働く広場2020年8月号
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行っています。普通は大学の研究室でするような仕事を知的障害のある人が行っている。バイオ技術の仕事は「ルール」が厳しく定められていますが、そのルールを堅実に守るのが知的障害のある人なんですね。昔は障害者のつくったものは「汚い・まずい・不良品が多い」という考えがありましたが、現在ではまったく違った「よい製品」となっています。ものづくりといえば、大分県の「ソニー・太陽株式会社」でマイクロフォンをつくる車いすの「マイスター」の方も、すごい技術力を持っていましたね(2013年8月号「グラビア」で取材)。彼のつくるマイクは世界中のトップ歌手が使っています。もう一つ、変わったところでいえば、世界に誇る日本の逸品をつくっている島根県浜田市の「社会福祉法人いわみ福祉会」フの関係がよく、黒字も黒字、大黒字です。一時は「予約が取れないレストラン」としても有名になり、仙台市内の一流ホテルからも出店のリクエストが来たほどです。また、福井県の「社会福祉法人 コミュニティーネットワークふくい」(2012年7月号「グラビア」で取材)。中学校の学校給食を知的障害のある人たちが、学校や町の指導者と一緒になってつくっている。そこは「いじめのない学校」として日本中の学校関係者が見学に来るほどです。『働く広場』で紹介して、さらに見学者は多くなったと聞いています。岐阜県の「WSBバイオ」も素晴らしい取組みをしています(2012年6月号「グラビア」で取材)。ここは就労継続支援A型事業所ですが、知的障害のある人がワサビの栽培をバイオ技術を利用してがあるかどうかですよ。そうなると最後は「人」にかかってきます。撮影を通じて印象に残っているのは、宮城県仙台市にある「六丁目農園(株式会社アップルファーム)」(2012年9月号「編集委員が行く」で取材)。ここはすごいですよ。障害のある人とそれを支えるスタッ働く広場 2020.8清原れい子さんラジオ局アナウンサーを経て、フリーライター。1987(昭和62)年から『働く広場』にたずさわり、「職場ルポ」、「この人を訪ねて」などのコーナーの取材を担当。2020(令和2)年3月まで、本誌の専門委員として活躍した。2012年9月号掲載 編集委員が行く「六丁目農園(株式会社アップルファーム)」2012年6月号掲載 グラビア「WSBバイオ」2004年10月号掲載 グラビア「社会福祉法人いわみ福祉会」23

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