働く広場2020年9月号
12/36

【図】 全社的に連携した社内サポート体制(例)働く広場 2020.9事担当者、受入れ部署はもちろん、社員全員が共通認識を持つことで、一部の当事者だけに負担がかかったり孤立したりすることを防ぎ、業務内容や配属先も拡大しやすくなります(図)。 「とにかく採用」と先を急ぐ前に、会社として「なぜ障害者雇用に取り組むのか」、「目的や理念は何か」といった方針を明確に打ち出すことで、社員の理解が広がりやすく、結果として採用から定着までスムーズに進みます。 具体的には、社内会議などで障害者雇用の必要性を周知し、取組みを進める提案をして、社内の合意形成(コンセンサス)を図っていくとよいでしょう。◆提案のための資料例・自社の障害者雇用状況(常時雇用している労働者数、雇用障害者数)・障害者雇用を進めなければならない理由(法律に定める雇用義務、ハローワークからの指導、納付金の納付義務、企業の社会的責任(CSR))・具体的な障害者雇用計画(本社で〇人、A・B工場で〇人ずつ)・障害者雇用にあたって利用できる支援機関や支援内容、助成制度・他社の雇用事例 など また、社内理解を広げるには、経営者の姿勢が最も重要です。ある会社での例です。障害者雇用が始まってから経営者がその職場を見に来ました。現場の仕事ぶりに感心した経営者が役員会議でその話をしたところ、相次いで役員たちも見学に訪れ、障害者雇用の社内社内の関心が薄く、障害者雇用を進められる自信がありません。A 社内会議などで現状や課題を周知し、経営陣からトップダウンで関心を広げましょう。 障害者雇用は、経営者(経営陣)や人第5回第5回はじめての障害者雇用はじめての障害者雇用 第5回目のテーマは、職場の受入れ体制です。一緒に働く同僚や上司が、障害者雇用について理解不足のままでは、せっかく採用しても長続きしません。また、担当部署だけに負担をかけてしまうようなことも避けるべきです。今号では、スムーズな職場定着につながる社内サポートと連携のあり方についてご紹介していきます。(協力)中央障害者雇用情報センター     障害者雇用支援ネットワークコーディネーター 礒邉豊司さん、内田博之さんクローズクローズアップアップAQ 1経営者受入れ部署以外の社員●障害者雇用の方針の決定●全社員への方針の浸透 (社員へのメッセージの発信)●障害者への理解●受入れ部署への協力人事担当者理解を求める方針の伝達理解を求める方針の伝達理解を求める方針の伝達経営者への働きかけ理解を求める方針の伝達サポート相談・報告●障害者雇用計画策定●経営者、受入れ部署との調整●採用活動●労働条件(就業時間・休日)の配慮●医療機関や支援機関との連絡調整●仕事に関する教育・指導や 悩みの解消●障害者の労務管理●人間関係、職場環境の改善支援機関●生活面の支援や悩みの解消(生活習慣、家族・交友関係)●医療機関との調整サポート理解・協力サポート相談・報告理解を求める方針の伝達、計画の承認受入れ部署社員10

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る