル雇用、職場適応のためのジョブコーチ支援などの活用と、さまざまな機関と連携した相談・支援なども行っており、求職者・事業主の双方にとって活用するメリットがあります。 ただし近年は"売り手市場"になりつつあるといわれ、ハローワークに求人票を出して待っているだけでは、なかなか紹介されにくい状況です。まず近くにどんな支援機関や特別支援学校があるかを調べ、実際に訪ねて担当者と情報交換するとよいでしょう。職場見学・実習などを行い、双方の直接的な連携を含めた能動的な採用活動が効果的です。採用方法や面接時において、留意すべきことは何でしょうか。A 障害特性を考慮しつつ、一般的な採用方法︵面接・試験︶で選考するとよいでしょう。雇用管理の配慮事項も確認しておきましょう。 障害特性や個々の状況について、事前に確認しておきます。一般的な配慮事項は次の通りです。◆視覚障害:試験場所までの移動手段やバリアフリーの状況の確認、試験用紙の点訳や拡大コピーの対応、読み取りに時間を要するため一般の募集より長い試験時間の確保など。◆聴覚障害:口話・手話・筆談のどの方法で面接するかの確認、聞き取りやすい場所の確保、説明事項の板書、手話通訳者の手配など。◆肢体不自由:試験場所までの移動経路やバリアフリーの状況の確認、どこに行けば人材を確保しやすいでしょうか。A ハローワークを中心に、さまざまな支援機関と連携することをおすすめします。 障害者の支援を行っている機関は数多く、それぞれ特徴があります(図表1)。そして各機関を利用しながら就職を目第4回第4回はじめての障害者雇用はじめての障害者雇用 全6回予定の第4回目は、雇用側の採用活動がテーマです。「どこに行けば人材を紹介してもらえるか」、「選考方法はどうするべきか」、「面接では何を聞けばいいか、採否のポイントは」といった、日ごろから多く寄せられている質問に応える形で、障害者雇用の関係機関や支援機関、面接時の留意点、採用判断のポイントなどをできるだけ具体的にご紹介していきます。(協力)中央障害者雇用情報センター     障害者雇用支援ネットワークコーディネーター 礒邉豊司さん、内田博之さんクローズクローズアップアップAQ 1A支援機関障害者の特徴地域障害者職業センター○地域障害者職業センターで職業相談・職業評価・職業準備支援を 受けている○職業評価や職業準備支援などにより本人の人柄や能力は把握さ れている○ハローワークにも求職登録をしている人が多い○大都市圏では精神障害者や発達障害者の利用が顕著障害者就業・生活支援センター○就業上の支援、またはそれに加えて就業にともなう日常生活上の 支援を必要としている○知的障害者・精神障害者の利用が多く身体障害者は比較的少ない特別支援学校○大半が高等部在学生○採用は3月の卒業後となる○在学中、企業での職場実習を経験している生徒が多い○在学時に職場実習生として実際に勤務してもらいマッチング の状況を把握することもできる就労移行支援事業所○企業就職に必要な、労働習慣の確立、マナー・挨拶などの習得や パソコン操作・事務補助作業・清掃などの能力向上に向けた訓 練(支援)を受けている○知的障害者や精神障害者の人材は確保しやすい障害者職業能力開発校○職業訓練を受けている○身体障害者が中心であったが、最近は精神障害者や発達障害者 も多くなっている○経理、情報処理などの専門的な知識・技能を身につけている ※受講する訓練コースによる10

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る